第1章 スパッタリング薄膜の成膜現場で発生する問題、原因、対策手法
第1節 スパッタリング法の原理、成膜過程を理解する
1. スパッタリング現象
1.1 スパッタリングとは
1.2 物理現象としてのスパッタリングの発見
1.3 スパッタリングとイオン
1.4 スパッタリングにおける運動量交換
2. 放電とスパッタリング
2.1 イオンと放電
2.2 グロー放電
2.3 放電ガス:アルゴン
2.4 シース電場
3. 陰極(ターゲット)からの原子放出過程
3.1 スパッタリング率
3.2 スパッタリングにおける原子放出過程
3.3 高周波放電とスパッタリング
3.4 自己バイアス
3.5 面積効果
3.6 マグネトロン放電とマグネトロンスパッタリング
4. 空間中の輸送過程
4.1 ターゲット原子の輸送
4.2 反応性スパッタリング
5. 基板への付着、堆積過程
5.1 スパッタリングにおける薄膜形成過程
5.2 柱状構造
5.3 釘打ち効果
5.4 基板・薄膜表面の高速粒子照射
第2節 スパッタ製膜プロセスにおける粒子輸送過程とその影響
1. スパッタ粒子の輸送過程
1.1 ターゲットからの粒子放出
1.2 スパッタ粒子とガス原子の衝突
1.3 衝突断面積と平均自由行程
1.4 拡散過程
2. 粒子輸送過程の実際とその影響
2.1 Throwing Distance,pd積
2.2 膜厚分布の圧力依存性
2.3 膜物性への影響
第3節 スパッタリング装置の選定、成膜条件と膜特性
1. スパッタリング装置選定の準備(はじめに考慮すべきこと)
1.1 研究開発用途の場合
1.2 生産用途の場合
1.3 基板形状の例
2. スパッタリング装置の種類と特徴
2.1 バッチ処理装置と枚葉処理装置
2.2 ロードロック室付装置
2.3 スパッタリングの方式
2.4 カソード(蒸発源)の種類
2.5 装置のデザイン
2.5.1 スパッタリング源と基板の関係
2.5.2 多数室装置の構成例
3. 光学膜における膜性能、生産性に影響を与えるスパッタリング成膜パラメーター
3.1 機械的ディメンジョン(ターゲットと基板の配置)
3.2 放電電力
3.3 真空度
3.4 導入ガス
3.5 アーキング
第4節 各種スパッタ法における薄膜作製と高エネルギー粒子衝撃低減法
1. スパッタ成膜中の高エネルギー粒子による基板衝撃現象
2. 低ダメージスパッタ法
2.1 低電圧スパッタ法
2.2 負イオンに起因する高エネルギー粒子衝撃の抑制
2.3 ガスフロースパッタ法
2.4 その他の高エネルギー粒子衝撃の抑制
3. 低温成膜法 4. 高速低ダメージ成膜法
第5節 スパッタリング装置におけるパーティクルの発生と対策
1. スパッタリング装置におけるパーティクル発生モード
1.1 どのような場所でパーティクルが発生しているか
1.2 大気搬送モジュールにおけるパーティクル対策
1.3 真空搬送モジュールにおけるパーティクル汚染
1.4 スパッタリングプロセスに起因するパーティクル発生
2. 剥離パーティクルの発生メカニズムと対策
2.1 どのような要因で剥離パーティクルが発生するか
2.2 ガスによるパーティクル飛散
2.3 静電気によるパーティクル飛散
2.4 チャンバ内のパーティクル除去手法
3. パーティクルを観測し管理するには
3.1 ウェーハを用いたパーティクル管理とISPMによるパーティクル管理
3.2 ISPMはどのような圧力で使用可能か
3.3 ターボポンプの下流へのISPM設置の可否
第6節 スパッタリング用プラズマシミュレーション
1. シミュレーションの基礎
1.1 粒子モデルの解析の必要性
1.2 粒子モデル解析の基本
1.3 初期状態
1.4 荷電粒子の運動
1.5 電子と原子の衝突
1.5.1 弾性衝突
1.5.2 電子励起衝突
1.5.3 電離衝突
1.6 イオンと電子の衝突
1.7 時間ステップの選択
1.8 電場の解法
1.8.1 電荷密度
1.8.2 電場
1.8.3 荷電粒子に働く力
1.9 計算の流れ
2. スパッタ用プラズマの構造
2.1 直流マグネトロン放電
2.2 高周波マグネトロン放電
第7節 内部応力の発生機構,評価方法と緩和手法
1. 応力とは
2. 応力の発生機構
3. 応力の評価方法
4. 格子ひずみを測定する方法
5. スパッタリング法により作製された薄膜における応力
6. スパッタリング薄膜における応力と構造の関係
7. 応力と材料の弾性
第8節 付着性
1. 付着性とは
2. 付着性と応力
3. 付着性の評価方法
4. 引きはがし法
5. 引っ張り法および引き倒し法
6. 引っ掻き法
7. 押し込み法
8. 付着性の実際
9. 付着性と基板の硬さ
10. 付着性の改善方法
10.1 基板加熱
10.2 前処理
10.3 後処理
10.4 接着中間層の挿入
第9節 硬さと摩擦・摩耗
1. 薄膜の硬さ(Hardness)
1.1 薄膜の硬さの定義
1.2 押し込み硬さの分類
1.3 硬さ測定の実際
1.4 塑性変形硬さの関連因子
2. 薄膜の摩擦
2.1 摩擦とは
2.2 薄膜の摩擦係数μと摩耗の測定
2.3 低摩擦固体薄膜の作製
第10節 スパッタリング薄膜の熱伝導率測定
1. 測定理論
1.1 周期加熱距離変化法
1.2 Angstromの熱損失補正
1.3 Scanning-laser-加熱
1.4 AC温度応答sensor
1.5 示差測定法
2. Scanning-laser-加熱AC法の測定装置
2.1 Scanning-laser-加熱の光学系
2.2 装置の構成
2.3 試料ホルダ
2.4 装置の仕様
3. 薄膜の熱伝導率測定試料の準備
3.1 基板材料の選択
3.2 硼珪酸ガラス基板
3.3 薄膜試料の黒化処理
4. 薄膜の熱伝導率測定試料の物性評価
4.1 窒化アルミニウム(AiN)薄膜の物性
5. 薄膜の熱伝導率測定結果と考察
5.1 窒化アルミニウム(AiN)薄膜と酸化アルミニウム(Al2O3)薄膜の熱伝導率測定