【講座の趣旨】
知財戦略の効果を実感できない要因として、企業の事業形態の相違や競合他社との知財力の比較に対応した知財戦略を実践できていないことが挙げられます。また、知財戦略の効果を経営層(経営者、事業責任者、研究開発責任者)に理解してもらえないために、十分な協力を得られていないことも挙げられます。
本講義では、知財戦略の内容と効果の確認方法を、企業の事業形態別、競合他社に対する自社の知財力のポジション別に説明します。また、知財ミックス戦略、知財秘匿戦略についても具体的な事例を基に説明します。さらに、経営者や事業責任者、研究開発責任者にどのような報告をしたら良いのかを具体例を基に説明します。
経営者や事業責任者、研究開発責任者にどのように知財戦略の効果を説明したらよいのかと迷っている知財担当者や、知財戦略をどのように研究開発活動に活用したら良いのかと迷っている研究者・技術者の方にお勧めの講座です。
【講座内容】
1.企業における知財戦略の効果確認の現状と課題
1.1 ありがちな知財戦略の目標と効果の確認
1.2 なぜ事業責任者が 知財戦略の効果を実感できないのか
1.3 知財戦略ごとに異なる効果確認の方法
2.知財戦略の効果確認の方法
競合他社との比較による2段階の効果確認の方法 ⇒「仮説」と「検証」と
2.1 自社の知財形成状態から判断する暫定的な効果の確認「仮説」
2.2 他社の知財形成状態の変化と他社製品の分析から
判断する確定的な効果の確認「検証」
3.事業形態別の知財戦略の活用と効果確認の方法
3.1 川下(装置・システム)企業の知財戦略と効果確認の方法
3.2 川上(素材・部品)企業の知財戦略と 効果確認の方法
3.3 特許のカバー率の違いによる知財戦略と効果確認の方法
3.4 企業規模の違いによる知財戦略と効果確認の方法
(1)人・物・金が潤沢でない企業の知財戦略
(2)スタートアップ企業の知財戦略
4.競合他社を意識した知財戦略と効果の確認
4.1 競合他社の動向を探る
(1)研究開発の動向
(2)他社の将来技術を予測して 先回りできるのか?
4.2 自社のポジションを意識した戦略
(1)自社が先行している場合の戦略
(2)自社が追いかける場合の戦略
(3)自社と他社が同レベルの場合の戦略
4.3 障害となる他社特許の弱点を見つけるポイント
(1)障害となる他社特許の特定方法
(2)他社特許の弱点の見つけ方
4.4 競合他社の出願戦略の分析と活用
(1)特許の活用範囲を拡大する出願戦略
(2)出願拒絶・登録無効を回避する出願戦略
(3)侵害回避を困難にする出願戦略
5.1 知財戦略を研究開発計画に どのように取り入れるのか
(1)研究開発リーダーを対象とした知財戦略教育の概要
(2)研究開発計画に知財戦略を取り込むためのサポート活動
5.知財ミックス戦略と効果の確認
5.1 特許権と意匠権とのミックス戦略と効果の確認
5.2 特許権と商標権とのミックス戦略と効果の確認
6.知財秘匿(ノウハウ保護)戦略と効果の確認
6.1 ノウハウ保護・特許出願・自由技術化(公開)を選択する基準は?
6.2 ノウハウ保護戦略を成功させるにはどうすれば良いのか
6.3 ノウハウ保護と特許権とのミックス戦略
7.事業部門、研究開発部門に評価される知財戦略の効果確認とレビューの仕方
7.1 事業利益の継続的な向上を実現する知財戦略と効果確認の方法
7.2 研究開発の成果を他社のキャッチアップから守る知財戦略と効果確認の方法
7.3 知財戦略から将来の事業、研究開発テーマを提案する方法
7.4 事業開発、研究開発、知財戦略の三位一体化を実現する方法
8.経営者・事業部門・研究開発部門への効果的な報告
8.1 経営者への報告
8.2 事業部門への報告
8.3 研究開発部門への報告
9.参考文献
【質疑応答】
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