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【9:50〜11:10】
第1部 高分子延伸プロセスにおける分子配向形成メカニズムと結晶化挙動
●講師 信州大学 繊維学部 先進繊維・感性工学科 准教授 博士(工学) 宝田 亘 氏
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【講座の趣旨】
高分子のフィルムや繊維を延伸することによって、分子が配向すると共に、配向結晶化と呼ばれる特徴的な結晶化が起こり、力学特性、光学的性質、熱物性など物性値も大きく変化する。また、結晶化に伴う物性変化はその後の延伸性にも大きな影響を与える。
本講義では、まずは非晶性高分子フィルムの延伸過程における分子配向形成機構について、いくつかの樹脂における実測結果を元に、モデル化の手法も含め解説を行う。その上で、結晶性高分子のフィルム延伸過程において発生する配向結晶化について、PET等における実測結果の解説と、PLAで示された延伸性への影響について解説を行う。
【セミナープログラム】
1.延伸過程における分子配向形成
1.1 延伸過程における分子配向の形成と配向緩和
1.2 分子配向形成への延伸温度の影響
1.3 分子配向形成への延伸速度の影響
1.4 分子配向のモデル化
1.4.1 応力光学則と修正応力光学則
1.4.2 Multi.Mode Maxwell Model
1.5 多段延伸過程における分子配向形成
2.延伸過程における結晶化
2.1 PETフィルムの延伸過程における結晶化
2.1.1 一軸延伸過程
2.1.2 二軸延伸過程
2.1.3 PETフィルムにおける分子配向と結晶化速度の関係
2.2 PLAフィルムの延伸過程における結晶化と延伸性
2.2.1 PLAフィルムの延伸過程における結晶化
2.2.2 PLAフィルムの多段延伸過程における結晶化と延伸性への影響
【質疑応答】
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【11:20〜12:40】
第2部 フイルム延伸における分子配向・構造発現−制御技術と応用例−
●講師 P&Pリサーチ 代表 石原 英昭 氏
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【セミナープログラム】
1. はじめに
2. フイルム成形の基本技術
2.1 分子配列制御技術
2.2 表面・界面制御技術
2.3 材料設計・制御技術
3. フイルム延伸における現象〜構造
3.1 2軸延伸における高次構造変化
3.2 2軸延伸におけるボーイング現象
3.3 延伸による複屈折率発現
3.4 二重配向性と分子構造
3.5 延伸発熱と高次構造
3.6 一軸延伸とフイルムの収縮率発現
3.7 延伸による表面構造の発現
4. おわりに
【質疑応答】
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【13:20〜14:40】
第3部 フィルム延伸技術と延伸過程における構造発現・評価技術
●講師 山形大学 大学院 理工学研究科 機能高分子工学専攻 教授 博士(工学) 伊藤 浩志
氏
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【講座の趣旨】
高分子フィルムの延伸について,材料特性,加工技術,構造の評価などを平易に解説する。非晶性,結晶性フィルムとしての要求特性や延伸性,構造と物性評価手法などを紹介するとともに
,海外の研究動向についても紹介する。
【セミナープログラム】
1.フィルム延伸過程における現象
1.1 高分子材料とフィルム成形加工技術
1.2 延伸過程と光学異方性発現の関係
1.3 一軸および二軸延伸と配向挙動
2.結晶性フィルム延伸過程における構造発現および評価技術
2.1 延伸フィルムの構造・物性評価
2.2 国内外のフィルム延伸の研究開発動向
2.3 フィルム成形・延伸過程におけるオンライン光学異方性計測
3.非晶性光学フィルム延伸過程における構造発現および評価技術
3.1 一軸延伸と分子配向特性
3.2 光学延伸フィルムの構造・物性評価
3.3 フィルム延伸・緩和過程におけるオンライン構造計測(研究開発動向含)
【質疑応答】
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【14:50〜16:10】
第4部 光学フィルムの延伸プロセスシミュレーションによる光学特性解析
●講師 日本ゼオン(株) 総合開発センター 生産技術研究所 博士(工学) 佐藤 隆 氏
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【セミナープログラム】
1.光学フィルムの延伸プロセスと用途
1.1 ディスプレイにおける位相差フィルム
1.2 ロールフィルム製造における延伸プロセス
1.3 光学フィルムの特性
2.延伸フィルムの配向状態
2.1 高分子の高次構造と配向状態の定量化
2.2 応力-光学則による力学特性と分子鎖配向
2.3 弾塑性材料の光学特性モデル
3.フィルム延伸シミュレーションによる光学特性解析
3.1 フィルム延伸過程の弾塑性シミュレーション
3.2 応力・ひずみ状態による屈折率楕円体モデル
3.3 入力エネルギーと緩和過程のモデル化
【質疑応答】
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【16:20〜17:10】
第5部 赤外・ラマン分光法によるフィルム延伸・配向結晶性の解析と応用
●講師 日本分光(株) 光分析ソリューション部 ソリューション技術課 係長 田村 耕平 氏
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【講座の趣旨】
赤外分光・ラマン分光はいずれも分子振動を測定し,化学構造を明らか にする手法である。本講座ではまず,赤外分光法・ラマン分光法の基本的な原理お
よ び 一般的な測定事例を紹介する。さらに,フィルムの評価に必要不可欠な分子配向の 評 価手法について,複数の測定法の特徴と具体的なサンプル評価例を中心に解説す
る。
【セミナープログラム】
1.赤外(IR)分光法とラマン分光法の原理
1.1 赤外分光法の原理
1.2 ラマン分光法の原理
1.3 赤外分光法とラマン分光法の比較
2.FTIRを用いた主な測定手法・配向測定事例
2.1 偏光子による透過測定でのフィルムの配向評価
2.2 偏光ATR付属品によるフィルムの3次元的配向評価
2.3 各種アプリケーション事例
2.4 赤外顕微鏡による微小領域のフィルムの配向評価
3.ラマン分光光度計を用いた主な測定手法・配向測定事例
3.1 フィルムの深さ方向・ポリマーの結晶化度測定
3.2 ラマン測定と偏光
3.3 フィルムなどの偏光測定
3.4 フィルムの配向測定
【質疑応答】
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