【講座の趣旨】
ポリプロピレンは,身の回りで多く使われている汎用樹脂の一つです。その理由として,成形加工しやすい,コストパフォーマンスに優れる,性能をカスタマイズできる等があげられます。この講座では,種々の素材の中で,ポリプロピレンの持つ特徴を説明します。その特徴を生かすためには,適切な銘柄を調達し,最適な加工を施す必要があります。非常に幅広い知識の中で,今回は,広く浅く基礎から応用までの技術を紹介していきます。実務でポリプロピレンを扱っていて,日ごろ疑問を持っている技術者との質疑応答を通して,一方通行では説明されないようなトビックスまで幅広く解説します。
【セミナープログラム】
1.ポリプロピレンの歴史
1.1 おいたち
1.2 樹脂改良の足跡
1.2.1 低温における衝撃強度の改良
1.2.2 剛性の改良
1.2.3 透明性の改良
1.2.4 難燃化
1.2.5 耐候性の改良
1.2.6 耐銅害性グレード
1.2.7 帯電防止
1.2.8 二次加工性の改良
1.2.9 染色性の改良
2.ポリプロピレンの化学
2.1 プロピレン
2.2 プロピレンの重合
2.2.1 重合触媒
2.2.2 重合反応
2.3 ポリプロピレンの製造法
2.3.1 ホモポリマー
2.3.2 ランダム共重合体
2.3.3 衝撃グレード
3.ポリプロピレンの構造と物性
3.1 分子量と分子量分布
3.1.1 分子量
3.1.2 分子量分布
3.2 分子構造と結晶構造
3.2.1 一次構造 3.2.2 立体規則性
3.2.3 二次構造 3.2.4 高次構造
3.3 熱的性質
3.3.1 ガラス転移温度と融解温度
3.3.2 PVT
3.3.3 緩和
3.3.4 結晶化速度と結晶化度
3.4 溶融物性
3.4.1 メルトマスフローレート
3.4.2 溶融粘度の測定
3.4.3 密度と表面エネルギー
3.5 固体物性.機械的性質
3.5.1 降伏強度,伸び
3.5.2 弾性率
3.5.3 衝撃強度
3.5.4 表面硬度
3.5.5 摩耗抵抗,スクラッチ性
3.6 耐久性
3.6.1 耐クリープ性
3.6.2 耐疲労性
3.7 その他性質
3.7.1 ヒンジ特性
3.7.2 比熱,熱伝導率
3.7.3 電気的性質
3.7.4 耐薬品性,耐ストレスクラッキング性
4.ポリプロピレンの劣化と機能化
4.1 劣化の全体像
4.1.1 外的な要因
4.1.2 内的な要因
4.2 ポリプロピレンの劣化機構
4.2.1 自動酸化反応
4.2.2 β切断による分子量の低下
4.2.3 劣化による構造物性の変化
4.3 安定性を付与する添加剤
4.3.1 酸化防止剤
4.3.2 光安定剤
4.3.3 中和剤
4.3.4 分散剤
4.3.2 架橋剤,分解剤,発泡剤
4.3.3 難燃剤
4.4 機能を付与する添加剤
4.4.1 造核剤
4.4.2 帯電防止剤
4.4.3 滑剤
4.4.4 防曇剤
4.4.5 離型剤
4.4.6 アンチブロッキング剤
4.4.7 抗菌剤
4.4.8 蛍光増白剤
4.5 分析法,試験法
4.5.1 前準備
4.5.2 定性分析
4.5.3 定量分析
5.調色とコンパウンド
5.1 調色
5.1.1 色材
5.1.2 凝集と分散
5.1.3 工業的な混合方法
5.2 コンパウンド
5.2.1 二軸押出機
5.2.2 フィラー充填
5.2.3 ガラス強化
5.2.4 エラストマー変性
5.2.5 反応混練
6.ポリプロピレンの加工法
6.1 延伸加工
6.1.1 無配向と延伸による構造形成
6.1.2 キャストフィルム
6.1.3 BOPP
6.1.4 インフレーションフィルム
6.1.5 溶融紡糸
6.1.6 延伸テープ
6.2 射出成形
6.2.1 射出成形品の構造形成
6.2.2 構造と物性
6.3 その他
6.3.1 中空成形
6.3.2 不織布
6.3.3 シート成形
6.3.4 回転成形
7.ポリプロピレンの用途
7.1ポリプロピレンの性質
7.1.1 ポリプロピレンのプラスチックの中における位置
7.1.2 他樹脂との比較
7.1.3 カタログ,使用銘柄の選定
7.1.4 グレード群毎の成形性
7.2 使用例
7.2.1 家庭用品
7.2.2 電気産業関係
7.2.3 自動車関係部門
7.2.4 化学工業用
7.2.5 包装,輸送用資材
7.2.6 建材
7.2.7 農,畜,水産業用資材
7.2.8 衣料
7.2.9 医療用
7.2.10 その他の用途
【質疑応答】
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