【講座主旨】
医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下,薬機法)及び薬機法施行令では再生医療等製品は,細胞加工製品及び遺伝子治療用製品に分類される。なお,キメラ抗原受容体T細胞(以下,CAR-T細胞)等のex
vivo遺伝治療用製品は,本邦において薬事上は細胞加工製品に分類される。また,疾病の治療ではなく,感染症予防のために使用されるワクチンは,ウイルスベクターやmRNAを用いた製品であっても遺伝子治療用製品ではなく医薬品に分類される。
本邦では2024年3月時点で20品目の再生医療等製品が承認されており,再生医療等製品の開発も盛んに行われている。再生医療等製品の開発にあたり必要となる非臨床安全性評価は,医薬品とは異なる点も多く,また再生医療等製品が多種多様であることから製品の特性に応じた適切な評価が必要となる。本邦における遺伝子治療用製品と細胞加工製品の非臨床安全性評価の基本的な考え方について解説するが,これらの基本的な考え方を踏まえた上で,個々の製品の特性に応じてケース・バイ・ケースでの評価が必要になることに留意されたい。
【講座内容】
1.はじめに
2.遺伝子治療用製品等の非臨床安全性評価
2.1 非臨床安全性試験
1)一般毒性評価
2)遺伝子組込み評価
3)腫瘍形成及びがん化の可能性の評価
4)生殖発生毒性試験
5)免疫毒性評価
6)増殖性ウイルス出現の可能性の評価
2.2 ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療用製品等の非臨床安全性評価
3.細胞加工製品の非臨床安全性評価
3.1 一般毒性試験
3.2 造腫瘍性試験
3.3 非細胞成分・製造工程由来不純物の安全性評価
【質疑応答】
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◆講師プロフィール◆
(学位)
博士 (医学)
(経歴)
・ 元(独)医薬品医療機器総合機構
・(独) 医薬品医療機器総合機構では、医薬品や再生医療等製品の審査関連業務並びにICH S12ガイドライン作成等に従事。
現在は住友ファーマ株式会社にて、開発薬事業務に従事。
FIRM規制制度部会
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