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【講座の趣旨】
粉体は、化学、食品、医薬、材料分野など幅広い産業において扱われているが、その流動性はしばしば不安定であり、固化や閉塞といったトラブルの原因となる。これらの現象の背後には、粒子の密度や相互作用に起因する「ジャミング転移」と呼ばれる非平衡現象が存在する。
本講演では、粉体のジャミング転移について、粒子モデルに基づく基礎的な理解から、摩擦や付着力の影響、さらには連続体モデルによる記述までを体系的に解説する。加えて、粒径や付着力に依存した構造物の崩壊などの具体的な現象も取り上げ、粉体の固化・流動化の制御に向けた物理的な考え方を提示する。
【習得できる知識】
・粉体におけるジャミング転移の基礎概念と物理的理解
・摩擦および付着力が粉体の力学特性に与える影響
・せん断増粘や降伏応力などの流動特性の理解
・μ-Iレオロジーをはじめとする粉体流動の連続体モデル
・粒径や付着力に依存した粉体挙動とスケーリングの考え方
・粉体の固化・閉塞を回避・制御するための基本的指針
1. 粉体とジャミング転移
1.1 粉体の特徴
1.2 粉体で生じるトラブル(固化・閉塞)
1.3 ジャミング転移の概念
2. ジャミング転移の基礎
2.1 粉体のモデル
2.2 弾性の発生
2.3 粘性の発散
3. 摩擦の影響とせん断増粘
3.1 摩擦粒子のモデル
3.2 弾性:転移点の変化
3.3 粘性:せん断増粘
4. 付着力による変形・流動特性の変化
4.1 付着力のモデル
4.2 弾性:履歴依存性
4.3 粘性:降伏応力の増大
5. 固化・流動化の連続体力学
5.1 μ-Iレオロジー
5.2 平板流れの閉塞・流動化
5.3 回転円筒中の流動領域のスケーリング
5.4 粉体構造物の崩壊と粒径・付着力の影響
6. まとめと今後の課題
6.1 ジャミング転移の理解
6.2 粉体制御への示唆
6.3 今後の研究課題
【質疑応答】
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