【本講座で学べること】
・リチウムイオン二次電池からのレアメタル分離の現状
・白金族分離
・Co, Mn, Niの化学的性質
・金属および金属化合物の作り分けを利用したCo, Mn, Niの分離
【講座概要】
世界的に普及が拡大している電気自動車(EV)のバッテリーであるリチウムイオン二次電池(LIB)を構成するCo・Mn・Niは、いずれもレアメタルであり、今後の需要拡大に伴う価格上昇が懸念されている。しかしながら、Co・Mn・Niは化学的・物理的性質が極めて類似しているため、コストに見合った分離法が確立されていない。さらに、欧州連合(EU)はLIBに用いるレアメタルのリサイクル率を段階的に義務化しており、2030年にはCo
12%、Ni 4%、2035年にはCo 20%、Ni 12%をリサイクル由来とすることを求めている。このため、効率的な分離法の開発は急務の課題である。本講習会では、私たちが開発した金属および金属化合物の作り分けを利用したCo・Mn・Niの選択的分離法について紹介する。併せて、この手法に至る契機となった白金族元素間の分離法の研究経緯についても解説する。
1.リチウムイオン二次電池からのレアメタルリサイクル
1.1 リチウムイオン二次電池
1.2 Co, Mn, Niの性質
1.3 Co, Mn, Niの分離
2.金属核を有する金属配位ポリマーを用いた白金族同士の分離
2.1 白金族元素
2.2 白金族同士の分離法
2.3 種核成長法
2.4 金属核を有する金属配位ポリマーを用いた白金族同士の分離
3.金属核を有する金属配位ポリマーを用いたCo,
Mn, Niの分離
3.1 金属配位ポリマーの合成
3.2 金属核を有する金属配位ポリマーの合成
3.3 金属核を有する金属配位ポリマーを用いたCo, Mn, Niの分離挙動
4.金属および金属化合物の作り分けを利用したCo,
Mn, Niの分離
4.1 標準還元電位
4.2 選択的酸化反応によるCo/Mn/Ni混合溶液からのMn選択分離
4.3 選択的還元反応によるCoとNiの選択分離
4.4 Co/Mn/Niの連続的分離法
【質疑応答】
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