【講演ポイント】
固体物質に機械的エネルギーを加えて化学反応を誘起させるメカノケミカルは、機能性材料の合成から廃棄物の分解や有価物の回収に至るまで幅広く利用されている。
本講演では、まずメカノケミカルのメカニズムとそれにより生じる固体の物性変化、処理に用いられる粉砕装置の種類や特徴、砕生物の物性評価方法について解説する。
つぎに、機能性化合物の合成への応用について機能性触媒を中心に紹介した後に、廃棄物からの有価物の回収やバイオマスからの水素製造などに適用した例についても紹介する。
【プログラム】
1.粉砕による固体の変化とメカノケミカル現象
1.1 粉砕による固体の物性変化
1.2 メカノケミカル現象とは
1.3 機械的エネルギーとメカノケミカル効果
1.4 メカノケミカルによる無定形化と相転移
1.5 粉砕装置の種類と特徴
1.6 砕成物の物性(粒子径・比表面積・結晶構造・格子欠陥)評価
2.メカノケミカルによる機能性化合物の合成
2.1 セメント系物質の非加熱合成
2.2 機能性酸化物・水和物・フッ化物の合成
3.メカノケミカルによる機能性触媒の調製
3.1 環境浄化触媒
3.2 エネルギー変換触媒
3.3 化学品合成触媒
3.4 フルオロペロブスカイトの触媒機能の発現
4.分解・抽出・回収のためのメカノケミカル処理
4.1 廃プラスチックの分解促進
4.2 天然資源からの有価物回収
4.3 廃棄物・未利用資源からの有価物回収
4.4 バイオマスや廃棄物からの水素製造
【質疑応答】
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