【本講座で学べること】
・パーフルオロアルキル化合物に対する最新の脱フッ素化手法とその分類
・均一系触媒反応における基本的な素反応の理解
・脱フッ素水素化反応の設計指針
・脱フッ素化に有効な触媒の特徴と反応機構
・今後の脱フッ素化研究における課題と展望、環境負荷低減への応用可能性
【講座概要】
本講演では、環境汚染物質として近年注目を集めるパーフルオロアルキル化合物(PFAS)の分解手法、とりわけ触媒を用いた脱フッ素水素化反応に焦点を当て、その最新の研究動向を概観します。まず、脱フッ素化の多様なアプローチについて概要を示し、次にその根幹をなす均一系触媒反応に関する基礎的な素反応を解説します。続いて、フルオロアレーンやトリフルオロメチル基、さらには長鎖のパーフルオロアルキル基に至るまで、各種基質に対する脱フッ素水素化反応の具体例とその反応機構を紹介し、使用される触媒の設計指針について考察します。本講演は、有機化学、触媒化学、環境化学の分野に関心を持つ聴講者にとって、基礎と応用の両面から有益な知見を提供することを目指しています。
1.パーフルオロアルキル化合物の脱フッ素化
1.1 概観
1.2 触媒反応
2.均一系触媒反応の基礎
2.1 素反応
2.2 触媒サイクル
3.フルオロアレーンの触媒的脱フッ素水素化反応
3.1 反応例
3.2 C―F結合の切断過程
4.トリフルオロメチル基の触媒的脱フッ素水素化反応
4.1 共役系の効果
4.2 金属錯体を用いた反応
4.3 シリリウムを用いた反応
5.パーフルオロアルキル基の触媒的脱フッ素水素化反応
5.1 カルボラン触媒を用いた反応
5.2 ニッケル触媒を用いた反応
6.今後の展望
【質疑応答】
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