【講座の趣旨】
データインテグリティは、品質マネジメントシステム(QMS)の文書化において最も基礎的、かつ重要なテーマです。QMSの運用は、データインテグリティをいかに確保できているかどうかで、その信頼性が大きく変わります。本講座では、データインテグリティの意図するものの理解から実際の運用面について具体例を交えて説明するとともに、「行ってはいけないこと」への理解を深めます。更に、紙媒体及び電子媒体の双方が適用される「ハイブリッドシステム」の運用を可能にします。
◆習得できる知識
・データインテグリティがクローズアップされてきた経緯を理解できます。
・データインテグリティに関する最新のガイドラインを知ることができます。
・データインテグリティの要求事項(ALCOACCEA)について具体的に理解し、その方針に従って記録を残せるようになります。
・紙媒体、及び電子媒体の平行使用について、どのようにしてお互いのデータインテグリティを確保していくのかを理解できるようになります。
・行政査察、顧客監査におけるデータインテグリティの質問に対し、ガイドラインへの適合内容に即して回答できるようになります。
・経営者、各組織の長、実務担当者に対し、データインテグリティに関する教育を行うことができます。
【講座内容】
1.データインテグリティとは何か
1.1 データインテグリティの根底にある思想(性善説と性悪説)
1.2 データインテグリティがクローズアップされてた背景
1.3 データインテグリティに使用される用語の定義
2.データインテグリティに関するガイドライン
2.1 GMPにおけるデータインテグリティ
2.2 ISOにおけるデータインテグリティ
2.3 PICSガイドライン(PI 041-1)
3.データインテグリティの要求事項(要素)
3.1 Attributable:帰属性
3.2 Legible:判読性
3.3 Contemporaneous:同時記録性
3.4 Original :原本性
3.5 Accurate:正確性
3.6 Complete:完全性
3.7 Consistent:一貫性
3.8 Enduring:永続性
3.9 Available when needed:利用可能性
3.10「真正性の証明(真正コピー)」とは何か
4.データガバナンス(統制)システムとデータインテグリティマネジメント
4.1 データガバナンスとは何か
4.2 データインテグリティをマネジメントするということとは
5.紙媒体のデータインテグリティ
5.1 記録紙の作成 、配布、維持管理
5.2 手書きによる記録と修正
5.3 記録のダブルチェック方法
5.4 電子機器より直接印字した記録
5.5 オリジナルの記録や真正コピーの廃棄
5.6 紙媒体による監査証跡
6.コンピュータ化システムのデータインテグリティ
6.1 医薬品質システムの構成とコンピュータ化システムの管理
6.2 コンピュータ化システムの適格性評価とバリデーション
6.3 バリデーションと保守
6.4 リスクアセスメントの実施
6.5 定期的なシステム評価
6.6 データ転送
6.7 システムセキュリティ
6.8 電子化システムの監査証跡
6.9 電子データのレビュー、保管、廃棄
7.ハイブリッドシステムの管理(紙媒体から電子媒体への移行)
8.アウトソーシング活動におけるデータインテグリティ
9.データインテグリティに関する指摘例と、行政措置
9.1 FDAによる指摘事項例
9.2 EMAによる指摘事項例
9.3 PMDAによる指摘事項例
10.データインテグリティの欠陥の修正
【質疑応答】
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