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【13:00〜14:00】
【第1部】 硬質表面上における各種材料の抗バイオフィルム試験の実施手順と評価
一般財団法人日本食品分析センター 多摩研究所 微生物研究課 エキスパート 太田 知克 氏
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【講座主旨】
バイオフィルムとは微生物が固体表面で増殖し,細胞外重合物質(EPS)を産生することで形成される生物膜で,水まわりで発生する"ぬめり"の原因となっています。
本講演では硬質表面上におけるバイオフィルムの抑制を目的とした加工製品の評価方法であるISO
4768:2023について,試験方法の詳細・留意点をご説明するとともに,抗菌製品技術協議会(SIAA)による認証制度についてご紹介いたします。
【講座内容】
1.バイオフィルムについて
2.抗バイオフィルム評価試験方法(ISO 4768)
1) 試験法の流れ
2) 試験実施上の留意点
3.抗菌製品技術協議会(SIAA)における認証基準
1) SIAAの活動
2) SIAAマークについて
3) 抗バイオフィルム加工製品の性能基準
【質疑応答】
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【14:15〜15:00】
【第2部】 フェノール系抗菌剤のバイオフィルム形成阻害効果
大阪化成(株) 代表取締役社長 工学博士 浅見 晴洋 氏
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【講座主旨】
バイオフィルム(BF)は、我々の生活空間の様々な場所、例えば浴室内の洗面器の底,洗面台や台所等の流し口などにできるヌメリ、歯周病の原因となる歯垢(プラーク)などに見られ、これらは時として人の健康に害を及ぼすことがある。本セミナーでは、抗菌剤イソプロピルメチルフェノール(IPMP)のBF形成阻害効果について、虫歯原因菌であるミュータンス菌を対象事例として取り上げ、IPMPのBF形成阻害効果とその推定メカニズムについてご報告する。
【講演内容】
1.細菌、カビ、ウイルスの比較
2.一般的な抗菌剤
3.身の回りのバイオフィルム
4.抗バイオフィルム効果の試験手順
5.抗菌剤のバイオフィルム形成阻害効果
〜イソプロピルメチルフェノールの事例を中心に〜
6.バイオフィルム形成阻害メカニズムに関する考察
7.おわりに
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【15:10〜16:10】
【第3部】 材料表面の化学・物理的性質がバイオフィルム形成に与える影響
鈴鹿工業高等専門学校 生物応用化学科 准教授 小川 亜希子 氏
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【講座主旨】
バイオフィルムは、微生物とそれらが分泌するEPS(Extracellular Polymeric
Substances:細胞外高分子物質)から構成される複合的な構造体です。固体表面への微生物の不可逆的な付着から始まり、高密度な増殖とEPSの産生を経て成熟したバイオフィルムへと発展します。このように、バイオフィルムは多段階の動的プロセスを経て形成され、その各段階において「足場」となる材料表面の化学的・物理的性質が大きく影響します。
本講座では、バイオフィルム形成に関与する環境要因を概観するとともに、バイオフィルムの形成を促進・抑制する材料表面特性について、具体的な研究成果を交えて紹介します。
【講演内容】
1.バイオフィルム形成のステージ
2.材料表面の特性とバイオフィルム形成の比較
@金属材料における付着傾向の違い
A高分子材料・コーティングの影響評価
3.バイオフィルム抑制に向けた材料設計と応用事例
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【16:20〜17:20】
【第4部】 微生物の付着・定着を抑制する成分の検索
山口大学 大学研究推進機構 中高温微生物研究センター 教授 阿座上 弘行 氏
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【講座主旨】
本講座では、様々な口腔バイオフィルムの阻害剤の検索とクオラムセンシングをターゲットとしたバイオフィルム阻害剤の開発について解説する。
【講演内容】
1.食品成分からのバイオフィルム阻害剤の検索
1.1 茶カテキンによるバイオフィルム阻害
1.2 キノコ抽出物によるバイオフィルム阻害
2.AIの不活化によるバイオフィルムの制御
2.1 E. corrodensにおけるAI-2の不活化によるバイオフィルムの制御
3.細菌が生産するバイオフィルム阻害剤
3.1 植物内生放線菌からのバイオフィルム阻害剤の検索
3.2 南極で分離した細菌からのバイオフィルム阻害剤の検索
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