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【習得できる知識】
実験データベース(StarryData2等)と第一原理計算データベース(Materials
Project等)を統合するためのデータ前処理・整合手法、グラフニューラルネットワーク(MPNN)による結晶構造からの材料特徴表現(埋め込み)の取得方法、次元削減(t-SNE等)を用いた材料マップの構築と解釈手法、および統合データに基づく材料特性予測モデル構築のエンドツーエンドワークフロー。熱電材料を具体的な応用事例として、データ統合型の材料探索・発見プロセスの実践的知見を習得できる。
【講座趣旨】
材料開発の効率化にあたり、実験データと計算データの統合的活用は重要な課題である。しかし、両データは測定条件・精度・カバレッジ等が大きく異なり、単純な結合では有効な予測モデルを構築できない。本講座では、講師の研究成果(APL
Machine Learning 3, 036104, 2025)に基づき、グラフベース機械学習(Message
Passing Neural Network)を用いて実験・計算データを統合し、材料特性マップを構築する手法を体系的に解説する。StarryData2(実験データベース)とMaterials
Project(計算データベース)からのデータ取得・前処理から、GNNによる結晶構造の特徴表現学習、次元削減による材料マップの可視化、そして予測モデルの構築・解釈まで、エンドツーエンドのワークフローを具体例とともに紹介する。熱電材料を主な応用対象とし、統合マップから得られる材料設計指針や新材料探索への展開についても述べる。
1.材料インフォマティクスにおけるデータ統合の背景と課題
1-1 実験データと計算データの特徴の違い(精度、カバレッジ、バイアス)
1-2 既存の材料データベース概観(Materials Project, AFLOW, StarryData2,
NIMS等)
1-3 データ統合が材料探索を加速する理由と従来手法の限界
2.実験データベースからのデータ取得と前処理
2-1 StarryData2の構造と熱電材料データの取得方法
2-2 実験データに固有の課題(測定条件の不均一性、欠損値、外れ値処理)
2-3 データクリーニングと品質管理のワークフロー
3.計算データベースからのデータ取得と前処理
3-1 Materials Project APIを用いた結晶構造・物性データの取得
3-2 第一原理計算データの特性
3-3 実験データとの整合のためのデータ変換手法
4.グラフニューラルネットワーク(GNN)による材料の表現学習
4-1 結晶構造のグラフ表現
4-2 Message Passing Neural Network(MPNN)の原理と定式化
4-3 CGCNN・MEGNet・SchNetとの関係と手法選択の指針
5.実験・計算統合データに対するGNNモデルの構築
5-1 異なるデータソースに対するグラフデータセットの統合構築
5-2 データソース間のドメイン適応と転移学習の考え方
5-3 学習パイプライン(データ分割、評価指標)
6.GNN埋め込みを用いた材料マップの構築
6-1 学習済みGNNからの埋め込みベクトルの抽出方法
6-2 次元削減手法の選択(PCA、t-SNE、UMAPの比較と使い分け)
6-3 統合材料マップの可視化と実験・計算データの空間的関係の解釈
7.材料マップからの知識抽出と材料設計への応用
7-1 クラスタリング分析による材料グループの発見と物理的意味づけ
7-2 熱電材料への適用事例
7-3 材料マップに基づく未探索領域の特定と新材料候補の提案
8.実践ワークフローの全体像と今後の展望
8-1 データ収集からモデル構築・材料探索までのエンドツーエンドパイプライン
8-2 マルチエージェントAIとの連携による効率的データ分析と知識基盤構築
8-3 自動実験・ロボティクスとの統合に向けた展望
【質疑応答】
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