【講演ポイント】
電子機器の開発後半になってクローズアップされてくることの多い問題の一つに、ノイズ問題(EMC試験に不合格)が挙げられます。設計時に対策を組込まなかった、或いは対策は取ったはずなのに想定外のノイズが…ということは良く起こります。開発も後半になっていると、基板の改版や筐体の型変更などはできず、大きなリスクとなり得ます。
このような状況に陥ることを避けるため、本講演では、ノイズの基本的な定義や物理的な考え方から始めて、「敵を知る」意味でのEMC試験の内容、設計時に盛込むべき対策、開発終盤になって修正が限られる中での対策等、実践的な内容を、極力数式・理論を介さず、「何故そうするか」と共に説明して行きます。
【プログラム】
1. ノイズの基礎とEMC
1.1 ノイズとは何か
1.1.1 電磁エネルギーとその出入り
1.1.2 ノイズの定義
1.1.3 電子機器の干渉とEMC
1.1.4 エミッションとイミュニティ
1.1.5 ノイズの時間的特性
1.1.6 ノイズの伝達経路
1.2 ノイズの物理
1.2.1 物理の話に入る前に
1.2.2 ノイズと物理法則
1.2.3 交流の基礎知識
1.2.4 交流とスペクトル
1.2.5 見えないLとC
1.2.6 共振現象
1.2.7 電磁波の発生とアンテナ
1.2.8 伝送線路
1.3 ノイズの計測・評価
1.3.1 ノイズ計測とデシベル
1.3.2 高速波形の測定
1.3.3 スペクトル測定の要点
1.3.4 電波暗室とレシーバ
2. 共通EMC規格とその概要
2.1 エミッション試験
2.1.1 雑音端子電圧
2.1.2 雑音電界強度
2.1.3 電源高調波
2.1.4 フリッカ
2.2 イミュニティ試験
2.2.1 静電気放電
2.2.2 放射イミュニティ
2.2.3 ファーストトランジェント/バースト
2.2.4 雷サージ
2.2.5 伝導イミュニティ
2.2.6 電源周波数磁界
2.2.7 電源電圧ディップ・瞬停
3. ノイズ問題の方法論と技術論
3.1 ノイズ問題の方法論
3.1.1 素早く原因を掴むコツ
3.1.2 再現性を確保する手法
3.1.3 技術が身につく試行錯誤
3.2 ノイズ問題の技術論
3.2.1 発生源を抑える
3.2.2 伝達経路を断つ
3.2.3 アンテナを作らない
3.3 設計時の対策技術
3.3.1 回路・基板
3.3.2 機内・機外ケーブル
3.3.3 フレーム・筐体
3.3.4 既製品・外部設計品
3.4 設計後の対策技術
3.4.1 磁性コア類
3.4.2 フィルタ
3.4.3 シールド・GND強化部材
3.4.4 電磁波吸収体
【質疑応答】
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