【講演ポイント】
本講座では、非可食バイオマスの有効利用に向けた取り組みの中でも、酵素糖化による活用に必要となる糖化酵素技術に焦点を当て、花王における開発事例を交えながら解説する。
特に、バイオマスに含まれる成分の分解に関与する各種糖化酵素の特性や改良技術について取り上げ、原料の多様性に対応するための酵素選抜やプロセス設計の考え方を紹介する。
また、酵素糖化技術における阻害要因への対応、コスト低減のための工夫、さらには得られた糖液の利用に向けた展望についても議論し、産業実装に向けた課題と今後の技術開発の方向性を考察する。
【プログラム】
1.非可食バイオマスと糖化技術の重要性
1.1 非可食バイオマス資源の位置づけと利活用の背景
1.2 糖化プロセスの技術概要と分類
2.糖化酵素の基礎と最新技術動向
2.1 糖化酵素の分類と役割(セルラーゼ、ヘミセルラーゼ 等)
2.2 要求性能(温度、pH、阻害物質耐性など)と改良技術の潮流
2.3 国内外での研究・開発動向
3.花王における糖化酵素開発の取り組み
3.1 花王における糖化酵素開発の背景と目的
3.2 糖化酵素の開発・製造技術
3.3 適用対象と活用実例
3.4 花王における糖化酵素開発の今後の展開
4.プロセス全体における課題とコスト・実装への壁
4.1 酵素反応効率と糖化プロセス設計の連動(前処理、酵素再利用 等)
4.2 糖液からの製品事例(現状と今後)
4.3 スケールアップ・コスト・安定供給といった実装上の課題
4.4 バイオマス社会実装に向けた提案
5.まとめ
【質疑応答】
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