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7月9日(水)
【11:00〜12:00】
【第1部】 消化器外科での癒着防止材の使用法とまだ満たされていないニーズ
帝京大学医学部附属溝口病院 外科 助教 高島順平 氏
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【講座主旨】
近年、消化器外科領域では、腹腔鏡やロボット支援下手術の普及により、低侵襲手術が標準的となってきている。しかしながら、術後の腸管癒着は依然として臨床上重要な合併症であり、特に癒着性腸閉塞は再入院や再手術の原因ともなっている。
本講座では、消化器外科領域、とくに大腸癌手術における癒着の実態とその予防策としての癒着防止材の活用について、最新の知見や臨床研究の結果を交えながら解説する。
【講座内容】
1.消化器外科における手術手技の変遷と低侵襲化の流れ
・開腹手術から腹腔鏡手術、ロボット支援手術への変化
・腹腔鏡およびロボット手術手技について
2.術後癒着の臨床的意義と予防の必要性
・癒着の発生機序と影響
・癒着性腸閉塞の発症率と対策
・過去の当院におけるデータ紹介
3.癒着防止材の種類と特性
・市販されている代表的癒着防止材(シート・スプレーなど)
・それぞれの適応と使用上の工夫
・消化器外科領域における選択の実際
4.実際の癒着防止材の使用法
・開腹における癒着防止法の実際
・腹腔鏡およびロボット手術における癒着防止法の実際
5.癒着防止剤の今後の課題と期待
・現在の癒着防止材における制約と臨床現場のニーズ
・理想的な癒着防止材とは何か
【質疑応答】
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7月9日(水)
【12:45〜13:45】
【第2部】 心臓血管外科での癒着防止材の使用と医療ニーズ
東京女子医科大学附属足立医療センター 心臓血管外科 准教授 古川 博史 氏
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【講座主旨】
心臓血管外科領域における癒着防止材の使用の現況について、臨床現場からの詳細な情報をもとに紹介し、今後の癒着防止材の医療ニーズと臨床使用の可能性について述べる。また、使用の際の注意点と今後の展望について述べる。
【講演内容】
1.心臓血管外科手術の現況
2.心臓血管外科領域における癒着と再手術のリスク
3.心臓血管外科領域における癒着防止材の使用状況
4.心臓血管外科領域における癒着防止材の臨床現場おける医療ニーズ
5.新しい癒着防止材の開発における留意点と可能性
6.まとめと今後の展望
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7月9日(水)
【14:00〜14:45】
【第3部】 肝胆膵外科での癒着防止材の使用とまだ満たされていないニーズ
日本医科大学付属病院 消化器外科 准教授 川野陽一 氏
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【講座主旨】
肝胆膵外科領域では、高難度手術や再手術が多く、術後癒着が大きな課題です。現存の癒着防止材は一定の効果を示すものの、操作性・適用部位・持続性には限界があり、未だ満たされていない臨床ニーズが存在します。本講演では、現場での使用実態と課題を共有し、次世代製品への期待と開発の方向性について考察します。
【講演内容】
1.消化器外科(肝胆膵外科)の手術の実際
2.肝胆膵外科手術における癒着防止材の使用法と工夫点
・開腹手術における癒着防止法の実際
・内視鏡及びロボット手術における癒着防止法の実際
3.癒着防止剤の有効性の検討
4.肝胆膵外科領域における癒着防止剤の今後のニーズ
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7月9日(水)
【15:00〜16:00】
【第4部】 術式を理解し、癒着と闘う:産婦人科領域における癒着防止材の考え方
聖路加国際病院 女性総合診療部/藤田医科大学 分子遺伝学研究部門 佐古 悠輔 氏
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【講座主旨】
産婦人科領域の鏡視下手術(腹腔鏡・子宮鏡・ロボット支援手術等)の大きな特徴は、良性疾患症例の豊富さにある。本セミナーでは、婦人科良性疾患に対する代表的な低侵襲手術の概略を解説するとともに、術後合併症予防に重要な癒着防止剤の適切な使用場面について詳述する。受講者は、産婦人科領域における良性疾患手術の全体像を把握すると同時に、本邦で使用可能な各種癒着防止材の特性と最適な選択基準について理解を深めることができる。さらに、臨床現場が求める次世代癒着防止材のニーズを提示し、今後の製品開発に役立つ実践的な情報を提供する。
【講演内容】
1.本邦で使用される癒着防止材の特徴
2.産婦人科領域の代表的手術の概略と癒着防止材の適正を考える
@ 子宮全摘術
A 子宮筋腫核出術
B 卵巣腫瘍摘出術
C 付属器摘出術
D 帝王切開子宮瘢痕症(帝王切開瘢痕症候群)
E 子宮鏡手術・子宮内操作
3.今後求められる癒着防止材のニーズ
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7月9日(水)
【16:10〜17:10】
【第5部】 耳鼻咽喉科領域での癒着トラブル事例と癒着防止策
藤田医科大学ばんたね病院 耳鼻咽喉科 教授 岡野 高之 氏
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【講座主旨】
準備中
【講演内容】
準備中
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7月10日(木)
【14:00〜15:00】
【第6部】 損傷組織を検知する新たな組織接着性癒着防止スプレー
公立小松大学 保健医療学部臨床工学科 教授・学科長 山岡 哲二 氏
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【講座主旨】
温度変化やpH変化や光照射に応答する素材がインテリジェント材料とよばれて注目されましたが、その実用化は進んでいません。本講座では、組織の損傷部位を検知して速やかに超薄被膜を形成する一液性の癒着防止スプレー製剤を紹介します。
【講演内容】
1.癒着防止剤
@シート状癒着防止材
A2液性癒着防止材
B3液性癒着防止材
2.インテリジェント材料(刺激応答性材料)
@温度応答性材料
ApH応答性材料
B光応答性材料
3.損傷組織を検知する癒着防止スプレー
@生体内で使用可能な新たなシグナル
A正常組織と損傷組織
B組織表面被膜化スプレーの設計戦略
C本システムの今後の展開
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【15:10〜16:10】
【第7部】 天然多糖類を基盤にした癒着防止材の開発と臨床応用
東京大学大学院工学系研究科 化学システム工学専攻 教授 伊藤 大知 氏
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【講座主旨】
現在の臨床において癒着防止材のゴールデンスタンダートともいえるSeprafilmはヒアルロン酸とカルボキシメチルセルロースから成るフィルムである。またスプレイ材料であるAdsprayはカルボキシメチルスターチをベースにしている。アルギン酸はコンドロイチン硫酸など、その他に期待されている材料も天然多糖類由来である。本分野について、講演者の研究成果や、文献等から示唆される世界的な技術トレンドを交えながら、この分野の現状を概観する。
【講演内容】
・天然多糖類の種類と特徴
・臨床応用されている癒着防止材
・アルギン酸を用いた癒着防止材の開発:講演者の例
・ヒアルロン酸を用いた癒着防止材の開発:講演者の例
・文献等から読み取れる世界の材料設計の方向性
・腹膜癒着以外の癒着防止の展開
・アンメットニーズと今後の展望
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【16:20〜17:20】
【第8部】 腹腔鏡下手術/開腹手術における癒着防止材の有効性の検証
倉敷成人病センター 緩和ケア科部長 鶴田 淳 氏
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【講座主旨】
外科手術により引き起こされる癒着という現象は、生体が恒常性を維持するために必要な防御反応である一方、腸閉塞などの術後合併症を引き起こす要因になり得る。一般的に腹腔鏡下手術は開腹手術に比較して術後癒着が少ないとされ、近年、消化器外科領域においては開腹よりも腹腔鏡下手術(ロボットを含む)が多くの割合を占める。本講演では腹腔鏡下手術あるいは開腹手術において使用される様々な癒着防止材の有効性を検証する。
【講演内容】
・癒着形成のメカニズム
・術後癒着と癒着剥離のリスク
・癒着防止材の種類とその有効性
・開腹手術における癒着防止材の有効性
・腹腔鏡下手術における癒着防止材の有効性
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