【講座主旨】
物質を撹拌するプロセスは化学産業、食品産業、鉄鋼、非鉄産業等で広く利用されており、最終製品の歩留り、品質、プロセスの安定性に大きな影響を及ぼす。これら種々の応用に対して設計することが望まれるが、多種多様な用途、材料、製品に応じてプロセス条件を最適に決定する必要がある。また、最適に設計する必要がある目的変数は単一のものではなく、例えば化学産業で言えば、プロセスの安全性や温度、反応速度、反応率、投入エネルギー等のものがあり、一意に条件を決定するのが困難である。
本セミナーでは、このような撹拌プロセスに注目し、数値流体力学(Computational Fluid
Dynamics, CFD)と最適化を融合して迅速に設計する方法を紹介する。また、この際に必要な撹拌プロセスにおける操作パラメータ、最適化の方法、CFD解析でのポイント、実験との比較方法、最適化とCFDを融合した事例を紹介し、実応用上の問題点やポイントを説明する。
【講座内容】
1.撹拌プロセスの基礎
1.1 撹拌操作の種類
1.2 撹拌操作における操作パラメータ
2.撹拌プロセスの実験、評価方法
2.1 均一混合時間
2.2 撹拌トルク
2.3 気泡、液滴径
3.最適化の方法
3.1 最適化の種類
3.2 最適化アルゴリズムの紹介
3.3 多目的最適化
4.撹拌プロセスにおけるCFD
4.1 撹拌プロセスに利用されるCFD
4.2 回転体の取り扱い方法
4.3 混合時間の評価方法
4.4 混相流モデルとの連成
4.5 乱流モデルの取り扱い
4.6 解析事例や気を付ける点
5.最適化とCFDの連成
5.1 CFDと最適化の連成方法
5.2 撹拌槽の単一目的の最適化
5.3 撹拌槽の多目的最適化
【質疑応答】
◆◆講師プロフィール◆◆◆
専門分野:化学工学、移動現象論、数値シミュレーション
学位:博士(工学)
略歴・活動・著書など:
2017年3月 大阪大学大学院基礎工学研究科 博士(工学) 取得
2017年4月 東北大学大学院環境科学研究科 助教
2020年4月 東北大学大学院工学研究科 助教
2022年9月 JST さきがけ研究員 兼任(~現在まで)
2023年4月 大阪公立大学大学院工学研究科 准教授
現在に至る
その他詳細
https://researchmap.jp/7000020973
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