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<10:00〜11:30>
【第1部】視覚・聴覚の加齢変化と高齢者対応製品の開発
早稲田大学 人間科学学術院 教授 倉片
憲治氏
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【講師略歴】
大阪大学大学院人間科学研究科行動学専攻、修了。博士(人間科学)。国立研究開発法人産業技術総合研究所総括研究主幹を経て、2017年より現職。高齢者の心理特性に関する幅広い知見を基に、年齢や障害の有無に関わらず多くの人々に使いやすい製品、快適な環境の設計を考える「加齢人間工学」の研究・教育に従事。共著書に『バリアフリーと音』『アクセシブルデザイン
〜高齢者・障害者に配慮した人間中心のデザイン〜』など多数。
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【講演趣旨】
高齢者対応製品を開発するには、高齢者の感覚・身体特性を考慮した設計が求められます。本講演ではそのうち視覚と聴覚に焦点を当て、それぞれの特性が若齢者と高齢者でどのように異なるかを、種々の測定データに基づいて解説していきます。加齢に伴う見え方や聞こえ方の変化が明らかになれば、それに応じて製品の設計をどのように変更すべきか検討することが可能となります。具体的な製品例もいくつか挙げながら、高齢者の視覚・聴覚特性が製品の設計仕様にどのように反映されているかを探っていきます。高齢者対応製品の開発に初めて取り組む方には、本講演によってその主要なポイントがつかめるようになることでしょう。
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【講演項目】
1. 高齢者の視覚
1.1 視覚特性の加齢変化
(1)視力
(2)有効視野
(3)色覚
(4)グレア
(5)暗順応
1.2 高齢者の視覚特性を考慮した製品例
2.高齢者の聴覚
2.1 聴覚特性の加齢変化
(1)聴力
(2)音の大きさ知覚
(3)周波数選択性
(4)時間分解能
(5)両耳聴機能
(6)音声の知覚と理解
2.2 高齢者の聴覚特性を考慮した製品例
【質疑応答】
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<12:15〜13:45>
【第2部】高齢者の生理特性を踏まえた製品デザインの進め方
千葉大学 デザイン・リサーチ・インスティテュート 教授 下村
義弘氏
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【講師略歴】
2000年千葉大学大学院自然科学研究科博士(工学)、2015年千葉大学大学院工学研究
科教授、千葉大学フロンティア医工学センター兼務、千葉県立保健医療大学非常勤講 師、生理人類士1級。一般社団法人日本人間工学会理事・第64回大会長、一般社団法
人日本生理人類学会理事・第75回大会長。一般社団法人日本内視鏡外科学会、一般社 団法人日本口腔衛生学会、バイオメカニズム学会、看護理工学会、日本デザイン学会
に所属。
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【講演趣旨】
高齢者が使うことができる製品を設計するためには、その身体や感覚などの生理特性
を理解することが必要です。この理解によって、デザイナーや設計者ははじめて高齢 者の立場にたって製品を考えられるようになります。また、理解した様々な生理特性
を製品に関連付けて考えることに、発想のヒントが隠されています。本講演では高齢 者を含みヒトの身体や感覚の各種データを紹介し、製品の発想と開発のプロセスを説
明します。そして手で使う道具や人工照明などのいくつかの事例紹介によって、高齢者を含む人間中心の製品デザインの進め方を解説します。
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【講演項目】
1.高齢者と若年者
1.1 身体機能:解剖学的変化をデータから読み取り、他人の立場になる
1.2 運動方略:物が使いやすいかではなく、自分の身体の制御をしやすいか
1.3 感覚機能:感覚の変化をデータから読み取り、他人を思いやる
2.人類に普遍的な特性
2.1 本質は、自然環境の中で培われた生理機能にある
2.2 世代は生理機能と環境のかけあわせで変わりゆく
2.3 大人と子供のクロノタイプ
3.無意識の戦略
3.1 人間の情報処理は基本的に体性反応で獲得した感性に基づく
3.2 認知や行動は感性と身体機能の掛け合わせによって形作られる
4.主観評価の妥当性と生理評価の必要性
4.1 主観評価は意識できる範囲に限定され、感性そのものではない
4.2 視覚でさえ、自分では見えていない
4.3 無意識下の生理反応や、ついやってしまう行動の理解が大切
5.人間工学で使われる生理測定方法の例
6.人間中心の製品デザインの進め方
6.1 物がこうだから、ではなく人がこうだから、の視点
6.2 物からスタートしない
7.人間中心で事例をながめる
製品、光環境、サービス、など
【質疑応答】
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<14:00〜15:30>
【第3部】高齢者の心身状態の評価方法と商品開発への応用
筑波大学 大学院人間総合科学学術院 客員教授、
統合生理学研究所 代表 矢田 幸博氏
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【講師略歴】
1984年 花王石鹸(株)(現:花王(株))に入社。皮膚生理研究に従事し、美白、抗老化に関連するスキンケア剤を開発。その後、ストレス、睡眠、香り、温熱生理研究、乳幼児生理、女性生理および高齢者の機能研究等に従事し、蒸気温熱シートや乳幼児オムツ、高齢者用転倒防止オムツ等の開発を行った。
社外活動では、これまでに富山大学医学部やタイ国立皮膚科学研究所で客員研究員、インドネシアのウダヤナ大学医学部で客員教授等に就任。2010年より久留米大学大学院客員教授(〜2021年まで)、2012年より筑波大学大学院人間総合科学学術院の教授を兼務し、研究活動、教育活動に従事。2023年3月退職、退官。現在、筑波大学同大学院客員教授とともに統合生理学研究所を設立し代表を務め、大学間の共同研究や企業の学術顧問として活動中。近著;「不定愁訴の統合生理学と商品開発」等出版物多数。
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【講演趣旨】
この5年の間、コロナ禍にあったため、外出の自粛や三密対策を行ったことで日常生活や活動が制限されたためにストレスや心身の不調を訴える人が急増している。特に中高年世代では、これまで生活の質(QOL)の維持や身体、認知機能の維持のためにも日々の外出や周りの人とのコミュニケーションを取ることの重要性が言及されているものの、それの活動が現在なお、制約された状況が続いている。そのため、転倒、うつ症状、認知機能低下のリスクが高まることが懸念されており、これらの課題への対策が急務である。そこで、本講では、中高年世代の心理生理的な特性(睡眠、歩行、認知、身体機能など)について言及するとともにこれらの課題に対する評価手法や対応策を論じることで関連商品開発の礎の一つになることを期待したい。
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【講演項目】
1.はじめに 〜中高年世代の心理、生理機能の理解〜
1.1. 中高年世代の心理機能の特性
1.2. 中高年世代の生理機能の特性
1.3. 性差と加齢変化(肌性状、体性感覚、身体機能、代謝機能、認知機能など)
2.中高年世代対象の官能評価、有効性評価の課題と対応
2.1. 中高年世代対象の官能評価の課題とその対応
2.2. 中高年世代対象の心理評価の課題とその対応
2.3. 中高年世代対象の生理評価の課題とその対応
3.中高年世代を対象にした商品開発に向けて
3.1. 中高年世代を対象にした評価試験の課題
3.2. 中高年世代を対象にした評価試験の組み立て方
3.3. 中高年世代を対象にした被験者の選出
3.4. 中高年世代を対象にした評価法の選択
4.まとめ
【質疑応答】
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<15:45〜17:15>
【第4部】高齢者の使いやすさの評価方法と商品開発への応用
ユニ・チャーム(株) Global品質保証部 参与 宮澤
清氏
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【講師略歴】
昭和50年東京理科大学工学部を卒業後、且草カ堂に入社。トイレタリー研究グループリーダー
(主任研究員)、その後本社マーケティング部商品開発課長を経験。平成12年にユニ・チャーム に入社。開発本部商品開発部ディレクター、生活科学研究所長、グローバル品質保証部長を歴任後、
平成27年1月よりCSR本部長代理、CSR本部参与。現在Global品質保証部参与 工学博士。
共立女子大非常勤講師、東京理科大学客員教授、日本材料技術研究協会副会長などを務め、 現在日本衛生材料工業連合会技術委員会副委員長、ISO/TC173,TC224,TC38,TC338部会委員など従事。
日本化粧品技術者会最優秀論文賞、日本油化学会工業技術賞、日本材料技術研究協会論文賞、 日本感性工学会優秀発表賞などを受賞。
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【講演趣旨】
高齢化時代において衛生材料メーカーとして自立する高齢者への支援とともに寝たきり高齢者への衛生 環境の改善といった高齢者自身の心と肌へのケアを実施していくことは、重要なことであり、健康寿命の
延伸にも貢献し、社会課題の解決にもつながっていく。 今回、高齢者にとっての紙おむつについて快適性を主眼とした自立を支援する「はき心地のよい紙おむ
つ」や寝たきりの高齢者に向けた真の意識(気持)を客観的に定量化する手法による「高齢者自身への正し
い介護ケア検証」とともに寝たきり状態での肌状態・臭いの原因究明などによる「おむつ交換時のおしり
洗浄の重要性」など科学的な評価方法とともに製品へ応用を実施したので紹介する。
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【講演項目】
1.はじめに
2.活動的な人に向けたはき心地のよい紙おむつ
2.1 はき心地に関する高齢者の主観評価
2.2 はき心地と紙おむつ材料のKES評価
2.3 3次元DLT法による形態変化
2.4 はき心地のよい紙おむつとは
3.寝たきり高齢者の気持ちの定量化
3.1 高齢者における自律神経活動の評価
3.2 日常で観測される自律神経活動
3.3 日常ケア別の自律神経活動の変化
3.4 自律神経活動評価の限界
4.紙おむつによる肌トラブル要因
4.1 おむつ内排泄の有無による実態評価
1)肌状態の判定
2)総菌数の変化
3)肌臭気の比較(官能評価と機器評価)
4)肌PHの変化
4.2 おむつ内排泄による肌変化の推定
4.3 洗浄液による肌改善効果
【質疑応答】
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