第1節 EME社における新型コロナウイルスのVHH創薬
はじめに
1.創薬からみたVHH
1.1 VHHの特長
1.2 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン及び抗体医薬の開発状況
1.3 中和抗体薬の課題とVHHの利点
2.新型コロナウイルス感染症治療薬を目指したVHH創薬研究
2.1 新型コロナウイルスに対する試験管内スクリーニング方法
2.2 cDNAディスプレイによる試験管内スクリーニング戦略
2.3 セルソーターを活用したVHHのスクリーニング(SDNCシステム)技術
おわりに
第2節 種々の作用点をターゲットとした抗HIV剤の創製
はじめに
1.CD4ミミック
2.ケモカイン受容体CXCR4 拮抗剤
3.ウイルス外被タンパク質gp41をターゲットとしたワクチンと膜融合阻害剤
3.1 N36三量体ミメティックを基にしたワクチン
3.2 C34の三量体・二量体ミメティック
4.アロステリック型インテグラーゼ阻害剤
5.マトリックス・カプシド形成・崩壊過程に関与する阻害剤
5.1 マトリックス形成・崩壊過程に関与する阻害剤
5.2 カプシド形成・崩壊過程に関与する阻害剤
6.潜伏感染再活性化剤
おわりに
第3節 加齢に伴う免疫老化現象を踏まえた創薬研究
はじめに
1.加齢に伴う免疫反応の変化
1.1 免疫老化に伴う獲得免疫反応の変化
1.2 免疫老化に伴う自然免疫反応の変化
2.免疫老化に対する創薬研究
2.1 老化細胞除去による創薬の可能性
2.2 老化環境改善による創薬の可能性
3.免疫老化を考慮した非ヒト霊長類モデルを用いたワクチン開発
おわりに
第4節 インフルエンザウイルス感染を阻害するペプチド
はじめに
1.受容体糖鎖を模倣するペプチドの設計
1.1 ウイルス感染に関わる受容体糖鎖
1.2 糖鎖模倣ペプチド
2.ファージ提示法を用いた糖鎖模倣ペプチドのライブラリーからの選択
2.1 糖鎖を模倣してHAに結合する15残基のペプチドの同定および成熟化
2.2 糖鎖模倣ペプチドのHAへの結合活性およびアラニンスキャニング
2.3 ステアロイル化したペプチドによるウイルス感染阻害活性
2.4 s2(1-5)ペプチドとHAとの相互作用およびデンドリマー設計
2.5 デンドリマー化したs2(1-5)ペプチドによる感染阻害
3.計算機によるペプチド阻害剤の設計の試み
3.1 計算機支援によるペプチド設計の可能性
3.2 HAと相互作用する7残基ペプチドのドッキングシミュレーション
4.糖鎖模倣ペプチドの検出への応用
4.1 ペプチド固定化ダイヤモンド電極の設計とヒトIFV検出
4.2 2分岐のデンドリマーによる高感度化とトリウイルス検出
5.おわりに
第5節 HIV逆転写酵素を阻害するヌクレオシドアナログ
はじめに
1.HIVの構造と生活環
2.逆転写酵素を標的としたヌクレオシドアナログ
2.1 ジドブジンの構造と作用機序
2.2 ジダノシンの構造と作用機序
2.3 スタブジンの構造と作用機序
2.4 ラミブジンの構造と作用機序
2.5 アバカビルの構造と作用機序
2.6 テノホビルの構造と作用機序
2.7 イスラトラビルの構造と作用機序
おわりに
第6節 粘膜免疫誘導型ウイルスベクターを用いた新規ワクチンの開発
はじめに
1.ウイルスベクターを用いた遺伝子組換えワクチン
1.1 ウイルスベクターワクチン
2.ウイルスベクターワクチンプラットフォームとしてのヒトパラインフルエンザ2型ウイルス
2.1 ヒトパラインフルエンザ2型ウイルス
2.2 H P I V2と粘膜免疫
3.rHPIV2ワクチンの開発
3.1 rHIPV2ベクターを用いた結核ワクチン
3.2 rHPIV2によるアジュバント効果
おわりに
第7節 新型コロナウイルスに対する迅速な人工抗体創製
はじめに
1.人工抗体と進化分子工学
1.1 人工抗体とは
1.2 様々な進化分子工学的手法
1.3 高速人工抗体創製法(TRAP提示法)の開発
1.4人工抗体ライブラリの多様性について
2.SARS-CoV-2対する人工抗体の創製
2.1 TRAP提示法による人工抗体の迅速な創製
2.2 SARS-CoV-2スパイクタンパク質に対する人工抗体の特性評価
2.3 人工抗体の中和抗体としての可能性
おわりに
第8節 新型コロナウイルスを中和するヒト単クローン抗体の作成
はじめに
1.ワクチン、治療薬開発
1.1 mRNAワクチン
1.2 回復期血漿療法
1.3 モノクローナル抗体
2.抗SARS-CoV-2中和抗体
2.1 抗体の標的としてのSarbecovirusの蛋白構造
2.2 SARS-CoV、MERS-CoVでの抗S抗体
2.3 症例の選定およびモノクローナル抗体分離方法
2.4 結合、配列、中和活性の測定(pseudovirus, authentic virus)
2.5 エピトープマッピング
2.6 動物モデルでの効果判定
2.7 コンビネーションセラピー
2.8 抗体Fc領域の影響
第9節 アジュバント機能一体型部分2本鎖mRNAを用いたワクチン
はじめに
1.様々なワクチンモダリティの中のmRNAワクチンの特長
1.1 COVID-19に対するワクチン開発
1.2 核酸ワクチン
1.3 核酸ワクチンの中でのmRNAワクチン
2.現状の課題とワクチン設計指針
2.1 現状の課題
2.2 細胞性免疫誘導
2.3 変異株
2.4 脂質性ナノ粒子
2.5 凍結乾燥製剤
3.免疫賦活化アジュバント一体型部分2本鎖mRNA
3.1 mRNAへの免疫賦活化機能の付与
3.2 部分2本鎖mRNAの設計
3.3 免疫賦活化メカニズム
3.4 ワクチン効果
3.5 実用化に向けて
4.mRNA送達キャリア
4.1 高分子ミセル
4.2 mRNA送達システムの設計指針
おわりに
第10節 ウイルスと強力に結合して重症化を防ぐタンパク質(ACE2)
はじめに
1.指向性進化法によるACE2変異体作製
1.1 ACE2に対する指向性進化法のデザイン
1.2 指向性進化法スクリーニングの結果
2.高親和性ACE2の構造解析
3.高親和性ACE2の抗ウイルス効果
3.1 各種性状評価・ウイルス中和活性
3.2 ハムスターにおける重症化予防効果
3.3 ACE2酵素活性
4.エスケープ変異抵抗性
5.まとめ
第11節 インフルエンザウイルスを捕捉する合成化合物
1.ウイルス感染と糖鎖
2.インフルエンザウイルスについて
3.インフルエンザの治療・予防・診断
4.あらゆるインフルエンザウイルスと結合する化合物とは
5.SL修飾3-way junction (3WJ) DNAの設計と合成
6.赤血球凝集阻害実験によるSL修飾DNAとHAの相互作用の確認
7.今後の展望
8.新型コロナウイルスの出現
第12節 BCGのウイルス感染症に対する効果と組換えBCG
はじめに
1.BCGの生い立ち
2.BCGによるnon-specific protectionの認識
3.BCGに対する免疫応答
4.Trained immunity
5.BCGによる重症炎症の抑制
6.組み換えBCGを用いた結核以外の疾患のワクチン
7.組み換えBCG技術を利用したCOVID-19ワクチン開発
おわりに
第13節 ハンドソープによるSARS-CoV-2の不活化
はじめに
1.ウイルスと界面活性剤
1.1 ウイルス
1.2 界面活性剤
2.インフルエンザウイルス
2.1 インフルエンザウイルスに対する界面活性剤の効果
2.2 等温滴定熱量測定
2.3 電子顕微鏡観察
3.新型コロナウイルス
3.1 新型コロナウイルスの界面活性剤による不活化効果の情報
3.2 SARS-CoV-2に対する界面活性剤の効果
3.3 等温滴定熱量測定と電子顕微鏡観察
4.総括
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