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【講座主旨】
実験データの取り扱いについて、表計算ソフトウェア例えばExcelを用いて、各実験者が目的に応じ整理している日常に不便は無いか。データの分散と属人的スキルによる整理で生じた曖昧さが避けられず、データの再利用可能性を損なっている。
近年、この課題に対して、研究データを機械可読・機械実行可能な形で扱うための指針としてFAIR
原則が2016年に公開された。FAIR は単にデータ公開だけではなく、識別子、メタデータ、相互運用、再利用条件(権利・ライセンス)まで含めて、データを機械でも扱えることを目標としている。これは、個々の研究者の研究データを有効に使い、効率的に研究を進めようとしている世界的潮流であるが、企業内の過去の研究開発で得られたデータが企業の知的資産として企業内で有効利用されているだろうか。高い有料ソフトウェアを担当者に配布する時代はもうすぐ終わる。
本セミナーは、DXにより40年以上前と大きく変化したデータ解析環境で効率よく技術開発を行うためのスキル向上のヒントを50年近く技術開発を行ってきた経験の中から多数紹介する。また、データ再利用のための工夫については、新たに開発したソフトウェアを紹介し、Excelと変わらない手続きでデータ整理する手法を公開する。このソフトウェアでは、必要に応じて表形式にデータを整理し、Excelファイルを吐き出すことも可能である。また、生成系AIでは対応できないタグチメソッドについては、解析用Pythonコードを出力可能なプログラムTMを紹介する。
セミナーの内容は、現代の技術開発現場でデータ解析するときのノウハウを多数含んでおり、しかもこれらは、昔は数千万円以上かかっても不可能なノウハウも含んでおり、それが今ならば無料で提供された環境ですべて実施可能である(ただし、Excelが動作しているパソコン環境が整っている条件であるが。)。その実感を2005年の体験談でセミナーの最初にお伝えする。
(注:本セミナーで紹介するプログラムの一部は無償提供予定であり技術情報協会と調整中です。また、Pythonを活用する無料環境構築の手引きも準備中です。)
【講座内容】
1.押出成形による半導体無端ベルト開発の体験談
1.1 半年後に量産を控えたとんでもないテーマ。
1.2 Wパーコレーション転移シミュレーション。
1.3 3ケ月でカオス混合のプラントを立ち上げた。
1.4 計画通りに量産成功。
1.5 成功要因は過去の膨大なExcelデータ、最大の難問はExcelデータの山登りだった。
1.6 データオブジェクトに対する新たな潮流
2.オブジェクト指向とデータ駆動
2.1 科学と技術、知の歴史概論
2.2 オブジェクト指向概論
2.3 データ駆動概論
2.4 事例:データ駆動によるポリマーアロイ開発
3.活用するためのAI概論
3.1 3回のAIブーム
3.2 生成系AI概論
3.3 ChatGPTをどのように使いこなすか。
4.活用するためのPython
4.1 プログラム言語の歴史概略
4.2 Python概論
4.3 Excelファイル自動処理のヒント
4.4 データ解析にPythonを活用するヒント
5.活用するためのR言語
5.1 R言語概論
5.2 PythonとR言語、そしてAI
6.今どきのデータサイエンス
6.1 データサイエンスは科学ではない?
6.2 データが溢れる時代の技術開発。
6.3 データサイエンスのスキルは技術者の常識。
6.4 爆発する知をどのように吸収するのか。
7.まとめ
【質疑応答】
◆◆講師プロフィール◆◆◆
職歴
1979年 4月 ブリヂストンタイヤ(株)入社(現:(株)ブリヂストン)
1984年11月 (株)ブリヂストン研究開発本部復職
1991年9月 (株)ブリヂストン退社
1991年10月 コニカ(株)第四開発センター入社(主任研究員)
1993年4月 国立福井大学工学部客員教授
1993年11月 コニカ(株)感材技術研究所主幹研究員
1998年6月 同社MG開発センター主幹研究員
2001年8月 同社中央研究所所長付主幹研究員
2005年8月 コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)生産本部
生産技術センターデバイス技術部第3デバイスグループリーダー
2008年10月 同社生産技術センターデバイス技術部担当部長
2009年4月 同社開発本部化製品開発センター機能部材開発部担当部長
2011年3月 コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株) 定年退社(57歳)
2011年3月 (株)ケンシュー設立 代表取締役社長就任 (現在に至る)
2016年11月 Nanopolis Suzhou Co.Ltd 顧問就任
受賞歴
2000年 5月 第32回日本化学工業協会技術特別賞受賞
2004年 5月 写真学会ゼラチン賞受賞
(その他 (株)ブリヂストンの超高純度βSiC半導体技術が日本化学会化学技術賞受賞)
過去の学会関係の役職
高分子学会代議員、高分子同友会開発部会世話人、日本化学会代議員、日本化学会産学交流委員会シ
ンポジウム分科会主査、同委員長、日本化学会春季年会講演賞審査委員長などを歴任
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