【講座の趣旨】
本講座は、高分子材料の溶解・分散・互溶化を科学的に最適化するための“物差し”としてHansen溶解度パラメータ(HSP)を活用する方法を紹介する。「like
dissolves like --似たもの同士は良く溶け合う」の理念の元、考案された溶解度パラメータの基礎理論を学んだ後、測定テクニック、実際のポリマー/溶媒設計・分散処方のケーススタディまで網羅し、親和性評価ソフトSoluVisionを用いた実演を行う。経験と勘に頼りがちな溶媒選定やブレンド設計を、数値指標で再現性高く行うワークフローを提示し、受講後すぐに自社テーマへ応用できる実践力を養う。
【習得できる知識】
溶解度パラメータの基礎概念 : Hildebrand溶媒度パラメータ、Hansen溶解度パラメータの理論とその適用範囲
溶解度パラメータに基づいた高分子の親和性評価・溶媒探索手法と最新の研究トレンド
親和性評価ソフトSoluVisionを使った実践的な高分子・溶媒設計
1.溶解度パラメータの基礎
1.1 Hildebrand溶解度パラメータ(SP値)
1.2 正則溶液理論と混合の熱力学
1.3 Hansen溶解度パラメータ(HSP値)
1.4 「分散・極性・水素結合」相互作用の物理的意味
1.5 溶解性判断基準(相互作用半径)
1.6 混合溶媒への応用
1.7 溶解度パラメータが関連する物性(濡れ性、表面自由エネルギー、屈折率、誘電率)
1.8 溶解度パラメータの適用範囲
2.溶解度パラメータの取得と推算テクニック
2.1 実測手法:溶解球法、接触角、IGC、吸光度/濁度法
2.2 推算手法 : 分子グループ寄与法、分子動力学法、機械学習
3.高分子の相溶性評価・溶媒選択の実務例と最新研究事例
3.1 グリーン溶媒・代替溶媒探索
3.2 難溶性ポリマーの最適溶媒設計(混合溶媒設計)
3.3 フィラー分散、ポリマーアロイ設計
3.4 ポリマーリサイクルへの活用
3.5 特許事例解析
4.親和性評価ソフト「SoluVision」を使った実演
【質疑応答】
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