書籍『リビングラジカル重合』|技術情報協会 公式出版ページ
 
No.2311
“ぬれ性“の制御と表面処理・改質技術
ポリウレタンの材料設計、環境負荷低減と応用事例

★ 温和な条件、脱気不要、触媒低減など重合プロセスにおける低コスト化、安全性の確保
★ グラフトポリマー、星型ポリマー、ハイパーブランチポリマーにおける分岐点の位置や数の制御 

リビングラジカル重合の精密制御と応用事例
〜耐熱性、接着性、分散性、低摩擦性、撥水性、吸着性〜

発刊予定日 : 2025年9月末日  体 裁 : A4判 約400頁   定 価:88,000円(税込)    ISBN:978-4-86798-066-8


 
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■ 本書のポイント

■ 分子量・分布、末端基、官能基の制御
・連鎖移動剤による付加/開裂の促進、副反応の抑制
・水系合成へ向けたマクロ制御開始剤の使い方
・重合開始/停止における反応経路の選択
・酸素による重合失活の抑制

■ 重合プロセスの条件設定
・原料滴下の位置、タイミングの調整
・温度、時間、雰囲気など熱処理条件の最適化
・金属触媒、未反応モノマーなどの残渣処理
・モノマー、開始剤などによる熱暴走の抑制

■ 応用事例、工業化事例
分散剤、接着剤、レベリング剤、自己修復材料、
機能性フィルム、OLED素子、DDS、生体親和性材料、
防曇コーティング、撥水撥油コーティング など

 
 

■ 執筆者(敬称略) 

京都大学 寺島 崇矢 京都工芸繊維大学 三宅 祐輔
三菱ケミカル(株) 村井 浩也 東北生活文化大学 菅野 修一
(株)レゾナック 田中 徹 ヌーリオン・ジャパン(株) 戸倉 一樹
(株)東ソー分析センター 香川 信之 東京大学 増田 造
(国研)産業技術総合研究所 穂積 篤 テクノリエゾン事務所 今井 昭夫
山形大学 森 秀晴 東洋大学 川瀬 義矩
静岡大学 織田 ゆか里 (株)GL HAKKO 松野 昌幸
大阪公立大学 松本 章一 上智大学 鈴木 教之
千葉大学 青木 大輔 (株)ダイセル 荒谷 剛礼
名古屋工業大学 近藤 聖馬 (株)日立製作所 河野 洋平
九州大学 三浦 佳子 大塚化学(株) 廣井 良一
宇都宮大学 為末 真吾 日本曹達(株) 橋本 裕輝
兵庫県立大学 遊佐 真一 福岡大学 八尾 滋
豊橋技術科学大学 吉田 絵里 DIC(株) 鈴木 秀也
千葉大学 丹羽 亮太 (株)三栄興業 佐々木 大輔
大阪公立大学 北山 雄己哉 名古屋工業大学 林 幹大
日油(株) 小島 章世 山口大学 大佐々 邦久
関西大学 河村 暁文 鶴岡工業高等専門学校 荒船 博之
大阪公立大学 安田 昌弘 東京農工大学 荻野 賢司
静岡県立大学 市原 良真 山梨大学 小幡 誠
(国研)物質・材料研究機構 中村 泰之 工学院大学 川井 忠智
(株)Quemix 川内 進 (同)SPM研究所 田中 均

■ 目  次

第1章 リビングラジカル重合の反応メカニズムと精密制御

第2章 リビングラジカル重合による高分子合成と構造解析、分析

第3章 開始剤、禁止剤などの選び方、使い方

第4章 重合反応プロセスの最適化

第5章 応用事例、工業化事例


◇第1章 リビングラジカル重合の反応メカニズムと精密制御◇

第1節 リビングラジカル重合による高分子の精密合成と構造制御
1.連鎖重合とリビング重合
2.ドーマント種を利用したリビングラジカル重合
3.リビングラジカル重合による精密高分子合成:一次構造の制御
 3.1 分子量や末端基の制御と分析
 3.2 共重合体の合成と連鎖配列の制御
 3.3 分岐高分子の合成と分岐構造の制御
  3.3.1 グラフトポリマー
  3.3.2 星型ポリマー
  3.3.3 ハイパーブランチポリマー
 3.4 環化ポリマーの合成と分子認識
4.リビングラジカル重合による自己組織化高分子の合成:集合構造の制御

第2節 連鎖移動剤の設計・精密高分子合成・最新の研究動向と応用
1.連鎖移動剤の設計
2.精密高分子/特殊構造高分子の合成
3.最近の研究動向と応用

第3節 リビングラジカル重合に基づく両親媒性ブロック共重合体の設計と表面配向
1.リビングラジカル重合に基づく両親媒性ブロック共重合体の設計と合成
2.両親媒性ブロック共重合体膜の表面凝集状態と熱処理温度依存性
 2.1 表面濡れ性
 2.2 表面化学組成
 2.3 表面形状

 

◇第2章 リビングラジカル重合による高分子合成と構造解析、分析◇

第1節 ラジカル重合ならびにリビングラジカル重合による分解性ビニルポリマーの合成設計
1.分解性ビニルポリマーの分子設計
2.ラジカル開環重合による分解性ポリマーの合成
3.リビングラジカル解重合を利用した分解性ポリマーの設計
4.金属触媒および光照射などによるポリマーの分解

第2節 機能性高分子ロタキサンの合成におけるリビングラジカル重合の活用
1.ロタキサン合成の基礎
 1.1 ラジカル過程を経るロタキサン合成
 1.2 ラジカル過程を経る高分子ロタキサンの合成
2.リビングラジカル重合を用いるロタキサン連結型高分子の合成とトポロジー変換
 2.1 高分子トポロジーとミクロ相分離構造
 2.2 ロタキサン連結型高分子の設計
3.ロタキサン連結型ABC星形ポリマーの合成、線状ポリマーへのトポロジー変換、並びに物性評価
 3.1 ABC星形ポリマー(ABCstar) の合成と線状ポリマー(ABClinear)へのトポロジー変換
 3.2 BC星形ポリマー ? ABC線状ポリマーへのトポロジー変換に伴うミクロ相分離構造変化
4.ロタキサン連結型A2B2 星形ポリマーの合成、トポロジー変換、物性評価
 4.1 ロタキサン連結型A2B2 星形ポリマーの合成と線状ポリマーへのトポロジー変換
 4.2 星形ポリマー(A2B2)の線状ポリマー(ABA)へのトポロジー変換に伴う物性変化
5.ビニルポリマーを軸成分とするロタキサン型環状ポリマーの合成とトポロジー変換
 5.1 ロタキサン法による環状高分子の合成戦略とその意義
 5.2 ビニルポリマーを軸成分とするロタキサン型環状ポリマーの合成とトポロジー変換

第3節 ビニルモノマーにおけるRAFTラジカル重合とトポロジーの制御
1.ゲル状連鎖移動剤を用いたビニルモノマーのRAFTラジカル重合と架橋点間距離の制御
 1.1 RAFTゲルを用いたStのラジカル重合及びグラフトポリマーへの誘導
 1.2 RAFTゲルを用いたStのラジカル重合及び架橋点間距離の評価
2.環状状連鎖移動剤を用いたビニルモノマーのRAFTラジカル重合と環状トポロジーの制御
 2.1 環状連鎖移動剤を用いたアルキルアクリレートの環拡大重合
 2.2 希釈条件で行ったアルキルアクリレートの環拡大重合
 2.3 光開始剤を用いたバルク条件下でのアルキルアクリレートの環拡大重合

第4節 光触媒を用いたリビングラジカル重合法による水溶性高分子の合成
1.水溶性高分子について
2.光触媒を用いたリビングラジカル重合
 2.1 PET-RAFTの反応メカニズム
 2.2 PET-RAFT重合の特徴
 2.3 水系-光誘起ATRP
3.光誘起リビングラジカル重合による水溶性高分子の合成事例
 3.1 PET-RAFT重合による水溶性高分子の重合事例
 3.2 光誘起ATRPによる水溶性高分子の重合
 3.3 大量合成および生産技術の検討
4.水溶性高分子材料の開発事例
 4.1 表面グラフト重合への適用
 4.2 ミセル、PISA
 4.3 バイオ素材との融合、バイオマテリアルの開発
 4.4 3Dプリンター応用及び材料開発への応用
5. 将来展望

第5節 トリチオカルバマート触媒によるRAFT重合と接着界面の創製
1.リビングラジカル重合
 1.1 RAFT重合
 1.2 トリチオカルバマートを用いたRAFT重合
 1.3 トリチオカルバマートを構造に持つRAFT重合を利用した材料
2.トリチオカルバマートを架橋点として用いたゲル材料間の接着とその機能
3.トリチオカルバマート構造を利用した高分子の合成によるゲルの接着とその機能化

第6節 連鎖移動剤を用いたMMAの重合制御とその評価
1.はじめに
 1.1 精密ラジカル重合モデル系としてのMMA
 1.2 応用材料設計上の意義
 1.3 学術・産業融合の展望
2.MMAの重合を制御するための連鎖移動剤の構造
3.MMAのRAFT重合における溶媒効果
4.MMAのRAFT重合による高分子量化
5.RAFT重合によるMMAを含むランダム共重合体の合成
6.RAFT重合によるPMMAを含むブロック共重合体の合成
 6.1 疎水性ジブロック共重合体の合成
 6.2 両親媒性ジブロック共重合体の合成

第7節 光制御リヒ゛ンク゛ラシ゛カル重合と高分子材料設計
1.安定ニトロキシルラジカルによる光制御リビングラジカル重合
2.アゾ開始剤および光感受性オニウム塩の分子構造と分子量制御との関係
3.ブロック共重合体およびグラフト共重合体の合成
4.光精密ラジカル重合誘導型自己組織化によるジャイアントベシクルの合成
5.絨毛構造の形成
6.セグメント共重合体を用いた新規な人工コレステロールモデル
7.ジャイアントベシクルの感熱応答挙動を利用した細胞小器官の動的な人工生体膜モデル

第8節 不均一重合/リビングラジカル重合による高分子微粒子の合成と表面修飾
1.高分子微粒子の合成方法
2.高分子微粒子表面へのポリマーブラシ付与
 2.1 高分子微粒子表面へのリビングラジカル重合開始基導入
 2.2 高分子微粒子表面で利用できるリビングラジカル重合開始基の密度の評価
 2.3 高分子微粒子における表面開始リビングラジカル重合
 2.4 表面開始リビングラジカル重合を利用した有機-無機複合微粒子の合成
 2.5 表面開始リビングラジカル重合を利用した異形高分子微粒子の合成
 2.6 バイオメディカル用途の高分子微粒子
3.リビングラジカル重合を用いた微粒子・ラテックスの合成

第9節 乳化重合系におけるリビングラジカル重合を用いた高分子合成
1.水媒体不均一系における制御/リビングラジカル重合
2.乳化重合系における制御/リビングラジカル重合
3.水溶性制御剤を用いたアプローチの開発
4.TERP乳化重合における重合制御改善
5.重合初期(粒子核形成段階)の重要性
6.異種モノマーへの展開
7.攪拌速度の影響
8.乳化重合系の特徴を活かした超高分子量ポリマーの合成

第10節 ミニエマルション界面RAFT重合によるソフトナノマテリアルの調製
1.両親媒性マクロRAFT剤を用いたミニエマルション界面RAFT重合
 1.1 ミニエマルション界面RAFT重合
 1.2 O/Wエマルションを利用したミニエマルション界面RAFT重合
 1.3 Water-in-oil(W/O)エマルションを利用した逆ミニエマルション界面RAFT重合
2.両水溶性ブロック共重合体をmacroRAFT乳化剤とした逆ミニエマルション界面RAFT重合

第11節 乳化・懸濁重合におけるリビングラジカル重合
1.付加重合による高分子の合成
2.不均一重合反応(乳化重合と懸濁重合)の重合反応速度論
 2.1  乳化重合の反応機構
 2.2 懸濁重合の反応機構
3.乳化重合や懸濁重合のリビングラジカル化
4.両親媒性マクロモノマーのミセル重合と得られたミセル状高分子

第12節 標的分子を吸着するポリマーの合成と生体応用
1.インプリントポリマーによる標的分子吸着
 1.1 メリチンを吸着・中和するインプリントポリマー開発
 1.2 インプリントポリマーのバイオイメージング、薬物送達への応用
2.非インプリントナノ粒子による標的分子吸着と中和
 2.1 生体内でメリチンを吸着・中和する非インプリントナノ粒子開発
 2.2 ヒストンを吸着するナノ粒子開発による敗血症治療
 2.3 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を吸着するナノ粒子開発によるがん治療
3.生体内で標的分子を吸着する直鎖ポリマー開発
4.これまでのポリマーの課題と今後の期待

第13節 リビングラジカル重合法を利用したラジカル重合停止反応の機構解明および合成応用
1.ラジカル重合停止反応のメカニズム
 1.1 停止反応機構についての従来の検討方法
 1.2 リビングラジカル重合法を利用した重合停止反応の解析方法
 1.3 停止反応機構に関する新しい知見
 1.4 代表的ビニルモノマーの停止反応機構
2.ラジカル停止反応を利用した高分子合成
 2.1 ラジカルカップリング反応
 2.2 直接ラジカルカップリング反応
 2.3 分子挿入的ラジカルカップリング反応
 2.4 ラジカルカップリング重合反応

第14節 Q-eスキームの改良によるモノマーの反応比予測の向上と成長ラジカルの定量的評価
1.固有Q-eスキームの導出と反応性比の予測
2.成長ラジカルとモノマーのQ-e値の算出方法
3.開始剤ラジカルのe値

第15節 HPLCを用いた共重合体の組成解析
1.共重合体の組成分布
2.HPLCを用いた共重合体の組成分布解析技術
 2.1 HPLCを用いたポリマーの分離技術
 2.2 HPLCを用いたポリマー分離の原理
 2.3 GPECを用いたポリマー分離の概要
 2.4 GPECを用いた共重合体の組成分離の実例
 2.5 2次元液体クロマトグラフィーの概要
 2.6 2D-HPLCによる共重合体の構造解析

第16節 リビングラジカル共重合体の分子量および化学組成の解析
1.分子量と分子量分布
2.組成と組成分布

 

◇第3章 開始剤、禁止剤などの選び方、使い方 ◇

第1節 ラジカル重合、リビングラジカル重合で使用される開始剤、禁止剤の特徴
1.熱開始剤
 1.1 アゾ化合物
 1.2 過酸化物
 1.3 レドックス開始剤
 1.4 炭素?炭素開裂型の開始剤
 1.5 酸素が関与する開始剤
 1.6 自然熱重合の開始
 1.7 その外の開始剤
2.光開始剤
 2.1 アゾ化合物と過酸化物
 2.2 分子内開裂型(Norrish I 類)開始剤
 2.3 水素引き抜き型(Norrish II 類)開始剤
3.リビング重合特有の開始剤
 3.1 ATRP
 3.2 RAFT重合
 3.3 ヨウ素介在ラジカル重合
 3.4 TERP、BIRP、SBRP
 3.5 NMP
4.禁止剤
 4.1 ラジカル構造の禁止剤
 4.2 キノン類
 4.3 酸素
 4.4 その外の禁止剤

第2節 様々な有機ホウ素化合物のリビングラジカル重合開始剤としての可能性
1.実験
 1.1 試薬
  1.1.1 MMAの精製
  1.1.2 Stの精製
  1.1.3 EAの精製
  1.1.4 ヒドロキノン(HQ)の精製
  1.1.5 2,6-ジ-第三-ブチル-p-クレゾール(BHT)の精製
  1.1.6 ジグリムの精製
  1.1.7 その他の試薬
 1.2 重合方法
 1.3 生成ポリマーの分析
2.結果と考察
 2.1 S-Alpine-Boraneを開始剤とする空気雰囲気下で進行するビニルモノマーの重合
 2.2 BDBBを開始剤とする空気雰囲気下で進行するビニルモノマーの重合
 2.3 TBB-MOPA・TEB-DETA・TEB-DAPのMMAに対する基本的な重合開始能

第3節 ジチオベンゾアート型RAFT剤と反応性の評価
1.RAFT重合の反応機構と速度論的評価法
 1.1 RAFT重合とは
 1.2 RAFT重合の反応機構
 1.3 RAFT重合における連鎖移動定数
 1.4 RAFT平衡定数
2.ジチオベンゾアート型RAFT剤の反応性
 2.1 ジチオベンゾアート型を用いたRAFT重合の特徴
 2.2 ジチオベンゾアート型を用いたRAFT重合の遅延時間の発生の原因に関する研究

第4節 パーオキサイド系光重合開始剤の開発とその使い方
1.パーオキサイドの特徴
2.パーオキサイド系光重合開始剤
 2.1 パーオキサイドの光分解
 2.2 トリアジン骨格パーオキサイド
 2.3 チオキサントン骨格パーオキサイド

第5節 塩化ビニル用重合開始剤の選択、連続滴下重合(CID)とスケール防止剤
1.塩ビについて
 1.1 塩ビの誕生
 1.2 国内の塩ビ
 1.3 塩ビ生産技術の推移
 1.4 塩ビ品質の向上
2.重合開始剤(有機過酸化物)
 2.1 塩ビ用重合開始剤(有機過酸化物)
 2.2 塩ビ用開始剤・水素引き抜き能力の違い
 2.3 EHP使用時の典型的な転換率(VCMからPVC)
 2.4 塩ビ用重合開始剤の課題
3.連続滴下重合(CID)とは
 3.1 CID用の重合開始剤
 3.2 CIDの機器
 3.3 CIDの特徴
  3.3.1 およそ20-40%短い重合時間
  3.3.2 エマルション重合開始剤を使用する高い安全性
  3.3.3 重合開始剤をタンク化することによる省力化
  3.3.4 生産時エネルギーの低減
  3.3.5 塩ビの品質向上・フィッシュアイの低減、色調の向上
  3.3.6 安定した塩ビの品質
  3.3.7 既存の重合設備に導入可能
 3.4 CIDの安全性
 3.5 CID導入時の懸念点
4.スケール防止剤
 4.1 塩ビのスケールとは
 4.2 塩ビスケールの弊害
 4.3 スケール防止剤に求められる機能
 4.4 スケール防止剤ノクソール
 4.5 ノクソールの塗布方法

第6節 重合性モノマーの熱暴走と危険性評価
1.熱暴走の現象とリスクについての一般論
2.重合性モノマーの危険性と管理のポイント
 2.1 重合性モノマーの発熱ポテンシャル
 2.2 過去の重合性モノマーに関するトラブル
 2.3 重合性モノマーの管理のポイント
3.熱暴走の危険性評価に関する一般論
 3.1 熱分析手法による評価
  3.1.1 DSC
  3.1.2 カルベ型熱量計
  3.1.3 デュアー瓶
  3.1.4 ARC
  3.1.5 危険性判断
4.原料の重合性モノマー単独の危険性評価
 4.1 国連危険物輸送勧告とSAPT
 4.2 熱分析による評価
 4.3 重合性モノマーの危険性管理のイメージ
5.重合性モノマー取扱い時の危険性評価
 5.1 蒸留精製工程の危険性
 5.2 禁止剤除去モノマーの危険性
 5.3 開始剤混合モノマーの危険性
6.重合反応工程の危険性評価
7.リビングラジカル重合での管理

 

◇第4章 重合反応プロセスの最適化◇

第1節 精密ラジカル重合プロセスとATRP・RAFTの使い分け
1.原子移動ラジカル重合 (ATRP)
 1.1 ATRPのプロセス・方法
 1.2 表面開始型ATRP(SI-ATRP)によるポリマーブラシ合成
 1.3 ATRPに関連する重合系の開発
2.可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合
 2.1 RAFT重合のプロセス・方法
 2.2 高分子に導入されるRAFT剤末端残基の活用
 2.3 RAFT重合に関連する重合系の開発
3.ATRPとRAFT重合の使い分け・最近の研究動向との関連

第2節 重合反応槽の設計と安定化
1.重合反応の基礎的解析
 1.1 実験室スケールでの実験検討の視点
 1.2 重合反応の相・形式の選定
 1.3 回分式溶液重合反応槽設計の基本的な考え方
 1.4 回分式溶液重合反応挙動の基礎的な解析
 1.5 実験室スケール溶液重合実験での要観察項目
2.重合反応装置のスケールアップ設計の考え方
 2.1 スケールアップの際の倍率の影響
 2.2 撹拌・混合効果の考え方
 2.3 ジャケット冷却方式における伝熱係数と徐熱可能熱量
3.重合反応装置周辺の設計の考え方

第3節 撹拌装置の装置設計と条件設定、スケールアップ
1.撹拌槽重合リアクター
2.撹拌槽重合リアクターの設計
3.撹拌槽型反応装置のスケールアップ
4.ハイブリッドモデルによる撹拌槽重合リアクターの設計とスケールアップ

第4節 重合反応装置の選定のためのグラスライニング材料の耐蝕性能に関して
1.グラスライニング材料
2.各種反応に対するグラスライニング機器の使用環境
3.水分を含有する場合の腐蝕
4.酸に対する腐蝕挙動
5.アルカリに対する腐蝕挙動
6.スケールアップも含めた機器選定に関して

第5節 リビングラジカル重合を利用した温度応答性コポリマーの設計と水系有機合成プロセスの確立
1.温度応答性ポリマーミセルを用いる水中触媒反応
2.リビングラジカル重合による温度応答性ブロックコポリマーの合成と水中触媒反応への応用
 2.1 コポリマーの合成
 2.2 コポリマーを用いる水中触媒反応
  2.2.1 パラジウム触媒によるクロスカップリング反応
  2.2.2 溝呂木-Heck反応
  2.2.3 銅塩フリーの薗頭反応
  2.2.4 ルテニウムによるアルケンメタセシス
  2.2.5 石山-宮浦ホウ素化反応
 2.3 反応溶液からの生成物の分離
 2.4 外部から触媒を添加する系の限界
3.触媒機能を固定化した温度応答性コポリマーの合成とそれを利用する水中触媒反応
 3.1 ポリマーへの触媒部位の固定化
 3.2 L-プロリン部位を持つアクリルモノマーの共重合と不斉アルドール反応への応用
 3.3 配位子付きRAFT重合開始剤とポリマー固定化触媒の合成
 3.4 ポリマー末端に金属錯体を有する固定化触媒を用いる水中触媒反応
  3.4.1 ポリマー固定化触媒による水中での溝呂木-Heck反応
  3.4.2 ポリマー固定化触媒による水中での鈴木-宮浦クロスカップリング反応
 3.5 反応溶液中でのパラジウムナノ粒子の形成
 3.6 その他の金属錯体の固定化
 3.7 溝呂木-Heck生成物の分離

第6節 RAFT重合シミュレーションモデルの構築と活用例
1.重合シミュレーションモデル
 1.1 フリーラジカル重合の課題
 1.2 RAFT重合モデルの構築
 1.3 モデルの検証結果
2.混合シミュレーションモデル
 2.1 撹拌スケールアップにおける課題
 2.2 混合モデルの構築
 2.3 滴下位置の決定
3.その他のシミュレーション

第7節 プロセス特性のモジュール化に基づく多品種多機種バッチプロセスのモデル化と制御
1.背景
2.提案手法
 2.1 対象プロセスとその理論モデル
 2.2 前提条件
 2.3 提案方式
3.モデル予測精度の検証
 3.1 検証手順
 3.2 検証結果
  3.2.1 実験結果1
  3.2.2 実験結果2
  3.2.3 実験結果3
 3.3 考察
4.提案モデルを用いた参照値探索

 

◇第5章 応用事例、工業化事例◇

第1節 有機テルル化合物を用いたリビングラジカル重合の顔料分散剤への応用
1.顔料分散剤について
2.TERPを用いたカラーフィルタ用顔料分散剤
 2.1 カラーフィルタ用顔料分散剤
 2.2 分散性とアルカリ現像性の両立
 2.3 紫外線硬化性を有する顔料分散剤
3.TERPを用いたインクジェットインク用顔料分散剤
 3.1 インクジェットインク用顔料分散剤
 3.2 インクジェットインクの分散安定性
 3.3 インクジェットインクの再分散性
 3.4 インクジェットインクの耐擦過性

第2節 リビングラジカル重合による硬化を用いた2液型アクリル接着剤の開発
1.ラジカル重合を利用した各種アクリル接着剤
2.2液型R3B接着剤
3.大気中の可逆的不活性化ラジカル重合
4.ハロゲン化金属の添加によるR3B接着剤の特性改善
5.RDRPによる接着剤特性の改善
6.臭化銅(II)添加による可使時間の延長
7.ATRPの寄与に関する考察
8.RAFT重合の寄与による可使時間の延長
9.分子量の比較

第3節 熱ラジカル重合のゴム組成物及び電子材料への応用
1.熱ラジカル重合材料としてのポリブタジエン
2.ポリブタジエンの位置異性体生成機構
 2.1 リビングアニオン重合法
 2.2 ラジカル重合法
3.1,2-ポリブタジエン類の熱ラジカル重合方法
4.熱ラジカル重合による重合物の物性評価
5.スチレンブタジエンスチレン共重合体(SBS)
6.ゴム改質(EPDM)

第4節 精密重合技術を活用した側鎖結晶性ブロック共重合体の創成と自己組織化・結晶化による難改質性高分子の化学的表面機能化
1.難改質性高分子とリサイクル
2.リビングラジカル重合法を用いたSCCBCの重合と接着性改質機能
3.改質PEの染色性
4.実用化事例

第5節 リビングラジカル重合を用いたブロックポリマー化によるフッ素系界面活性剤の開発事例
1.フッ素系界面活性剤による表面特性の発現機構
2.リビングラジカル重合を用いたブロック化によるフッ素系界面活性剤のレベリング性の向上
3.フッ素系界面活性剤の添加による撥水撥油性の向上
4.リビングラジカル重合を用いたブロック化によるUV反応性フッ素系界面活性剤の撥水撥油性の向上

第6節 両末端反応性ポリプロピレンをマクロ開始剤とした新規変性ポリプロピレンの合成
1.PPを用いたリビングラジカル重合
2.PPの特性の本質
3.PPの精密熱分解と連続式装置の開発
4.末端二重結合ポリマーの機能化とその応用例
5.PPマクロ開始剤を用いた原子移動ラジカル重合(ATRP)
6.PPマクロ開始剤を用いた可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合
7.PPマクロ開始剤を用いた他の連鎖重合
8.PP用いたアクリル酸エステル類の重合における新しい展開

第7節 精密リビングラジカル重合を活用した機能性ポリウレタンの創製
1.フッ素系モノマーを用いたポリウレタンブロック共重合体の合成と表面物性改質
 1.1 概要
 1.2 合成設計
 1.3 合成結果および物性評価
2.ピリジン系モノマーを用いたポリウレタンブロック共重合体の合成と動的共有結合型TPEの調製
 2.1 概要
 2.2 合成設計
 2.3 合成結果および物性評価

第8節 Paint-on法(刷毛塗り法)によるポリマーブラシの簡易調製と固体表面のぬれ性制御
1.ポリマーブラシの代表的な合成法
2.ポリマーブラシの大気開放下での簡易調製法(Paint-on法)の開発
3.新規重合開始基導入法の開発
4.ぬれ性制御
5.ポリマーブラシ調製に必要な臨界重合開始基濃度

第9節 リビングラジカル重合法による高分子分散剤の合成と応用事例
1.高分子分散剤の分散安定化機構
2.リビングラジカル重合による高分子分散剤合成のポイント
 2.1 相溶鎖合成のポイント
 2.2 吸着鎖合成のポイント
3.リビングラジカル重合による高分子分散剤の合成と応用事例
 3.1 ブロック型およびくし型分散剤の合成と応用事例
 3.2 ジブロックナノ粒子型分散剤の合成と応用事例
 3.3 星形分散剤の合成と応用事例
4.リビングラジカル重合による高分子ブラシの合成と応用事例
 4.1 表面グラフト重合法
 4.2 自己組織化単分子膜
 4.3 Grafting from法による高分子ブラシの合成と応用事例
 4.4 Grafting to法による高分子ブラシの合成と応用事例

第10節 精密ラジカル重合によるポリマーブラシ合成とタンパク質との相互作用解析
1.精密ラジカル重合によるポリマーブラシ合成とタンパク質吸着の解析
2.4級アンモニウム塩側鎖のポリマーブラシにおけるタンパク質・バクテリアと相互作用解析
3.機械学習を利用したタンパク質吸着量の予測モデル

第11節 イオン液体中における濃厚ポリマーブラシの精密合成を活用した塗布重合プロセスの開発と潤滑応用
1.低摩擦材料の開発と意義
2.イオン液体型CPB合成とマクロ潤滑における対抗面の平滑性
3.イオン液体を重合溶媒とした塗布重合法の開発
4.厚膜ILCPBにおける潤滑特性の膜厚および分子量分布依存性

第12節 ブロックまたはグラフト共重合体の合成と有機半導体デバイスへの応用
1.キャリア移動
 1.1 移動度の測定法
 1.2 ブロック共重合体をホストとした分子分散系
 1.3 共役系高分子系ブロック共重合体
2.応用展開
 2.1 有機電界発光素子(OLED)
 2.2 有機薄膜太陽電池
 2.3 有機フォトリフラクティブ(OPR)素子

第13節 精密グラフト重合/ナノインプリント法を用いた表面機能フィルム材料の開発 〜親水、撥水、接着〜
1.poly(MCMA-co-HEMABr)ベースの撥水性/親水性ピラーフィルムの創製と界面物性
2.poly(CEMA-co-HEMABr)ベースの荷電担持型ピラーフィルムの創製と接着特性

第14節 リビングラジカル重合による高分子−光増感剤複合体の合成と光線力学療法への応用
1.末端型:TFPP-PHPMA
2.主鎖型:P(St-co-TFPP)-b-PPEGA
3.側鎖型:P(ImA-co-TFPPA)-b-PPEGA