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【講座主旨】
医薬品開発には、長期的かつ多額な費用と人的資源を要する一方で、成功確率が低いため、投資の意思決定は慎重にならざるを得ない一方で、製薬企業各社は選り好みをするほどパイプラインが多くないのも現実であり、他社から魅力あるアセットの導入も頻繁に行われている。
本講座では、臨床試験などの投資、アセットの価値評価による優先度設定、導入と経済条件の決定などの判断基準として用いられる事業性評価を取り上げ、その基礎的な概念、仮想事例(導入のケーススタディ)を用いた事業性計算、開発早期および後期段階の事業性評価において留意すべきポイントを整理し、解説する。
【講座内容】
1.中外製薬(株)とは?
・会社概要、ミッションステートメント
・自主独立経営を行うビジネスモデル、ロシュとの戦略的提携
2.製品ポテンシャルを可視化する売上予測とその概念
・売上予測の4つの目的とタイミング、典型的な予測モデル
・売上予測の研究開発ステージと粒度
・ビジネスの価値評価として売上予測は万能か
・意思決定を惑わす様々な認知バイアス
・戦略的マネジメントとオペレーションマネジメントの関係
3.意思決定を支援する事業性評価とその概念
・事業性評価のゴール、4つの目的とタイミング
・事業性評価を理解する上での重要な指標
・事業リスクと4つの事業性評価の実施方法
・正味現在価値(NPV)と不確実性を考慮した正味現在価(eNPV)
・意思決定の質を高めるために重要な6つの要素
4.事業性評価のケーススタディ(導入編)
・事業性評価に関わる様々な課題
・事業性評価の流れ(概要)
・仮想事例:製品X(導入候補品)のTPP、評価の背景と仮説
・開発計画からシナリオ、シナリオ発生確率、成功確率の検討例
・製品Xの売上予測・事業性評価結果
5.不確実性の高い開発早期段階での事業性評価ポイント
・TPP作成のタイミングと事業性評価項目
・研究・開発初期段階の事業性評価の活用事例
・機会損失とリスクを回避するためのシナリオ分析
・事例から見えてくるTPP作成に重要な3つのポイント
6.高い精度が求められる開発後期段階の事業性評価ポイント
・市場を理解するためのアプローチ
・プライマリ調査における定量/定性調査と調査手法
・売上予測のポイント(ピークシェア、浸透スピード、コンプライアンス、薬価)
・開発段階から上市後も利用できる売上予測モデルを準備する
7.製品チームや経営から信頼の得られる事業性評価を目指して
・中外製薬のLCM体制
・中外製薬での事業性評価実施の流れと確認ポイント
・事業性評価がネガティブとなった場合の対処方法
・事業性評価の役割と目指すところ
・市場調査と事業性評価の関係
【質疑応答】
◆◆講師プロフィール◆◆◆
専門分野:
有機化学、医療用医薬品の市場調査・売上予測・事業性評価
略歴:
1989年 中外製薬入社
2002年 中外製薬と日本ロシュの経営統合により、本社の医薬事業の企画部門へ配属。以降、一貫して市場調査、事業性評価業務に従事。中外製薬が開発している非オンコロジー医薬品の市場調査、事業性評価に携り、ロシュや第三者からの導出入候補品の売上予測、事業性評価、ライセンスや経済条件の検討等を多数経験。再生医療・遺伝子治療等の新規モダリティやM&Aも評価
活動:
2024年 BAミーティング(ヘルスケア産業の事業性評価に関する企業研究会)発起人代表
2018〜23年 日本発創薬の価値最大化研究会 (JVO) 理事
2014年 ファルマミーティング (ヘルスケア産業の市場調査に関する企業研究会) 代表
執筆:
2025年10月 医薬品開発における事業性評価手法とその進め方(R&D支援センター)
第6章 新規モダリティ製品の特徴を踏まえた事業性評価手法
2025年2月 PHARMSTAGE(技術情報協会) 10年後の市場を見据えた市場予測とTPP作成・運用
2023年8月 PHARMSTAGE(技術情報協会)新規モダリティ医薬品でのビジネス評価の具体的留意点
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