【本講座で学べること】
・メタサーフェスとは何であるか、フラットオプティクスとは何であるか、の理解
・メタサーフェスによって光がどのように変調されるか、の理解
・メタサーフェスでできること、できないこと、の理解
・フラットオプティクスの可能性に関する基礎的知識の習得
【講座概要】
近年、メタレンズが大きな注目を集めています。メタレンズとは、光の波長よりも小さな構造体(メタアトム)を2次元的に配列することで、レンズとしての機能を発揮する光学素子です。この技術により、光学系の小型化や薄型化が実現できる素子として期待されています。
メタアトムの2次元配列は一般に「メタサーフェス」と呼ばれます。メタサーフェスは、レンズ機能だけでなく、光波の振幅、位相、偏光、分散などを自在に変調する機能を持つ素子の開発が期待されています。このような機能は、光の波長程度の厚さの2次元構造によって実現されるため、「フラットオプティクス(平面光学素子)」という新しい概念が登場しました。これにより、光学系の超小型化を支えるキーデバイスとしての期待が高まっています。
本セミナーでは、メタサーフェスを用いた光の変調原理や素子設計の基本的な考え方について解説します。また、メタ位相子やメタ偏光子など、フラットオプティクスの素子をいくつか取り上げ、特に振幅、位相、偏光の2つ以上の要素を同時に変調する素子の可能性についても議論します。
1.メタサーフェスの構造・種類
1.1 通常の光学材料
1.2 メタマテリアル
1.3 メタサーフェス
1.4 メタアトム
2.メタサーフェスによる光の変調
2.1 電気双極子モデル
2.2 実効屈折率モデル
2.3 導波路モデル
2.4 ミー散乱
2.5 メタアトム間のカップリング
3.メタレンズ・メタホログラム等の基礎と応用
3.1 メタレンズの原理
3.2 メタサーフェスによる光線の屈折
3.3 正弦条件
3.4 色消しメタレンズ
3.5 大口径メタレンズ
3.6 メタホログラム
4.フラットオプティクス素子の可能性
4.1 メタ位相子
・1/2波長板
・1/4波長板
4.2 メタ偏光子
4.3 メタ振幅変調素子
4.4 複合機能素子
【質疑応答】
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