マテリアルズインフォマティクスによる高分子材料の開発<書籍>
 
No.2365
プロセスインフォマティクスにおけるデータ解析・モデリングと応用展開
ベイズ最適化の活用事例
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★ 分子構造、画像、スペクトル、文献・特許情報など社内外のあらゆるデータをMIで使える形に整えるポイントを解説!

マテリアルズインフォマティクスによる高分子材料の開発

ー新材料候補の高速探索、所望の特性を満たす組成・構造の予測、配合条件の最適化ー

発刊予定 : 2026年7月末  体 裁 : A4判 約400頁   定 価: 製本版、USB版共に88,000円(税込) 
ISBN: 978-4-86798-162-7

 
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■ 本書のポイント

記述子、特徴量の選定! データ数、品質の確保へ向けて!

・成功データ/失敗データの収集
・実験データ、市販品、文献情報など社内外のデータの形を整える
・ノイズが多い画像データの前処理 
・数値データと言語データの連携
・単位の変換、測定条件の整理、実験者の記載
・仮想データによる学習データの補完
・転移学習の活用と少ないデータの補強
・記述子の強化、拡張のポイント

学習モデルの予測精度の向上!

・解釈性と信頼性の両立
・大量データによる解釈性低下の対策
・次元削減による曖昧な変数の最適化
・説明変数の前処理とモデルの選び方
・スケール差をモデルに取り込むコツ
・再現性の高いデータの確保
・分子、画像、スペクトルなど異なるデータを扱うマルチモーダルAIの構築
・実験や評価方法の工夫による目的変数の調整

MIによる相反する物性の確保、スケールアップを見据えた材料開発!

・逆解析による欲しい物性の確保
・合成経路の再現性と信頼性の確認
・研究者の知識、経験による実現可能性の判断
・実験自動化によるモデル→開発の高速回転とデータベースの構築

本書で扱う高分子製品、材料物性

・半導体封止材、レジスト、接着剤、粘着剤、接着シート、低誘電樹脂、耐熱樹脂、分離膜、重合開始剤、増粘剤など
・接着性⇔?離性、低誘電特性⇔耐久性、機械強度⇔イオン輸送性、分離性能⇔経時安定性など
 

■ 執筆者(敬称略) 

(株)ダイセル 兼子 祐 大阪大学 須賀 健介
三井化学(株) 渡久平 俊樹 JSR(株) 脇内 新樹
DIC(株) 今田 知之 奈良先端科学技術大学院大学 高須賀 聖五
積水化学工業(株) 川浪 悠子 (株)レゾナック 角田 皓亮
(株)巴川コーポレーション 阿部 一智 (国研)産業技術総合研究所 室賀 駿
(株)MORESCO 藤井 満美子 日本電気(株) 遠藤 謙光
山口大学 住谷 陽輔 コニカミノルタ(株) 笠原 健三
日東電工(株) 伊藤 悠里 (株)KNiT 窪内 将隆
東京都立大学 田中 学 (株)Material Doors 山村 諒祐
慶應義塾大学 緒明 佑哉 大阪大学 小野 寛太
北里大学 石井 良樹 (国研)産業技術総合研究所 中村 清香
(株)日立製作所 岩崎 富生 東京薬科大学 小島 正樹
東京科学大学 林 智広 金沢大学 佐藤 健
大阪大学 佐伯 昭紀 中部大学 中島 江梨香
統計数理研究所 林 慶浩 慶應義塾大学 荒井 規允
元・和歌山県工業技術センター 森 一 東京科学大学 長谷川 史穏
ハリマ化成(株) 小畑 裕作 Matlantis(株) 青木 祐太
奈良先端科学技術大学院大学 船津 公人 オムロンサイニックエックス(株) 高橋 知也
(株)日本触媒 山本 啓太 旭化成(株) 秋元 勇輝
名古屋大学 納戸 直木 北海道大学 宮岸 拓路
横浜国立大学 五東 弘昭

■ 目  次


第1章 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発、構造設計と応用

第2章 材料開発へ向けた分子設計と反応解析、化合物の記述子化

第3章 機械学習、シミュレーションを活用した配合条件の最適化、組成比の予測、反応因子の抽出

第4章 実験、測定データの収集、解析、処理と材料開発、プロセス設計への活用

第5章 材料開発における自律実験、自動化技術の導入と運用


◇第1章 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発、構造設計と応用◇

第1節 高分子材料に対するMI活用事例

1.実験データを活用した材料探索
 1.1 熱硬化性オリゴマーに対する誘電特性
 1.2 脂環式エポキシ樹脂に対する変異原性
2.計算科学データを活用した材料探索
 2.1 セルロースに対する溶媒探索
 2.2 PoLyInfoと計算科学データの転移学習によるデータ融合の展望
 2.3 高分子逆解析のためのSMiPolyの開発
3.展望

第2節 量子技術を活用したマテリアルズ・インフォマティクスによる樹脂製品の組成最適化

1.マテリアルズ・インフォマティクスと量子アニーリングの概要
 1.1 MIとは
 1.2 MIへの量子技術の活用
2.三井化学におけるMI × 量子アニーリング活用事例
 2.1 古典量子ハイブリッドアルゴリズムの開発
 2.2 電子部品材料への適用
 2.3 接着剤開発への適用
  2.3.1 実験データセットとモデル構築
  2.3.2 従来手法の課題と古典量子ハイブリッドアルゴリズムの適用
  2.3.3 問題の設定と組成探索

第3節 機械学習を用いた電子材料用樹脂の探索と構造設計

1.データ駆動型機械学習を用いたフェノール系樹脂開発技術の体系化
 1.1 レガシー技術における開発の課題
 1.2 レガシーデータの再構築と説明変数設計
 1.3 機械学習モデルによる物性予測と知見抽出
 1.4 データ駆動開発基盤としての実装と運用
 1.5 考察
2.データ駆動型機械学習を用いた低・中分子フェノール系化合物の物性予測
 2.1 低・中分子フェノール系化合物における開発の課題
 2.2 分子表現の設計と説明変数の構築
 2.3 機械学習モデルによる溶解性予測性能の比較
 2.4 構造重要度解析による溶解性支配因子の抽出
 2.5 考察
3.データ駆動型機械学習を用いた新奇フェノール系ポリマー開発への適用
 3.1 フェノール系ポリマー設計における課題設定
 3.2 ポリマー表現の抽象化と説明変数設計
 3.3 機械学習モデルの構築と物性予測
 3.4 仮想実験による設計空間探索と実証
 3.5 考察

第4節 エポキシ樹脂の誘電率を予測する機械学習モデルの構築と低誘電モノマーの構造探索

1.背景
2.MIを用いた分子構造設計
3.解析
 3.1 回帰モデルの構築
  3.1.1 Tg回帰モデルの構築
  3.1.2 誘電率回帰モデルの構築
 3.2 構造生成
  3.2.1 主骨格-側鎖組合せ手法による構造生成
  3.2.2 仮想合成による構造生成
 3.3 逆解析
 3.4 実験検証

第5節 低誘電接着シート、テープへのMIの適用と課題

1.低誘電接着シートの開発と技術的課題
 1.1 多層積層板における市場背景と要求特性
 1.2 接着シートを用いた多層積層基板の製造方法
 1.3 低誘電接着シート開発における相反特性
2.MIを用いた処方最適化の実践
 2.1 物性評価とデータセットの構築
 2.2 日立ハイテク「PROACCELA Analyst」 を用いた機械学習
 2.3 誘電損失の最小化
 2.4 接着強度の最大化
 2.5 低損失と高強度の両立
3.製品開発におけるMIの課題と展望

第6節 適応的実験計画法を活用したホットメルト粘・接着剤の開発

1.HMAの構造と粘弾性
2.HMA開発における機械学習フロー
3.粘弾性情報に基づく相容性と剥離強度の予測・理解
4.適応的実験計画法による配合条件の提案とHMA配合設計
5.課題と今後の展望

第7節 接着界面の量子化学:相互作用の分子論と環境効果

1.接着現象の基礎理論と分子間相互作用
 1.1 接着の古典的理論
 1.2 分子論的視点:静電・電荷移動・交換反発・分散相互作用
2.量子化学計算を行うための接着界面系のモデリング
 2.1 密度汎関数理論
 2.2 被着材表面のモデリング
 2.3 接着界面のモデリング
3.接着強度の方向依存性
 3.1 接着試験
 3.2 引張接着力の計算方法と例
 3.3 せん断接着力の計算方法
 3.4 はく離接着力の計算方法
4.無機材料表面に対するエポキシ樹脂の接着と水分の影響
 4.1 アルミナ表面への接着:化学吸着水の影響
 4.2 チタニア表面への接着:結晶相と化学吸着水の影響
5.シアノアクリレート系瞬間接着剤の構造変化と接着性
6.歯科接着への展開

第8節 MIを活用したポリイミド分離膜の開発とその評価

1.先行研究
 1.1 ポリイミド分離膜
 1.2 MIを用いたガス分離膜材料設計
2.実験項(方法)
 2.1 学習データセットの構築
 2.2 モデル構築および評価方法
 2.3 候補構造の予測および実験検証
3.結果と考察
 3.1 目的変数のデータ前処理
 3.2 説明変数とAIモデリングの工夫
 3.3 予測候補のポリマー
 3.4 予測結果と実験検証

第9節 アニオン交換膜の分子設計指針を与える計算化学とデータ科学の活用

1.アニオン交換膜(AEM)の研究開発動向
2.アニオン交換膜を対象とする計算化学・データ科学の研究例
 2.1 計算化学によるアニオン交換膜のイオン輸送解析
 2.2 量子化学計算を用いたアニオン交換膜のアルカリ安定性評価
3.計算化学とデータ科学を活用したアニオン交換膜のアニオン伝導性・安定性評価
 3.1 分子動力学シミュレーションを活用したアニオン交換膜のアニオン輸送解析
 3.2 文献データに基づく機械学習によるアニオン交換膜のアニオン伝導度予測
 3.3 機械学習と量子化学計算を組み合わせた小規模データからのアニオン交換膜における伝導度・安定性の簡易予測

第10節 小規模データへの機械学習の適用によるエネルギー関連高分子材料の開発

1.小規模データ駆動型MI
 1.1 典型的な実験研究とMI
 1.2 小規模データに対するMIの手順
2.リチウムイオン二次電池有機正極活物質の探索
 2.1 データセットの構築
 2.2 正極性能予測モデルの構築・予測精度の検証
3.リチウムイオン二次電池有機負極活物質の探索
 3.1 有機負極活物質に関するデータセットの構築
 3.2 負極性能予測モデルの構築・予測精度の検証
 3.3 予測モデルによる新規負極活物質の探索・高性能化
4.白金代替に向けたメタルフリー水素発生電極触媒の探索

第11節 計算機シミュレーションによる液晶高分子の材料探索とその応用

1.高分子のための分子力場
2.凝縮環境における分子力場の改良
3.自己組織化イオン液晶系への応用例

第12節 界面シミュレーションに基づいたインフォマティクスを活用したヘルスケア向け材料・薬剤分子の設計

1.ヘルスケア分野における界面での接着の課題
2.接着強度の評価方法
3.接着強度の支配因子への依存性を推定する方法
4.機械学習・応答曲面を活用したペプチドの最適設計方法
5.分子シミュレーションによる剥離エネルギーの計算結果
6.接着強度の支配因子への依存性を推定した結果
7.接着強度を最大化するペプチドの設計
8.シミュレーションベースのインフォマティクスを活用した薬剤分子の設計

第13節 バイオ界面における分子相互作用の定量的解析とデータ駆動科学による材料機能予測

1.バイオ界面の課題と新たな設計パラダイム
 1.1 医療デバイスと血液適合性の重要性
 1.2 古典的理解の限界
 1.3 本稿の構成
2.実験的アプローチによる血液適合性メカニズムの解明
 2.1 モデル表面としての自己組織化単分子膜(SAMs)の有用性
 2.2 表面間力測定が明らかにする界面水の障壁効果
 2.3 FM-AFMによる界面水和構造の分子スケール直接観察
 2.4 分光法およびシミュレーションによる多角的解析
3.データ駆動科学によるバイオ界面の合理的設計
 3.1 マテリアルズインフォマティクスと生体材料分野の課題
 3.2 文献データベースの構築と人工ニューラルネットワークによる予測
 3.3 予測モデルの解釈可能性と材料設計指針への展開
4.生体分子に学ぶ究極の生体適合性材料設計
 4.1 タンパク質分子の表面構造と非特異的相互作用の抑制
 4.2 機械学習を用いたタンパク質表面構造の網羅的解析
 4.3  細胞内・細胞外環境がタンパク質表面に与えた進化的影響
5.総括と将来展望
 5.1 本稿の総括
 5.2 実験と情報科学の連携による相乗効果
 5.3 ハイスループット実験と自律的材料探索
 5.4 次世代バイオマテリアル開発に向けて

第14節 ポリマー太陽電池におけるミクロ相分離構造の画像処理と機械学習

1.はじめに
2.結果と考察
3.おわりに

第15節 PolyOmics:シミュレーションと実験をつなぐ高分子材料データ基盤

1.データ駆動型高分子材料研究におけるスモールデータ問題
2.分子動力学シミュレーションによる高分子物性自動計算ライブラリRadonPy
3.PolyOmics:シミュレーションによる高分子物性データベースの産学連携コンソーシアムによる共同開発
4.Sim2Real転移学習のスケーリング則
 4.1 Sim2Real転移学習による計算-実験値間のキャリブレーション
 4.2 Sim2Real転移学習のスケーリング則の観測
 4.3 Sim2Real転移学習の計算・実験データ数の二次元スケーリング
 4.4 基礎的物性から応用物性へのSim2Real転移学習
5.Sim2Real転移学習の実践・実証
 5.1 適用例:高熱伝導アモルファスポリマーの予測と発見
 5.2 適用例:ポリマー-溶媒系のχパラメータ予測
 5.3 RadonPyとベイズ最適化による光学用高分子の自動探索

第16節 機械学習による有機化合物の屈折率、誘電率等の予測と追加データによる補完対策

1.はじめに
 1.1 マテリアルズ・インフォマティクスと有機材料開発
 1.2 ターゲットとする物性:屈折率と誘電率
 1.3 機械学習適用の課題と「データ不足」への対策
 1.4 本章の構成
2.屈折率、誘電率の予測事例
 2.1 屈折率の事例
 2.2 誘電率の事例
3.有機化合物の屈折率予測モデル
 3.1 はじめに
 3.2 初期モデルの構築と評価
 3.3 転移学習の検討
4.高分子材料等の誘電率予測モデル
 4.1 はじめに
 4.2 低分子有機化合物の誘電率予測モデル
  4.2.1 深層学習による学習モデルの作成
  4.2.2 勾配ブースティング法による学習モデル作成と記述子エンジニアリング
 4.3 高分子材料の学習モデルの作成
  4.3.1 各種特徴量によるポリイミドの比誘電率の学習モデル作成
  4.3.2 独自算出データによる予測の検討
5.重合開始剤の開裂エネルギー予測モデル
6.ハイスループット量子化学計算による特徴量の追加
 6.1 はじめに
 6.2 高屈折化合物の屈折率の予測
 6.3 マルチフィデリティ学習の検討

第17節 ハリマ化成におけるマテリアルズ・インフォマティクスと「等身大のMI」実践事例

1.MIがもたらした材料開発の変革
 1.1 産業革命と研究開発の変遷
 1.2 MIの黎明期と国際的な動向
 1.3 全固体電池開発競争とMIの衝撃
 1.4 大手化学企業におけるMI活用の進展
 1.5 ハリマ化成の「等身大のMI」への挑戦
2.SA Cubed? ― ハリマ化成が目指す研究開発の羅針盤
 2.1 Scientific Approach(科学的アプローチ)
 2.2 Statistical Analysis(統計解析)
 2.3 Simple-work Automation(単純作業の自動化)
 2.4 SA Cubed?が導く研究開発DXと人材育成
3.MIを企業文化として根付かせるための実践と工夫
 3.1 JMP導入と「伴走支援」による現場浸透
 3.2 多角的な情報発信と現場との対話
 3.3 DX人材育成への取り組み
 3.4 MI導入の課題と継続的な取り組み
4.MI実践事例:現場テーマにおけるScientific × Statisticalアプローチ
 4.1 事例@:増粘現象の原因解明 ― 多因子が絡む現象の構造化と交互作用分析
 4.2 事例A:紙用定着剤のゲル化日数設計 ― 組成因子の最適領域を可視化
 
 

◇第2章 材料開発へ向けた分子設計と反応解析、化合物の記述子化◇

第1節 ポリマーアロイ設計へ向けた記述子化と成分組成、プロセス条件の最適化

1.浮き上がってきた課題
2.プロセスも含めたポリマー材料設計戦略

第2節 機械学習と計算化学及び実験の協働による高機能分子触媒の高速開発

1.研究背景
2.研究開発の概要
3.開発技術の詳細
 3.1 単座P系配位子の初期スクリーニングと機械学習モデルの構築
 3.2 量子化学計算による主反応解析
 3.3 未検討P系配位子の実験検証
 3.4 Rh錯体の合成による最終検証

第3節 転移学習を活用した有機光増感剤の活性予測

1.異種光反応データを利用したドメイン適応
 1.1 クロスカップリング反応から[2+2]環化付加反応やアルケン異性化反応への転移学習
 1.2 ドメイン適応を活用した触媒探索効率の改善
2.仮想分子データを利用した深層転移学習

第4節 反応選択性を支配する三次元電子場解析

1.反応選択性解析とその課題
2.電子状態を用いた解析
3.π面電子状態差を用いた求核反応の予測
 3.1 π面電子状態差の計算
 3.2 球状空間 D(R, d, ±θ) の定義
 3.3 データセットと多変量回帰モデル
 3.4 求核剤ごとの立体効果・軌道効果の違い
 3.5 本手法の位置づけ
4.遷移状態解析とグリッド電子状態記述子を用いたエナンチオ還元選択性の予測
 4.1 代表反応系に対する遷移状態解析とNCI/SAPT解析
 4.2 データセットとグリッド電子状態記述子
 4.3 予測結果と電子状態マップによる選択性の可視化

第5節 計算科学を用いたπ共役分子の探索

1.問題設定
 1.1 設計要件の整理
 1.2 代理指標と多目的化
 1.3 評価粒度の設定
2.化学空間の定義
 2.1 スコープの設定
 2.2 分子表現と制約
 2.3 同一性と正規化
 2.4 空間サイズと偏り
3.探索アルゴリズム
 3.1 列挙による空間把握
 3.2 最適化探索の設計
 3.3 生成モデルによる候補提案
 3.4 ハイブリッド探索の設計
4.物性評価
 4.1 階層評価の基本
 4.2 基底状態評価の設計
 4.3 励起状態評価の位置づけ
 4.4 環境効果とサロゲートの導入
5.多目的最適化と意思決定
 5.1 Pareto最適と制約
 5.2 代表候補の選定
 5.3 候補提示と実装性
6.データとワークフロー
 6.1 メタデータ設計
 6.2 計算ワークフロー設計
 6.3 ベンチマークと共有
7.限界と展望
 7.1 励起状態と環境効果
 7.2 危険領域と閉ループ探索
 

◇第3章 機械学習、シミュレーションを活用した
配合条件の最適化、組成比の予測、反応因子の抽出◇

第1節 デジタルが回る共重合実験系の設計思想

1.背景と問題意識:「誠実さ」の変容と Real4Sim
 1.1 「誠実な研究者」の定義が変わりうる
 1.2 高次元探索の難しさ:部分集合でのミスリードと失敗情報の欠落
 1.3 Scientific integrity:偏りが入りにくい構造
 1.4 Real4Sim:Simが回るようにRealを整える
2.IRスペクトルの定量解析に用いる機械学習モデル WT-ENCV の提案
 2.1 IRスペクトルを「状態量」へ落とす(State-readable)
 2.2 狙いと前提:反応液のFTIRを「その場で」定量に使える形へ
 2.3 提案手法 WT-ENCV:WTで“幅”を扱い、ENでスパースにして、CVで検証
 2.4 妥当性検証:従来法との比較
 2.5 説明可能性:WT-ENCVが“どこを根拠にしているか”を可視化し検証する
 2.6 結論:State-readable を成立させるために
3.スケールを変更しても均質な物性のコポリマーを得られるフローバッチ合成装置の開発
 3.1 スケール差への対応を設計に組み込む(Tunable)
 3.2 背景:なぜスケール変更で「同じ条件」が成立しなくなるのか
 3.3 提案:マイクロミキサ・フロー・バッチ をデジタル制御で統合した装置
 3.4 仕組み@:フロー部で反応初期の反応場を整え、分子量の乱れを抑える
 3.5 仕組みA:追加供給(時間関数)で組成ドリフトを補償し、時間方向に均質化する
 3.6 並列化:装置差を増やさず、生産性を上げる(kg/day級への拡張)
 3.7 結論:Tunable を成立させるために
4.ハイスループットフロー反応のインライン測定による、共重合高密度マッピングと反応性比評価法の提案
 4.1 条件を“変え続けて回す”ことでデータ密度を稼ぐ(Iterable)
 4.2 背景:反応性比推定の課題
 4.3 提案:グラジエントフロー共重合+インラインATR-FTIR による連続掃引データ生成
 4.4 スペクトル→濃度予測:少数のオフライン点で校正し、疎な線形モデルを採用
 4.5 高密度の濃度時系列から、共重合曲線と反応性比推定へ接続する
 4.6 連続掃引手法の設計:その性質と限界
 4.7 結論:Iterable を成立させるために

第2節 フロー合成装置におけるモノマーの物性探索、転化率・組成比の予測

1.フローラジカル重合における組成制御
 1.1 マイクロミキサーによる均一混合と組成制御
 1.2 反応チューブ長の変更による反応時間の抽出と、組成比を維持した転化率制御
2.量子化学計算と機械学習による未学習コポリマーの特徴量予測
 2.1 予測精度を向上させる説明変数の探索と内挿・外挿予測における課題
 2.2 密度汎関数理論に基づく活性化エネルギー等の導入による外挿予測性能の向上
3.ベイズ最適化による共重合プロセスの最適化
 3.1 単目的のベイズ最適化による目標組成の探索
 3.2 多目的ベイズ最適化によるプロセス変数の同時最適化とパレート境界の可視化

第3節 機械学習と量子インスパイアード型コンピュータによる複合材料の配合組成の最適化

1.組合せ最適化問題として扱う題材
2.複合材料の配合制約の2値化
 2.1 材料の混合数の上下限制約を2値化
 2.2 配合量の上下限制約を2値化
3.機械学習モデルからイジングモデルへの変換
4.Fujitsu Digital Annealerを用いた処理フロー

第4節 マルチモーダルAI・自律自動実験を活用した高分子材料配合条件・成形加工プロセスの最適化

1.マルチモーダルAIによる異なるデータを組み合わせた新たなMI・PI
2.自律自動実験による人の手を介さないクローズドループな研究開発

第5節 MIによる廃プラスチックの配合設計最適化と物性予測

1.廃棄物問題としての出発点
2.社会的うねりと国際資源循環
3.プラスチックのリサイクル問題
4.プラスチックのリサイクル方法
 4.1 三つのリサイクル手法の整理
 4.2 マテリアルリサイクルとマテリアルズインフォマティクス(MI)の関係性
5.マテリアルリサイクルにおけるMIと物理科学的知見
 5.1 統計力学的アプローチの限界
 5.2 熱力学的アプローチとMIの親和性
 5.3 物性予測MIの構築フロー

第6節 機械学習によるポリマーブレンドの相溶性予測

1.ポリマーの相溶性課題
2.相溶性予測の考え方
3.相溶性データの収集
 3.1 ハイスループット実験
 3.2 使用材料
4.モデル構築
 4.1 ポリマー特徴量
 4.2 ブレンド特徴量
 4.3 分子シミュレーション
 4.4 予測モデル

第7節 AI画像解析によるフィラー粒子の定量化とインフォマティクスを用いた最適条件の探索

1.AI画像解析技術GeXeLの概要
 1.1 インスタンスセグメンテーションの原理
 1.2 GeXeLの特徴
 1.3 フィラー評価への適用
2.実験方法
 2.1 画像解析ステップ
 2.2 条件最適化ステップ
3.実験結果および考察
 3.1 画像解析結果
 3.2 重要変数の解析
 3.3 ベイズ最適化による最適条件探索
4.イメージインフォマティクスの展望

第8節 溶解度パラメータと親和性可視化ソフトSoluVisionを活用した材料開発の効率化

1.溶解度パラメータの基礎
 1.1 Hildebrand溶解度パラメータ
 1.2 Hansen溶解度パラメータ(HSP)
 1.3 Hansen sphere法によるHSPの実験的決定
 1.4 HSPの推定手法
2.親和性可視化ソフトSoluVisionを用いた材料探索
3.実務応用ケーススタディ
 3.1 難溶性ポリマーの溶媒設計 ── セルロースの混合溶媒設計
 3.2 ポリマー内の分散性を高めるナノフィラー設計 ── LDPE/CNCナノコンポジット
 3.3 ゴムの耐薬品性評価 ── フッ素ゴム(FKM)の膨潤挙動解析
 

◇第4章 実験、測定データの収集、解析、処理と材料開発、プロセス設計への活用 ◇

第1節 インフォマティクスを活用したスペクトル自動計測と大規模データ解析

1.計測インフォマティクスの数理的基盤:「良い実験」とは何か
 1.1 情報量に基づく実験の価値
 1.2 ベイズ的最適実験計画の枠組み
 1.3 ガウス過程回帰:スペクトルを「予測」する機械学習
 1.4 能動学習による適応的計測の自動化
 1.5 自動停止基準:「いつ測定をやめるか」の判断
2.データベースを活用したベイズ的計測最適化
 2.1 なぜ「事前に計測点を決める」手法が必要か
 2.2 スペクトルデータベースからの事前分布構築
 2.3 期待損失関数:計測条件の評価指標
 2.4 性能評価
 2.5 最小計測点数の決定:バイアス・バリアンス分解
3.スペクトル特徴空間の合理的分割による大規模データ解析
 3.1 「干し草の山から針を見つける」問題
 3.2 既存クラスタリング手法の限界
 3.3 スペクトル特徴空間と多様体仮説
 3.4 ボロノイ分割による実装と計算効率
 3.5 空間相関を用いたノイズ耐性の向上
 3.6 未知の微量相の発見
4.高分子材料開発への展開
 4.1 ケーススタディ1:ポリマーブレンドの微視構造評価と未知相の発見
 4.2 ケーススタディ2:熱劣化・光劣化プロセスのオペランド自動追跡
 4.3 自律実験システムへの統合

第2節 インフォマティクスと質量分析による高分子の末端構造解析

1.EGA-FI-TOFMS測定の概要
2.PCAおよびKMD解析を用いたEGA-FI-TOFMSデータからのデータマイニング
3.熱分解物の発生挙動の比較
4.PCAを用いた末端構造を含む分解生成物の選択的抽出
5.KMD解析を用いたローディングの包括的解釈

第3節 インフォマティクスを活用した生体高分子の立体構造解析

1.ケモインフォマティクスに基づく薬らしさの評価
2.ドッキングシミュレーション
3.機械学習によるADMET特性の予測
4.in silicoスクリーニングによるoff-targetの探索
5.AlphaFoldによる立体構造予測の評価

第4節 複雑流体の流動予測に向けたレオロジーデータの活用

1.データ駆動レオロジー
2.スパース同定による構成則の獲得手法
3.スパース同定による既存の構成則の再現
4.データ駆動構成則を用いたマルチスケールシミュレーション

第5節 光学画像解析を用いた高分子材料の燃焼状態および劣化の解析と新たな難燃材料開発への応用

1.垂直燃焼試験における燃焼挙動の画像解析による定量的評価
 1.1 垂直燃焼試験および動画撮影条件
 1.2 垂直燃焼試験における燃焼挙動の画像解析
 1.3 HSV色空間解析による燃焼の化学的状態評価
 1.4 特徴量データの抽出と高分子の熱分解挙動との相関
 1.5 正準判別分析による樹脂の自動識別

第6節 分子シミュレーションと機械学習の併用による界面活性剤の構造・物性予測

1.分子シミュレーションと機械学習をつなぐメソスケール表現
2.クレンジング剤内部の自己集合構造と洗浄性能
 2.1 クレンジング剤内部の自己集合構造と洗浄性能の分子シミュレーション
 2.2 クレンジング剤の洗浄性能予測の機械学習
3.分子シミュレーションと機械学習を組み合わせた自己集合構造の予測

第7節 ペプチドセンサーと機械学習による高分子の精密識別

1.単一のペプチドセンサーを用いたWSPの識別
 1.1 ペプチドセンサーの設計
 1.2 蛍光スペクトル測定と特徴量抽出
 1.3 機械学習によるWSPの識別
2.複数のペプチドセンサーを用いたWSPの識別
 2.1 複数のペプチドセンサーの設計
 2.2 蛍光スペクトル測定と特徴量抽出
 2.3 機械学習によるWSPの識別
3.複数のペプチドセンサーを用いた高分子ナノ粒子の識別
 3.1 単独重合体からなる高分子ナノ粒子の識別
  3.1.1 単独重合体からなる高分子ナノ粒子
  3.1.2 単独重合体からなる高分子ナノ粒子存在下でのP1の蛍光スペクトル測定
  3.1.3 特徴量抽出と識別
 3.2 共重合体からなる高分子ナノ粒子の識別
  3.2.1 共重合体からなる高分子ナノ粒子
  3.2.2 共重合体からなる高分子ナノ粒子存在下での蛍光スペクトル測定
  3.2.3 特徴量抽出と識別
  3.2.4 蛍光シグナルと化学構造との関係性評価

第8節 量子化学計算データと実験データおよび高分子溶液理論を組み合わせたマルチタスク相溶性予測モデルの開発

1.低分子および高分子の溶解理論
 1.1 低分子溶液における正則溶液理論とHildebrand溶解度パラメータ
 1.2 Hansen溶解度パラメータ
 1.3 Flory-Huggins理論
 1.4 Flory-Hugginsモデルにおけるエンタルピー項の導出およびχパラメータ導入の流れ
2.原子レベルシミュレーションによるχパラメータのシミュレーション手法
 2.1 全原子分子動力学
 2.2 COSMO-RS
3.計算データ, 実験データ, および高分子溶液理論を組み合わせたマルチタスク相溶性予測モデル
 3.1 訓練データセット
 3.2 入力記述子
 3.3 ネットワークアーキテクチャ
 3.4 学習目標と最適化
 3.5 予測性能の評価
 3.6 潜在変数の物理化学的解釈
 3.7 今後の課題と展望
 

◇第5章 材料開発における自律実験、自動化技術の導入と運用 ◇

第1節 小規模実験の自動化へ向けた柔軟ロボットシステムの活用

1. はじめに
 1.1 LAにおける専用機と汎用機
 1.2 ロボットによるLA研究動向
 1.3 硬いロボットと柔らかいロボット
 1.4 本稿の目的
2.粉体ハンドリングを目的としたSCU-Hand-SV
 2.1 概要と機能
 2.2 円錐形状の設計原理
 2.3 機構設計
3.すくい取り自動化
 3.1 問題設定
 3.2 システムと実験設定
 3.3 実験結果
4.秤量自動化
 4.1 問題設定
 4.2 システムと実験設定
 4.3 実験結果

第2節 自律実験システムの導入とR&Dの高速化

1.はじめに:素材開発のパラダイムシフトと自律実験の必要性
 1.1 素材産業におけるパラダイムシフト:環境負荷低減と機能性追求の両立
 1.2 研究開発の「ヒト律速」解消:自動化とMIの融合による加速
 1.3 デジタル化による再現性と「負のデータ」の価値
2.「スマートラボ」のシステムアーキテクチャと社会実装プロセス
 2.1 物理実験の限界と「次元の呪い」への対処
 2.2 サイバー・フィジカル二重ループによる垂直統合
 2.3 多様な材料群へ即応する「疎結合アーキテクチャ」
 2.4 現場実装を牽引する開発体制と運用プロセス
 2.5 データのトレーサビリティと全社資産化
3.次世代R&D基盤への拡張:統合オーケストレーションと業界標準化
 3.1 モノリシックからの脱却とオーケストレーターの役割
 3.2 実験論理とオントロジーによる「指示」の共通化
 3.3 物理制御と通信の標準化:LADS,やSiLA 2による「身体」の接続
 3.4 FAIR原則の遵守とMaiMLによる「結果」の資産化
 3.5 システム環境とリソースの標準化:DPFとLIMSの連携
4.おわりに:AIと研究者の「共進化」による未来
 4.1 R&D DXの真の価値:ヒトの解放と高次思考へのシフト
 4.2 研究者と自律システムの「共進化」とAIサイエンティストの台頭
 4.3 アセットのシェアリングと複数社連携がもたらす共創のエコシステム
 4.4 スマートラボによる協進化

第3節 デジタルマイクロ流体技術による有機合成実験と自動化、小型化

1.デジタルマイクロ流体技術の原理
 1.1 Electrowetting-on-Dielectric(EWOD)
 1.2 DMFデバイスの構造と作製
 1.3 液滴の基本操作
2.DMFを用いた有機合成
 2.1 黎明期における事例
 2.2 環状ペプチド・ペプチドミメティクスの合成
 2.3 放射性医薬品プローブの合成
 2.4 高分子・粒子合成への展開
 2.5 その他の有機反応
3.リアルタイム反応モニタリングと検出技術の統合
 3.1 核磁気共鳴(NMR)との統合
 3.2 質量分析(MS)との統合
 3.3 分光計測との統合
 3.4 電気化学計測との統合
4.自動化、機械学習への展開