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<9:00-12:00>
【第1部】新規事業のテーマ評価の新たな視点と特性に沿った中止/撤退基準の作り方
(株)リーディング・イノベーション 代表取締役 芦澤
誉三 氏
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【講演趣旨】
「新規事業推進テーマを中止する、撤退する」という決断は難しく、その基準作りは現在でも重要な課題となっています。たとえば、撤退基準として「3年で単年度黒字、5年で累損一掃」を設けている企業がありますが、その通りに運用されることはほとんどなく形骸化している例をよく見かけます。すなわち、そのような基準は実態に則していないということです。実態に則したものにするためのポイントのひとつは、すべてのテーマに共通する基準を作るという発想を捨てテーマの特性の違いによって基準を変えるというものです。本講座は、新規事業のテーマ評価の新たな視点とテーマ特性の分析方法と企画立案者も納得する中止、撤退基準の考え方と作り方について解説します。
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【講演項目】
1.新しい新規事業の中止、撤退基準が求められている理由
1-1.見込みが小さいならば早く見極めたい
1-2.企画テーマの中止基準と事業化テーマの撤退基準の違い
1-3.「3年で単黒、5年で累損一掃」の撤退基準の形骸化
1-4.企画担当者も納得できる基準が必要
2.新規事業テーマ評価の一般的な枠組みと考察
2-1.中止と撤退の違い
2-2.ステージゲートとテーマ評価
2-3.一般的な評価の枠組み例と課題の考察
2-4.根底にある考え方は“強みを活かして成長分野に参入”
2-5.“強みを活かせ”、“成長分野を狙え”が正しいとは限らない理由
2-6.新規性の高いテーマは評価できないようにできている
3.事業特性分析の重要性と分析方法
3-1.あまり意識されていない事業特性分析とは
3-2.事業の本質的性質を知ることの重要性
3-3.事業特性の分析のやり方
3-4.事業特性分析の使い方(テーマ評価、中止・撤退基準設定、マーケティング戦略等)
4.顧客の価値判断のメカニズム
4-1.顧客価値を構造的に捉えて整理する
4-2.基本価値と付加価値と経済的価値に分ける意味
4-3.ビジネスモデルのシンプルな体系
4-4.もっとも重要な基本モデルの解説
5.新規事業の中止、撤退基準の考え方と仕組みの作り方
5-1.新規事業評価のための事業の特性分類
5-2.新規事業テーマ評価のロジック(新たな視点)
5-3.新規事業テーマ評価の3つの基本要素
−商品力評価のポイント(顧客に選ばれる商品・サービスなのか)
−事業性評価のポイント(目標の売上を達成できる需要ポ テンシャルはあるのか)
−戦略力評価のポイント(事業に必要な業務機能、競争優位策は効果的か)
5-4.新規事業テーマの撤退基準の考え方と作り方
−テーマ評価、中止・撤退基準設定のための事業特性分析の使い方
−事業特性分析から撤退基準作りまでの進め方
−企画立案者が納得する基準作り
−撤退基準作りの仕組み化
【質疑応答】
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<12:30-14:00>
【第2部】事業撤退の意思決定と撤退基準の考え方及び運用方法
日沖コンサルティング事務所 代表 日沖
健 氏
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【講演趣旨】
企業が長期的に成長・発展するためには、不採算で将来性がない事業から撤退し、経営資源を成長分野に振り向ける必要があります。ただ、なかなか事業撤退を意思決定できない企業が多いようです。この講演では、『戦略的事業撤退の実務』の著者が、事業撤退の考え方や意思決定の進め方、撤退基準の作り方・運用方法などを、自身のコンサルティング事例を交えて実践的に解説します。 |
【講演項目】
1.事業撤退の必要性と難しさ
1-1.事業撤退の3つの動機
1-2.重層ライフサイクル
1-3.戦略的事業撤退
1-4.撤退障壁
1-5.プロスペクト理論
2.事業撤退を巡る理論と実践の歴史
2-1.GMのワンツー戦略
2-2.PPMの「負け犬」をどう扱うか?
2-3.管理会計は貢献利益を勧めるが…
2-4.EVA:時価ベースの評価が必要だ
2-5.ROIC:資本コストを意識しよう
3.事業撤退の意思決定
3-1.事業撤退のプロセス
3-2.意思決定のロジック
3-3.定量評価と定性評価の融合
3-4.意思決定の留意点
4.撤退基準の作成と運用
4-1.撤退基準の必要性
4-2.撤退基準の実例
4-3.撤退基準の作り方
4-4.撤退基準の運用
【質疑応答】
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<14:10-15:40>
【第3部】新規事業テーマにおける中止/撤退判断への仕組み作りと運用のポイント
沖コンサルティングソリューションズ(株) シニアマネージングコンサルタント 杉尾
俊之 氏
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【講演趣旨】
激動する市場環境の中、イノベーションにより新規事業を創出していくことは、喫緊の経営課題である。しかし、山積する目先の課題に対しては、対症療法的なマネジメントを余儀なくされることも少なくない。そのような時代であるが故、新規事業創出のあり方を問い正すことが重要である。本講演では,変化する事業環境の特徴・傾向を概観し、これまで提唱してきた、技術マーケティング、戦略の見える化によるテーマ評価の基本的な考え方に加えて、最近注目されている「イノベーションマネジメント」の考え方を加味した新事業創出、新技術開発について解説する。
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【講演項目】
1.事業環境のパラダイムシフト
1-1.市場環境の変化
1-2.オープン・イノベーション
1-3.テクノロジー・トレンド
1-4.技術マーケティング
1-5.変化の予兆を捉える
1-6.マクロ環境の変化(ハイプサイクル)
1-7.バックキャスティング
2.戦略の見える化による研究開発シナリオの策定
2-1.研究開発の課題
2-2.テーマ評価の対象と出力
2-3.テーマ評価のプロセス
2-4.戦略シナリオの策定
2-5.イノベーションマネジメントによる新事業創出
【質疑応答】
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<15:50-17:20>
【第4部】研究開発のテーマの撤退基準と、
撤退した研究開発テーマの取り扱いと管理、その教訓の活かし方
AJS(株) 理事 デジタルイノベーション事業部長 加藤
仁一郎 氏
(元 旭化成(株)研究開発センター長、富士支社長)
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【講演趣旨】
すべての研究開発を成功させることは不可能である。本講演の前半では、研究開発がうまくいかない具体的ケースを紹介し、撤退判断の基準について説明する。研究開発テーマが撤退になった場合でも、すでに多くの時間、経費を費やした結果、価値ある成果が多く存在する。撤退に至った理由も含めた研究開発全体の総括をしっかり行うことは、今後の研究開発を成功につなげる重要な活動となる。このような研究開発を他の研究開発テーマで活用したり、将来、前提条件が変わってそのテーマを再開することも十分ありうる。本講演の後半では、撤退した研究開発テーマで得られた成果、教訓を今後に生かすことを強く意識した、当該研究開発テーマの取り扱いと管理方法、成果の活用法についても説明する。これらをしっかり理解することで、新たな研究開発の成功確率は大きく向上する。
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【講演項目】
1.研究開発の流れ、進め方の概要
2.研究開発が撤退につながる具体的ケース
2-1.目標性能が出ないケース
2-2.安定的に製造できないケース
2-3.生産コストが高すぎるケース
2-4.製造設備投資が大きすぎるケース
2-5.他社特許問題が起きたケース
2-6.人財活用について
2-7.その他もいくつか説明します
3.研究開発のテーマの撤退判断の基準
4.撤退した研究開発テーマの取り扱いと管理
5.今回の教訓を生かした研究開発テーマの推進方法
6.立派な研究開発推進者になるなるために
【質疑応答】
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