TIM 放熱材料 セミナー
        
半導体パッケージの低CTE化と反り対策
AIデータセンター、HPCへ向けた放熱、冷却技術
 
<セミナー No.610411>
【Live配信のみ】 アーカイブ配信はありません

★ユーザーから見た要求特性、選定ポイントを材料設計に活用するには

★CNTのTIM応用への展望とシリコーン系、ウレタン系TIMの特徴、技術動向について解説

TIMの開発動向と

熱伝導性、形状追従性の向上


■ 講師
1.

神上コーポレーション(株) 代表取締役 鈴木 崇司 氏

2. 静岡大学 工学部 電子物質科学科 教授 博士(学術) 井上 翼 氏
3.

信越化学工業(株) シリコーン電子材料技術研究所 第二部開発室 近藤 広崇 氏

4.

ペルノックス(株) 品質環境保証室 室長 佐々木 雄一 氏

■ 開催要領
日 時

2026年10月2日(金) 11:00〜16:20

会 場 Zoomを利用したLive配信 ※会場での講義は行いません
Live配信セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。
聴講料

1名につき66,000円(消費税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,5
00円(税込)〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。
         詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

※定員になり次第、お申込みは締切となります。

■ プログラム

<11:00〜12:00>

1.TIMを中心とした放熱材料の技術動向と要求特性

神上コーポレーション(株) 鈴木 崇司 氏

 

 
【ご専門】
機構設計、品質管理・信頼性工学、放熱設計・熱対策、化学物質規制対応

【ご活躍】
製造業向け技術コンサルティングおよび技術セミナー講師として、機構設計・品質管理・信頼性工学・化学物質規制対応・放熱設計など、製造業の幅広い技術領域を支援。中小・中堅メーカーを中心に、設計から量産品質まで一貫した実務的アドバイスを行う。
株式会社技術情報協会刊『電子機器の熱設計・熱対策の考え方・手法と放熱材料の選び方・使い方とそのポイント』(2026年1月発刊)に寄稿。

【講演ポイント】
 電子機器の高出力化・高密度実装、車載電動化やデータセンタの高発熱化により、放熱設計は製品性能を左右する重要課題となっている。なかでも発熱体と冷却部材の界面に介在するTIM(Thermal Interface Material)は、熱伝導経路の最後のボトルネックであり、その選定が放熱性能を大きく左右する。
 一方で、グリース・ギャップフィラー・各種シート・炭素系材料など選択肢は多様化し、ユーザーにとって最適材料の見極めは年々難しくなっている。
 本講演では、コンサルタントおよびユーザー双方の視点から、放熱材料の全体像を俯瞰したうえで、熱伝導率だけでは語れない実効性能・形状追従性・信頼性といったユーザーから見た要求特性を整理する。さらに、カタログ値の限界と評価の考え方、高熱伝導化と形状追従性を両立する最新の材料動向までを平易に解説し、自社用途に応じた材料選定の判断軸を提供する。

【習得できる知識】
・TIM・放熱材料の全体像と、形態別(グリース/ギャップフィラー/シート/炭素系/金属系)の特徴
・熱伝導率以外に効く実効性能(接触熱抵抗・BLT・形状追従性・信頼性)の見方
・カタログ値の限界とASTM D5470等を踏まえた熱抵抗評価の基礎
・高熱伝導化と形状追従性を両立させる最新の材料・配向制御技術の動向
・性能×信頼性×作業性×コストを踏まえた、自社用途に応じた材料選定の考え方

【プログラム】
1.放熱設計とTIMの重要性
 1-1 機器の高出力・高密度化と発熱の増大
 1-2 車載・パワエレ/データセンタの放熱要求
 1-3 界面熱抵抗とTIMの役割
 1-4 TIM市場の動向
2.放熱材料の全体像
 2-1 TIMの定義と役割
 2-2 形態別の分類
 2-3 樹脂とフィラーの基礎
 2-4 形態別の長所・短所
3.ユーザーから見た要求特性
 3-1 熱伝導率と接触熱抵抗・BLT
 3-2 形状追従性と低応力化
 3-3 信頼性(ポンプアウト・経時変化)
 3-4 副作用の回避と難燃性
 3-5 作業性と量産適性
4.性能評価の考え方
 4-1 カタログ値の限界
 4-2 熱抵抗評価の基礎(ASTM D5470)
 4-3 実装条件での実効性能
 4-4 材料選定の判断軸
5.最新の技術動向
 5-1 高充填化と配向制御
 5-2 炭素・黒鉛系材料の進展
 5-3 放熱シートの進展
 5-4 各形態の高性能化と課題
 5-5 環境対応(難燃・低VOC)
6.まとめ

【質疑応答】


 

<13:00〜14:00>

2.カーボンナノチューブの放熱材料、TIMへの応用可能性

静岡大学 井上 翼 氏

 

【ご専門】ナノ材料科学、半導体工学

【ご活躍】
  2000年神戸大学大学院自然科学研究科システム科学専攻博士課程終了後、静岡大学工学部助手、同准教授を経て2017年に静岡大学工学部教授となり現在に至る。2008年にはカリフォルニア工科大学(米国)客員准教授として赴任。研究は金属・半導体ナノ粒子分散薄膜の電子輸送現象、窒化ガリウムのナノワイヤー成長、長尺・高速・高紡績性CNTアレイの成長と応用がある。2010年にはCNT製造販売を手掛ける大学発ベンチャー企業の浜松カーボニクス株式会社を設立し、代表取締役所長を務める。

【講演ポイント】
 近年、人工知能(AI)技術の爆発的普及やデータセンターの処理能力向上、自動車システムの電子化(パワー半導体搭載等)など高度な熱伝導材料のニーズが高まっており、従来の液TIMにおけるポンプアウト現象や経時劣化など、長期的な信頼性が課題となっています。この課題を解決する次世代素材として、優れた熱伝導性、柔軟性、そして高い化学的・熱的安定性を併せ持つ「垂直配向カーボンナノチューブ(CNT)フォレスト」が有望視されています。
 本講演では、CNTフォレストを実用的な固体TIMとして社会実装するための最新の研究開発成果を解説します。CNT成長の自己失活現象解明から、安価な金属基板上への超高密度直接成長プロセス、さらには過渡熱応答測定(T3Ster)を活用したバルク・接触熱抵抗の高度な分離評価手法にCNTならではの熱輸送性能ついて紹介します。
 
【習得できる知識】
 ・CNTおよび垂直配向CNTフォレストの熱伝導メカニズムと電気抵抗特性の基礎
 ・安価な各種金属基板(SUSやCuなど)上へ高密度直接合成するための触媒・下地層(拡散防止Ta層等)の最適設計と高密度CNT合成プロセス
 ・CNTフォレスト成長中の密度減少ダイナミクスとマクロ特性への影響
 ・T3Sterによる過渡熱応答測定と構造関数評価による、測定が極めて困難だった「バルク熱抵抗」と「接触(界面)熱抵抗」を分離・定量化するアプローチ
 ・CNT/金属接触界面における音響インピーダンスミスマッチの克服手法(Alキャップ、エッチング処理によるクラスト層除去とフォノンブリッジ効果)
 ・高結晶化アニール(2000℃〜2200℃)による結晶欠陥修復によるCNT熱伝導率向上特性
 ・PPS等の中間層を用いた「フィルム型CNT-TIM」の製造方法と熱輸送特性

【プログラム】
1.カーボンナノチューブ(CNT)および配向集合体の基礎と熱物性
 1-1 CNTの発見とそのユニークな結晶構造、軸方向への巨大な熱・電気伝導異方性
 1-2 垂直配向CNT集合体CNTフォレストの構造的メリットとマクロ熱伝導率の現状
2.金属基板上への高密度合成プロセスとCNT密度減衰メカニズム
 2-1 熱CVD法による高密度配向CNTフォレストの合成技術
 2-2 成長中の触媒ダイナミクス.アモルファスカーボンの被覆、オストワルド成長、および熱拡散損失による触媒粒子の漸次失活
 2-3 長さと密度のトレードオフを数式化するダイナミック密度減衰モデル
 2-4 密度減衰が及ぼすマクロ電気抵抗およびマクロ熱抵抗への非線形的な影響
    (並列等価回路モデルによる検証)
3.過渡熱応答法(T3Ster)によるバルク熱抵抗・界面熱抵抗の高度分離評価
 3-1 TIM測定のJEDEC規格に準拠した過渡熱応答評価技術
 3-2 熱構造関数による、バルク材料内熱フローと接触界面熱抵抗の層分離・定量化
4.CNTフォレストの極限熱特性改善プロセスと界面接触抵抗の低減
 4-1 なぜCNT/金属界面の接触熱抵抗は高いのか?.
    CNT(フォノン)と金属(自由電子)の熱担体不整合(アコースティックミスマッチ)と散乱
 4-2 プラズマエッチングによる表面のクラスト層(絡まり)の精密除去と、CNT先端部の直立・整列効果
 4-3 CNT先端部へのAlナノキャップ構造によるフォノンブリッジ効果
 4-4 界面結合の違い(SUS直接成長、Alキャップ接触、自立CNT単純物理接触、非金属グラファイト接触)が
    熱伝導に与える定量的比較
 4-5 2000℃-2200℃の超高温アニールによるCNTの結晶欠陥修復と、CNT熱伝導率の向上
5.社会実装を見据えた実用フィルム型CNT-TIMの開発と応用可能性
 5-1 ポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルムを用いた両面CNTホットプレス接合プロセス
 5-2 フィルム型CNT-TIMの伝熱特性
 5-3 TIM実装における接触圧力(100 kPa?1 MPa)およびボンドライン厚み(BLT)が熱抵抗に与える影響
 5-4 繰り返し加圧熱サイクルに対する優れた構造安定性と弾性回復挙動

【質疑応答】


<14:40〜15:10>

3.シリコーン系TIM材料の技術・開発動向

信越化学工業(株) 近藤 広崇 氏

 

【講演ポイント】
 放熱材料は電子部品等の発熱部位と冷却システムの間に存在する隙間を埋め、効率的に熱を逃がすことが可能な材料である。
電子機器の小型化・高集積化に伴い、実装部品の発熱量は増加傾向にあることから、熱対策として放熱材料の需要は高まっている。
 また、車の電動化や自動運転化に伴い、車への電装部品の積載が進んでおり、車載用途として高い信頼性の要求に耐えうる放熱材料が求められている。
 当社は耐熱性・耐候性・耐寒性・柔軟性といった特徴を有するシリコーンをベースに用いた放熱材料を開発している。
 本講座の前半では『シリコーンの特性』や放熱材料を扱う上で必要な知識である『放熱特性の指標』や『放熱材料を高性能化させるアプローチ』について紹介する。後半は当社が展開する高い放熱特性と高い信頼性を併せ持った放熱材料のラインナップ(ギャップフィラー、放熱グリース、放熱シート、放熱パッド等)を紹介する。

【習得できる知識】
・シリコーン系放熱材料について

【プログラム】
1.シリコーン放熱材料の概要
 1-1 放熱材料の役割
 1-2 放熱特性の指標
 1-3 シリコーンの特性
2.シリコーン放熱材料の高性能化アプローチ
 2-1 高熱伝導率化(熱伝導性フィラーの最適化)
 2-2 接触熱抵抗の低減
3.シリコーン放熱材料の技術・開発動向
 3-1 当社液状放熱材料(ギャップフィラー・放熱グリース)の紹介
 3-2 当社加工品(高硬度シート・低硬度パッド・フェイズチェンジマテリアル)の紹介

【質疑応答】

 


<15:20〜16:20>

4.ウレタン系TIMの特性と高熱伝導化について

ペルノックス(株) 佐々木 雄一 氏

 

【講演ポイント】
 近年、電子機器の高性能化、小型化による高密度実装化が進み、多くの部品やユニットにおいて熱対策が重要な課題となっている。熱対策には、熱伝導、対流、熱放射の手段がある。TIM(Thermal Interface Material)には、電子部品から発生する熱の排熱のために、高熱伝導化が求められている。
 熱伝導材料は、信頼性や界面熱抵抗の観点から、シリコーン系が主流となっている。しかし、シリコーン系にもいくつかの課題があるため、ウレタン系TIMの選択肢を示すとともに、配合技術の基礎について解説する。

【習得できる知識】
・ウレタン配合技術の基礎
・材料評価

【プログラム】
1.放熱材料の種類と市場及び用途
 1-1 伝熱メカニズムと種類
 1-2 市場と用途
2.ウレタン系TIMの材料構成と構造
 2-1 ポリオール
 2-2 鎖延長剤
 2-3 イソシアネート
 2-4 触媒
 2-5 添加剤
 2-6 熱伝導フィラー
 2-7 構造
3.ウレタン系TIMの特長と評価
 3-1 特長
 3-2 熱抵抗と熱伝導率
 3-3 振動吸収性
4.ウレタン系TIMの課題
 4-1 耐久性/信頼性
 4-2 量産設備への適合性
5.ウレタン系TIMの性能
 5-1 プロトタイプ品の性質
 5-2 耐久性
 5-3 ブリードアウト
6.更なる高熱伝導化
 6-1 フィラーの最密充填
 6-2 特性
7.まとめ

【質疑応答】