高分子の溶解と溶媒選定、相溶性予測の解説セミナー
        
ファインケミカル,医薬品の連続生産プロセス
 
 

<セミナー No 510214>

【Live配信のみ】 アーカイブ配信はありません

★ ポリマー/溶媒の親和性評価! 溶解操作の条件設定、スケールアップ!

高分子の溶解技術と溶媒選定、相溶性予測


■ 講師

1.

(株)Material Doors  取締役 博士(理学) 山村 諒祐 氏

2.

Matlantis(株) アプリケーションサイエンティスト 博士(理学) 青木 祐太 氏
3. エム・テクニック(株) 研究開発グループ マネージャー 荒木 加永子 氏
■ 開催要領
日 時

2025年10月20日(月) 10:30〜16:15

会 場 Zoomを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料

1名につき 60,500円(消費税込、資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき
55,000円

〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

■ プログラム

【10:30-12:00】

1.溶解度パラメータで読み解く高分子の溶解性
   -基礎から最新研究事例、SoluVisionを用いた実践まで

(株)Material Doors  取締役 博士(理学) 山村 諒祐 氏
 

【講座の趣旨】
本講座は、高分子材料の溶解・分散・互溶化を科学的に最適化するための“物差し”としてHansen溶解度パラメータ(HSP)を活用する方法を紹介する。「like dissolves like --似たもの同士は良く溶け合う」の理念の元、考案された溶解度パラメータの基礎理論を学んだ後、測定テクニック、実際のポリマー/溶媒設計・分散処方のケーススタディまで網羅し、親和性評価ソフトSoluVisionを用いた実演を行う。経験と勘に頼りがちな溶媒選定やブレンド設計を、数値指標で再現性高く行うワークフローを提示し、受講後すぐに自社テーマへ応用できる実践力を養う。

【習得できる知識】
溶解度パラメータの基礎概念 : Hildebrand溶媒度パラメータ、Hansen溶解度パラメータの理論とその適用範囲
溶解度パラメータに基づいた高分子の親和性評価・溶媒探索手法と最新の研究トレンド
親和性評価ソフトSoluVisionを使った実践的な高分子・溶媒設計


1.溶解度パラメータの基礎
 1.1 Hildebrand溶解度パラメータ(SP値)
 1.2 正則溶液理論と混合の熱力学
 1.3 Hansen溶解度パラメータ(HSP値)
 1.4 「分散・極性・水素結合」相互作用の物理的意味
 1.5 溶解性判断基準(相互作用半径)
 1.6 混合溶媒への応用
 1.7 溶解度パラメータが関連する物性(濡れ性、表面自由エネルギー、屈折率、誘電率)
 1.8 溶解度パラメータの適用範囲

2.溶解度パラメータの取得と推算テクニック
 2.1 実測手法:溶解球法、接触角、IGC、吸光度/濁度法
 2.2 推算手法 : 分子グループ寄与法、分子動力学法、機械学習

3.高分子の相溶性評価・溶媒選択の実務例と最新研究事例
 3.1 グリーン溶媒・代替溶媒探索
 3.2 難溶性ポリマーの最適溶媒設計(混合溶媒設計)
 3.3 フィラー分散、ポリマーアロイ設計
 3.4 ポリマーリサイクルへの活用
 3.5 特許事例解析

4.親和性評価ソフト「SoluVision」を使った実演

【質疑応答】


【13:00-14:30】

2.実験データと量子化学計算データの深層学習統合解析によるポリマーと溶媒の相溶性予測

Matlantis(株) アプリケーションサイエンティスト 博士(理学) 青木 祐太 氏
【専門】第一原理計算、機械学習、MDシミュレーション
 

【講座の趣旨】
限られた実験データの情報を最大限に活かすためのシミュレーションデータの活用方法と、既存の物理モデルの知見を機械学習モデルに反映させる方法について具体的な研究事例を用いて紹介する。また、近年発展のめざましい機械学習ポテンシャルを活用する方法についても合わせて紹介する。

【習得できる知識】
・ポリマー・溶媒の相溶性に関する基礎理論
・ポリマー・溶媒の相溶性のシミュレーション方法
・実験データとシミュレーションデータの統合的な活用方法
・物理モデルを機械学習モデルに反映させる方法
・汎用機械学習ポテンシャルの活用方法

1.ポリマー・溶媒の相溶性に関する理論モデル
 1.1 Flory-Hugginsモデルとその応用
 1.2 関連するモデル(溶解度パラメータなど)について

2.実験データと量子化学計算データの統合解析による機械学習予測モデルの構築
 2.1 ポリマー・溶媒系の相溶性実験データとその限界
 2.2 シミュレーションによるFlory-Huggins相互作用パラメータの算出法
 2.3 マルチタスク深層学習モデルによる実験データと量子化学計算データの統合解析

3.汎用機械学習ポテンシャルを用いたポリマー・溶媒相溶性の解析
 3.1 汎用原子レベルシミュレータ「Matlantis」と汎用機械学習ポテンシャル「PFP」の紹介
 3.2 汎用機械学習ポテンシャルを用いた記述子生成と機械学習への応用
 3.3 汎用機械学習ポテンシャルを用いた分子動力学シミュレーションによるポリマー・溶媒の相溶性解析

【質疑応答】


【14:45-16:15】

3.撹拌機を用いた高分子の短時間溶解

エム・テクニック(株) 研究開発グループ マネージャー 荒木 加永子 氏
 

【講座の趣旨】
高分子材料は広く使用されているが溶解に時間を要することも多い。高分子溶解について撹拌機の観点から溶解性向上のポイントについて説明します。

【習得できる知識】
撹拌機を用いた高分子溶解について問題点や溶解のポイントなど

1.高分子の溶解性のポイント
 1.1 高分子とは
 1.2 高分子と溶媒の相互作用
 1.3 高分子の溶解性
 1.4 溶解しやすさとギブスの自由エネルギーの関係

2.撹拌機を用いた溶解
 2.1 撹拌翼の種類
 2.2 撹拌槽内の流れ
 2.3 撹拌における邪魔板効果
 2.4 高分子溶解の課題
  ・粉体投入による凝集塊(継粉)の発生
  ・タンクや撹拌軸への付着
  ・ゲル化、泡立ち
 2.5 溶解装置
 2.6 溶解条件の設定
 2.7 溶解条件による物性変化
  ・粘度/分子量変化

3.溶解例と評価
 3.1 ポリビニルアルコールの溶解
 3.2 ヒドロキシプロピルメチルセルロースの溶解
 3.3 ポリビニルブチラールの溶解

4.スケールアップ

【質疑応答】