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【講座概要】
近年、機械学習を活用した物性推算は、分子設計・プロセス最適化の加速ツールとして注目を集めている。しかし、化学工学分野特有のデータ希少性、物理法則の厳密性、外挿予測の困難さから、純粋データ駆動アプローチの適用限界が指摘されてきた。
本講座では、まずこれらの限界要因を体系的に整理した上で、Physics-Informed Neural
Network(PINN)や従来の物性推算式・熱力学モデルとのハイブリッド手法により、これらの課題を克服・超越するアプローチを紹介する。さらに、グラフ畳み込みネットワーク(GCN)による分子構造表現、SMILES文字列をシーケンスとして扱うTransformerベースモデルがもたらすAI独自の強みを活かした最新の物性予測手法を概観する。
さらに、Explainable AI(XAI)によるモデル信頼性向上、AIを前提とした自動物性測定システム、プラントビッグデータとラボデータのマルチフィデリティ学習といった展望を議論し、AI×物性推算の持続的発展に向けた方向性を提示する。
1. 導入
1-1. 化学工学における物性推算の位置づけと従来手法の限界
1-2. AI・機械学習の基本と物性推算への適用可能性
1-3. 「AIは物性推算に向いていない」と言われる主な理由
2. それでも広がるAI物性推算の現実
2-1. 新規化合物に対する物性予測モデル
2-2. 未測定条件での物性予測モデル
3. AIを活用した物性推算
3-1. Physics-Informedニューラルネットワーク
3-2. 従来物性推算式・熱力学モデルとの融合
4. AIアーキテクチャがもたらす「従来では不可能だった」物性推算
4-1. 分子・結晶グラフを扱うGCN/GNN
4-2. 空間情報・局所構造を捉えるCNN
4-3. SMILESをテキストシーケンスとして扱うTransformer
5. AI×物性推算の今後と展望
5-1. XAIによる予測の解釈性向上と理論的信頼性強化
5-2. AI前提の自動実験システム
5-3. プラントビッグデータとラボスケールデータの統合
【質疑応答】
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