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【講座の趣旨】
有機溶媒や樹脂中における微粒子・ナノ粒子の分散安定化は,塗料・インクのみならず,エレクトロニクス材料,機能性コーティング,複合材料など幅広い分野で材料性能を左右する重要な基盤技術です。しかし実際の開発現場では,分散剤の選定や溶媒の組み合わせ,配合条件の最適化を経験や試行錯誤に依存しているケースも多く,分散・凝集挙動を体系的に理解し設計するための指針が求められています。
溶解度パラメータ(SP値)は,溶解性・ぬれ性・付着性など分散安定化に関わる諸現象を横断的に説明可能な唯一つの指標ですから,その活用により,粒子,溶媒,樹脂間の相互作用を定量的に捉え,分散安定化のための材料選定や配合技術をより合理的に進めることが可能になります。
本講では,SP値の基礎から,微粒子・ナノ粒子の分散設計への応用までを体系的に解説します。特に,溶媒や分散剤の選択,ぬれ性・付着性の評価など,実際の材料開発に直結する設計指針を具体例とともに分かりやすく紹介します。
【本講座で学べること】
(1)溶解度パラメータ(SP値・HSP値)の基礎,求め方,利用法
(2)有機溶媒中における分散安定化機構
(3)高分子分散剤の選択指針
(4)ポリマーコンポジットの分散設計と表面改質法
(5)攪拌・混錬法 (6)分散安定性試験法
【セミナープログラム】
1.粒子分散系の調製工程と課題
1.1 ぬれ/分散化工程と課題
1.2 安定化工程と課題
2.溶解度パラメータの基礎と利用法
2.1 ヒルデブランドのSP値とハンセンのHSP値
2.2 ハンセン球の測定と利用法
2.3 化合物のHSP値の求め方
a.原子団寄与法による諸計算法
b.溶解/膨潤法 −ハンセン球法―
2.4 粒子のHSP値の求め方
a.凝集/沈降法 -ハンセン球法―
b.低磁場パルスNMR法 −ハンセン球法―
2.5 異種材料間の親和性の求め方
a.相対的エネルギー差
b.ハンセン球間最短距離
c.ハンセン球間重なり体積比
3.有機溶媒中微粒子の分散安定化と高分子分散剤の選択
3.1 ぬれ性と良溶媒の選択
3.2 静電反発作用とゼータ電位の測定
3.3 高分子分散剤による立体反発作用
3.4 親和性評価による高分子分散剤の選択例
a.カーボンブラック用星型分散剤
b.ゼラチン被覆銅ナノ粒子用分散剤
c.チタンブラック分散液用分散剤
4.ポリマーコンポジットにおける分散化技術と表面改質法
4.1 親和性評価による分散化技術例
a.コア/シェルナノ粒子強化エポキシ樹脂
b.シリカ強化ポリプロピレンコンポジット
c.Li電池新規負極材料
4.2 表面改質法
a.界面活性剤の働きとHLB値
b.カップリング反応法
c.表面グラフト重合法
5.攪拌・混錬法
5.1 分散剤の一括添加と分割添加
5.2 湿式ジェットミル
5.3 ビーズミル
5.4 三本ロールミル
5.5 二軸混錬押出機(エクストルーダー)
6.分散安定性試験法
6.1 湿潤点と流動点
6.2 小角X線散乱法
6.3 レオロジー法
6.4低磁場パルスNMR法
【質疑応答】(メールによるセミナー終了後の質問もお受けします)
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