【講座主旨】
医薬品は、開発段階で収集した資料を基に承認審査が行われる。そのため、もしこの資料が信頼できるものでないとしたら、当然のことながら販売承認が得られないことになる。我が国では、承認申請資料は、薬機法の中で“信頼性基準”に従って収集された実験データに基づくもののみが資料として認められていると規定されており、CMC関係は薬機法施行規則第43条に規定されている”信頼性の基準“に適合することが求められている。さらに、取得されたデータ・資料は適切に保管・管理しておかなければならない。本講演では、“信頼性の基準”が必要になった背景や、そのポイント、それに沿った実験手順(計画書・報告書の作成)や記録の取り方や修正方法、そして生データの定義や管理方法について紹介するとともに、PMDAが指摘する不適切な事例を具体的に紹介することにより、医薬品品質試験における生データの取り扱い・保管と申請に対する理解を深めて頂く。
【講座内容】
1.医薬品承認申請プロセスと必要な資料
1.1 承認申請プロセス
1.2 承認申請に必要な資料
1.3 CTDとは何か(3極での違い等)
1.4 CTDに基づいた資料作成のポイント
2.“信頼性基準”と“信頼性の基準”
2.1 信頼性基準とは何か‐その法的根拠
2.2 信頼性の基準とは何か‐制定された背景
2.3 信頼性の基準に基づいた実験や報告書作成手順
2.4 信頼性の基準に基づいた記録の取り方・修正方法他
2.5 生データの定義と管理方法
2.6 記録や生データの問題事例
2.7 開発段階で変更管理への対応―GMP下での変更管理との比較
3.適合性調査への対応
3.1 適合性調査とは何か
3.2 適合性調査では何が確認されるか
3.3 適合性調査で指摘されている問題事例
4.まとめ
【質疑応答】
===講師プロフィール======================
専門分野:薬剤学・製剤学
学位:博士(薬学)
略歴・活動・著書など:
2000年‐2006年 テルモ梶@主任研究員
2006年‐2008年 奥羽大学薬学部 准教授
2008年‐2016年 武州製薬梶@製造技術部 部長
2017年‐2023年 ナノキャリア梶@研究部部長、取締役(監査等委員)、顧問
2024年 PURMX Therapeutics, Inc.シニアダイレクター
2025年 (株)リボミック 品質保証責任者
学会活動等
1999年‐2000年 日本薬学会 評議員.
2002年‐2004年 ISPE日本支部 理事
2011年‐2016年 製剤機械技術学会 理事
2016年‐2020年 日本薬剤学会 評議員
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