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【講座主旨】
温室効果ガス(GHG)排出に対する圧力は日増しに高まっており、化学産業においても同様である。これは、化学産業が熱エネルギー多消費であり、その熱エネルギー源が化石燃料の燃焼熱であることが根底にある。バイオ原料、SAF、アンモニア・水素などへの取組みも盛んに行われているものの、このような取り組みには時間と莫大な費用が必要となる。2030年、或いは2035年までのGHG削減目標を達成するためには、大きなプロセス開発を伴う取り組みよりも、むしろある程度確立した技術に基づく省エネによるアプローチがより重要性を増してきた。
化学プロセスでは蒸留操作で消費されるエネルギーが多い一方で、蒸留操作を代替する分離単位操作は当面ない状況である。従い、蒸留を対象とした切り口での省エネについて解説・紹介する。
また、熱エネルギーの省エネを考えるとき、熱は他のエネルギーへ変換しようとすると効率が悪いため、高効率ヒートポンプ等の極めて優れた技術を用いることなどを除くと、プロセスの熱をそのまま他の熱エネルギー源として用いることが効率的である。このような観点で、どのように熱回収・熱統合を行えば良いのかについて最適化技術も含めて解説・紹介する。
【講座内容】
1.化学プロセスを取り巻く環境
1.1 化学プロセスの省エネが何故、温室効果ガス削減に繋がるのか?
1.2 化学プロセスの省エネの狙い目
2.省エネ蒸留技術
2.1 蒸留の原理のおさらい
2.2 省エネ蒸留技術の体系
2.3 従来の省エネ蒸留技術の限界
2.3.1 ヒートポンプ式蒸留
(1)技術概説
(2)従来のヒートポンプ蒸留技術の限界
2.3.2 蒸留シーケンシング
(1)技術概説
(2)シーケンシングから考えるDividing Wall Column技術
(3)DWCの適正な適用とは。本当にDWCで良いのか?
2.4 実際に適用できる省エネ蒸留技術
2.4.1 SUPERHIDIC
(1)可逆蒸留操作とは
(2)可逆蒸留操作 x ヒートポンプ = SUPERHIDIC
(3)SUPERHIDICの商業プラント適用例
(4)その他
2.4.2 改良型Petlyuk塔
3.プロセスの熱統合・熱回収
3.1 ピンチ解析
(1) 技術概説
(2) ピンチ解析の限界
3.2 スチームのカスケード利用
3.3 熱統合・熱回収例
4.数理最適化技術によるプロセス・用役系同時最適化(HERO)
(1) 数理最適化とは
(2) HEROの技術概説
(3) HEROとピンチ解析の差
(4) HEROの適用要領
(5) HERO適用の実例
【質疑応答】
◆◆講師プロフィール◆◆◆
専門分野:省エネ、蒸留、プロセスエンジニアリング
学位:博士(工学)化学工学
略歴・活動・著書など:
1994年 東洋エンジニアリング株式会社入社
2013年 京都大学大学院 博士(工学/化学工学)
2014年 日経地球環境技術賞 優秀賞
2017年 エンジニアリング協会エンジニアリング功労者賞
2018年 省エネ大賞(経済産業省大臣賞)
2018年 化学工学会技術賞
2018年,
2022年 石油学会技術進歩賞
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