【習得できる知識】
・ヒトの感情の理解・支援がなぜいま求められているのか、を知ることができます。
・感情の心理学・神経科学研究の概要を知ることができます。
・感情センシングに関する企業の取組み事例を知ることができます。
・感情/知覚/行動を統合した新しい感情センシングについて知ることができます。
・感情センシングを研究開発/社会実装するうえでの問題を理解することができます
【講座趣旨】
COVID-19によるパンデミックを乗り越え、人類は新しい価値観・生活様式を獲得しつつあります。人々の移動は世界的に活性化し、国籍や人種を超えて人間同士の交流が盛んになっています。物理的な交流のみならず、コロナ禍で普及したオンラインコミュニケーション・ツールは社会に定着し、なくてはならないインフラとなっています。そのようなポストパンデミックの急激な社会変化は、人間の心身にも急速な適応を求めます。出自の異なる他者が何を求めて語りかけているのか、そこにはいないサイバー空間の人々がいま何を思い何を感じているのか、私たちはより少ない手がかりから、他者の存在・状態を理解しなければならない場面を経験しているのではないでしょうか。こうした背景のもと、ヒトの感情をセンシングする技術や、感情状態へ適切に介入するための技術が注目されています。感情はこれまで心理学・生理学・神経科学など多角的にアプローチされ、そうした知見に基づく技術が社会実装へ向けて活発に研究開発されています。本講座では感情研究の経緯を振り返りながら、社会実装へ向けた課題を整理します。そして、それらの課題を解決するための新しいアプローチをご紹介します。最後に、感情にまつわる技術のこれからについて展望したいと思います。
1.ヒトの感情を理解・支援する重要性
1.1 ポストパンデミックの社会変化
1.2 社会課題
1.3 脅威と機会
2.感情研究のこれまで
2.1 感情の理論
2.2 感情の心理学/生理学
2.3 感情の神経科学
3.心理物理学的感情センシング
3.1 感情センシングの課題
3.2 課題解決の着想
3.3 心理物理学
3.4 心理物理学的感情センシング
3.5 コンセプト検証
3.6 ベイジアンネットワークによる実装
3.7 深層ニューラルネットワークへの拡張
4.感情センシングのこれから
4.1 社会的課題
4.2 解決の視点
【質疑応答】
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