【本セミナーで学べること】
・ファインバブルの基礎知識
・ウルトラファインバブルの最新の知見
・ファインバブルの効果的な使い方
・ファインバブルの活用事例
等
【講座概要】
昨今、ファインバブルと呼ばれる大きさが100μm以下の微細な気泡が様々な機能を液体に付与することができることから、環境、農業、食品、水産や医療等をはじめとする各種分野での研究開発や産業利用が注目されている。
ファインバブルは気泡のサイズによりマイクロサイズのマイクロバブルとナノサイズのウルトラファインバブルの2種類に分類される。
最近では数週間から数カ月の寿命があるウルトラファインバブルへの関心が高いが、研究者や利用者の声に耳を傾けると、「発生装置を買ったのに効果がない」「データの再現性が確保できない」「本当にウルトラファインバブルが液中に存在するのか」など懐疑的な意見もあり、ファインバブル技術の普及に向けた問題の一つとなっている。
一方で、「なぜウルトラファインバブルが安定に存在するのか?」等、ウルトラファインバブルについての挙動や特性に関するサイエンスの解明が徐々に進んでおり、それに伴いファインバブル活用技術も進展してきている。我々は保有するウルトラファインバブル発生技術を用いて加圧操作や濃縮操作をせずに1000億個/mLを超える個数密度の制御を可能としたことで、ウルトラファインバブルの安定化機構の解明に新たな視点で挑戦している。
本セミナーでは、このように最近の研究成果が著しいウルトラファインバブルの最新知見も含め、ファインバブルの研究や利用を正しい理解のもとで進めていただくために、ファインバブルの基礎物性、特性や機能および装置技術、測定評価法および活用事例などファインバブル技術の全般について基礎的な解説をおこなう。最近の知見に基づきこれらファインバブル(ウルトラファインバブル)の正体を言及するとともに、効果・機能を適切に発現させるための考え方やポイントを述べる。
1.はじめに
1.1 ファインバブルの歴史
2.ファインバブルの特徴と特性
2.1 マイクロバブルの上昇速度
2.2 マイクロバブル流の摩擦抵抗の低減
2.3 マイクロバブルの自己加圧効果
2.4 マイクロバブルの溶解・収縮
2.5 ファインバブルの比表面積
2.6 ファインバブルの表面電位と静電気的作用
2.7 ファインバブルの疎水性相互作用
2.8 ファインバブルの活性酸素種(OH ラジカル)の生成
2.9 ウルトラファインバブルの分散安定性
3.ファインバブル発生技術 〜発生原理・装置の特徴とその差異、使い方等〜
3.1 マイクロバブル発生装置
3.2 ウルトラファインバブル発生装置
3.3 効果を引き出すための装置の選定・設計方法
4.ファインバブル計測技術とその評価法 〜粒子径・粒子数や特性・機能等〜
4.1 ファインバブルのバルク液物性計測・評価法
4.2 マイクロバブル計測・評価法
4.3 ウルトラファインバブル計測・評価法
5.ファインバブルの活用事例と適用のポイント
5.1 農業、水産業
・農作物(水産物)の成長促進
・鮮度保持
5.2 環境
・工場排水処理
【質疑応答】
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