細胞 遺伝子 書籍
 
No.1936
動物細胞培養・自動化におけるトラブル発生原因と対策
先端治療技術の実用化と開発戦略

翻訳シグナル伝達・制御の生化学

〜細胞の働きを支配する情報交換ネットワーク〜

発刊:2017年6月27日  体 裁:B5判 760頁  定 価:30,000円(税抜)

発行:(株)エヌ・ティー・エス  販売:(株)技術情報協会  ISBN:978-4-86043-491-5 C3045

【アカデミック価格対象外書籍です】
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その進展のすべてを網羅することは実験研究者の手だけではもはや不可能に近い「シグナル伝達のジャングル」。 長年にわたり大学で教壇に立つ原著者が、最新の研究成果を取り込みながらより優れた教科書をまとめ上げるべく改訂を重ねてきた本書は、シグナル伝達系という観点で、もっとも分かりやすく書かれたもののひとつと言えます。 すべての生命科学研究者に、シグナル伝達系研究の魅力と著者の熱意を、適切に伝えたい。 そしてこれから生命科学研究に関連する若い皆様に、大きなモチベーションをもたらしますように。

■原書: 『Biochemistry of Signal Transduction and Regulation 5th Edition』Wiley(2014)

■原著者: Gerhard Krauss

■ 監 訳

津本 浩平 Tsumoto Kouhei

     現在 東京大学大学院工学系研究科教授/医科学研究所教授
     東京大学工学部,同大学院修了,博士(工学)。東北大学大学院工学研究科,
     東京大学大学院新領  域創成科学研究科を経て現職。  
     訳歴 『Essential タンパク質科学』(南江堂)など。

■ 翻訳幹事

齋藤 太朗 Saito Tarou

     現在 科学技術系翻訳。株式会社エヌ・ティー・エス客員調査員     
     東京大学工学部卒業後,鉄鋼メーカー勤務を経て,現在は翻訳業に従事。
     訳歴  地球観測衛星「みどり2号」のセンサーデータ(IMG)利用英文マニュアル作成,科学技術振興
     機構(JST)データベース関連翻訳(環境科学分野),『人体物理学』,『元素の生物化学』(共訳,いずれも  エヌ・ティー・エス)

長門石 曉 Nagatoishi Satoru

     現在 東京大学医科学研究所特任准教授
     九州大学工学部卒,東京大学大学院新領域創成科学研究科修了,博士(生命科学)。
     甲南大学先端  生命工学研究所,東京大学大学院工学系研究科を経て現職。

■ 翻訳スタッフ

副田 康平   東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻

妹尾 暁暢   東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻

千片吉良   岳 東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻

桐 直宏   東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻

吉田 浩平   東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻

田村 浩子   東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻

中木戸 誠   東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻 助教

秋葉 宏樹   医薬基盤・健康・栄養研究所 創薬デザイン研究センター プロジェクト研究員

田島 卓実   東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻

由井 杏奈   東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻

河出 来時   東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻

野中 桃子   東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻

宮鍋 一紘   東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻

展  天承   東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻

三木保久登   東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻

(翻訳スタッフは2017 年3 月31 日現在の所属)

■ 目  次

第1章 細胞シグナル伝達の基礎
1.1 細胞シグナル伝達:なぜ,いつ,どこで?
1.2 細胞間シグナル伝達
1.3 細胞間シグナル伝達におけるホルモン  
1.4 細胞内シグナル伝達:原理
1.5 細胞内シグナル伝達のための分子ツール

第2章 シグナル伝達タンパク質の構造特性,機能調節,翻訳後修飾
2.1 シグナル伝達タンパク質のモジュール構造
2.2 モジュール構造のシグナル伝達複合体
2.3 エフェクター結合によるシグナル伝達酵素の調節
2.4 細胞内シグナル伝達における翻訳後修飾(PTM)  
2.5 タンパク質リン酸化による調節
2.6 タンパク質リシンのアセチル化による調節
2.7 タンパク質メチル化による調節
2.8 タンパク質のユビキチン修飾
2.9 シグナル伝達タンパク質の脂質化

第3章 シグナル伝達の機構
3.1 スキャホールドタンパク質
3.2 シグナル伝達経路およびシグナル伝達ネットワークにおけるシグナル処理  
3.3 シグナル伝達経路の構造

第4章 遺伝子発現の調節
4.1 遺伝子発現の基本的段階
4.2 真核生物の転写機構の構成成分
4.3 転写調節の原理  
4.4 転写因子の制御
4.5 クロマチン構造と転写調節

第5章 RNAプロセシング,翻訳調節,RNA 干渉
5.1 mRNA 前駆体(pre-mRNA)プロセシング
5.2 翻訳レベルでの制御  
5.3 RNA サイレンシングによる制御

第6章 核内受容体によるシグナル伝達
6.1 核内受容体のリガンド
6.2 核内受容体によるシグナル伝達の原理
6.3 核内受容体の構造
6.4 核内受容体による転写制御  
6.5 核内受容体によるシグナル伝達の抑制
6.6 核内受容体の細胞内局在
6.7 核内受容体とリガンドの非ゲノム的機能

第7章 G タンパク質共役シグナル伝達経路
7.1 膜貫通受容体 ―― 一般的な構造と分類
7.2 膜貫通受容体の構造上の基本性質
7.3 G タンパク質共役受容体
7.4 制御型GTPase
7.5 ヘテロ三量体G タンパク質  
7.6 ヘテロ三量体G タンパク質の受容体独立型機能
7.7 G タンパク質のエフェクター分子
7.8 アレスチンを介したGPCR シグナル伝達

第8章 細胞内メッセンジャー物質“セカンドメッセンジャー”
8.1 細胞内メッセンジャー物質の一般的な性質
8.2 サイクリックAMP
8.3 cGMP とグアニル酸シクラーゼ
8.4 イノシトールリン脂質とイノシトールリン酸の代謝
8.5 Ca2+ の貯蔵と放出  
8.6 ホスホイノシチドの機能
8.7 シグナル分子としてのCa2+
8.8 シグナル分子としてのジアシルグリセロール
8.9 その他の脂質メッセンジャー──セラミド,スフィンゴシン,リゾホスファチジン酸
8.10 NO シグナル伝達分子

第9章 セリン/ トレオニン特異的プロテインキナーゼ およびプロテインホスファターゼ
9.1 プロテインキナーゼの分類,構造および特性
9.2 プロテインキナーゼの構造と活性制御 9.3 プロテインキナーゼA
9.4 PI3 キナーゼ/Akt 経路   9.5 プロテインキナーゼC
9.6 Ca2+/ カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ,CaM キナーゼ
9.7 セリン/トレオニン特異的プロテインホスファターゼ

第10章 チロシン特異的タンパク質キナーゼ活性を伴う膜貫通受容体を介するシグナル伝達
10.1 受容体型チロシンキナーゼ(RTK)の構造と機能
10.2 受容体型チロシンキナーゼ(RTK)の下流エフェクタータンパク質  
10.3 非受容体型チロシン特異的プロテインキナーゼ
10.4 プロテインチロシンホスファターゼ

第11章 Ras タンパク質を介したシグナル伝達
11.1 単量体G タンパク質のRas ファミリー
11.2 単量体G タンパク質GAP
11.3 単量体G タンパク質GEF
11.4 グアニンヌクレオチド解離阻害因子
11.5 単量体G タンパク質Ras ファミリー
11.6 Ras タンパク質によるシグナル伝達のエフェクターとしてのRaf キナーゼ  
11.7 さらなるRas ファミリーメンバー ── R-Ras, Ral, Rap
11.8 Ras タンパク質による多様なシグナルの受容と伝達
11.9 Ras スーパーファミリーの他の分岐

第12章 細胞内シグナル伝達── MAPK(Mitogen-Activated Protein Kinase)経路
12.1 MAPK 経路の組織と構成要素
12.2 プロテインホスファターゼおよび阻害タンパク質によるMAPK 経路の調節  
12.3 MAPK シグナル伝達の足場形成(スキャホールディング)
12.4 哺乳類における主要なMAPK 経路

第13章 チロシンキナーゼ活性(Tyrosine Kinase activity)を伴う膜受容体
13.1 サイトカインとサイトカイン受容体
13.2 JAK-Stat 経路  
13.3 T 細胞受容体とB 細胞受容体
13.4 インテグリンを介したシグナル分泌fr

第14章 その他の膜受容体クラス ――TGF-β受容体やTNF 受容体,Toll 受容体,ノッチによるシグナル伝達
14.1 内因性のセリン/ スレオニンキナーゼ活性に関する受容体 ――TGF-β受容体とSmad タンパク質シグナル伝達経路
14.2 膜内タンパク質分解による受容体制御:Notch 受容体  
14.3 腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリー
14.4 Toll 様受容体シグナル経路

第15章 外部シグナル経路による細胞周期制御
15.1 細胞周期制御の基本原理
15.2 細胞周期装置の鍵となる要素
15.3 タンパク質分解による細胞周期の調節  
15.4 G1 期の進行とS 期への進入
15.5 S 期およびM 期の通過
15.6 DNA 損傷とDNA 損傷複製のチェックポイント

第16章 シグナル伝達経路の機能不全と腫瘍化──発がん遺伝子とがん抑制遺伝子
16.1 腫瘍細胞の基本的な性質
16.2 がん細胞における突然変異
16.3 腫瘍細胞における共通の性質変化──がん細胞の特徴(hallmark)
16.4 がんで変異するシグナル伝達タンパク質──がん遺伝子  
16.5 がん抑制遺伝子 ── 一般的な機能
16.6 がん抑制因子 ── Rb とARF タンパク質
16.7 がん抑制タンパク質
16.8 Wnt /β- カテニンシグナル伝達とがん抑制因子 APC

第17章 アポトーシス
17.1 アポトーシスの概要
17.2 カスパーゼ──タンパク質破壊(proteolysis)による細胞死
17.3 Bcl-2 タンパク質ファミリー ──アポトーシスの門番  
17.4 ミトコンドリアを介するアポトーシス経路
17.5 細胞死受容体により引き起こされるアポトーシス
17.6 細胞シグナル経路とアポトーシスのつながり    

索引

 

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