晶析プロセスの予測精度を高めるデータ設計・モデル化セミナー

                  
化工計算によるプロセス設計とスケールアップ
プロセスインフォマティクスにおけるデータ解析・モデリングと応用展開
<セミナー No612162(アーカイブ配信)>
【 アーカイブ配信】 (2026年11月30 Live配信の録画配信です)

晶析現象を正しく捉え、「何を予測し、どのデータを使うか」を設計する

化学工学計算からデータ解析、AI・機械学習への活用まで


晶析プロセスの予測精度を高める
データ設計とモデル化

〜晶析現象・化学工学に基づく説明変数・特徴量の考え方〜


■ 講師

兵庫県立大学 大学院工学研究科 教授 博士(工学) 山本 拓司 氏

■ このセミナーで学べる事

・晶析プロセスの予測モデルとデータ設計の考え方
・予測対象に応じたデータ・説明変数の選び方
・晶析現象・化学工学計算を活かした特徴量設計
・予測精度を高めるモデル構築・評価とデータ改善
・予測モデルを用いた晶析条件の探索・最適化

■ 開催要領
配信既刊

【アーカイブ(録画)配信】
  2026年12月9日(水)まで申込み受付(視聴期間:12/9〜12/19)

受講方法

Zoomを利用したアーカイブ配信  ※会場での講義は行いません
 セミナーの接続確認・受講手順は「こちら」をご確認下さい。

聴講料

聴講料 1名につき49,500円(消費税込/資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき44
,000円〕
〔大学、公的機関、医療機関の方には割引制度があります。詳しくは上部の「アカデミック価格」をご覧下さい〕

■ プログラム

【講座主旨】

晶析は、化学・医薬・食品・材料分野において、分離精製、粒子設計、品質制御に広く用いられる重要な単位操作です。一方で、晶析プロセスでは、溶解度、過飽和度、核発生、結晶成長、粒径分布、伝熱、攪拌、種晶添加など多くの因子が相互に関係するため、得られる結晶の粒径、純度、収率、温度履歴などを経験だけで予測することは容易ではありません。
本講座では、AI・機械学習アルゴリズムそのものの詳細ではなく、晶析現象および化学工学的な解析・モデル化を基盤として、予測に用いるデータや説明変数・特徴量をどのように設計・整理するかを解説します。まず、溶解度曲線、過飽和度、核発生、結晶成長、粒径分布など、晶析操作を理解するうえで必要となる基礎事項を整理します。次に、物質収支、速度論モデル、MSMPRモデル、熱収支計算を通じて、操作条件や物性値をどのようにモデル化し、予測計算に活用するかを考えます。
さらに、融液晶析および二重円管型晶析装置を用いた研究事例を取り上げ、操作条件、結晶成長速度、有効分配因子、結晶純度の関係をモデル化する考え方を紹介します。これらを通じて、晶析プロセスを現象理解に基づいてデータ化し、予測精度の向上や操作条件の探索・最適化につなげるための基本的な考え方を習得していただくことを目的とします。

【講座内容】

1.晶析プロセスの予測とデータ設計の考え方
 ・晶析プロセスで予測したい項目:粒径、粒径分布、収率、純度、温度履歴、生産速度
 ・目的変数、説明変数、特徴量の基本的な考え方
 ・AI・機械学習以前に必要となる晶析現象の理解とデータ整理

2.平衡論に基づく晶析操作領域の設定
 ・晶析操作の目的と分離精製における位置づけ
 ・溶解度曲線、過飽和度、準安定域の考え方
 ・冷却、蒸発、種晶添加と晶析操作領域
 ・過飽和度を予測モデルの説明変数として扱う考え方
 ・【演習1】てこの原理を用いた物質収支の計算

3.結晶成長・核発生モデルと特徴量設計
 ・核発生と結晶成長の基礎理論
 ・結晶表面への物質移動と表面集積過程
 ・結晶成長速度式と総括結晶成長速度
 ・ΔL法則と粒径に依存しない成長速度の考え方
 ・【演習2】結晶の粒径分布と代表径の考え方
 ・【演習3】回分晶析槽の操作容積計算

4.粒径分布データとMSMPRモデルによる解析
 ・個数分布、質量分布、個数密度関数の関係
 ・粒径分布データを設計計算に利用する考え方
 ・Population density plotによる核発生速度・結晶成長速度の推定
 ・粒径分布データを予測モデルに活用する際の注意点
 ・【演習4】MSMPRモデルによる核発生・成長速度の解析
 ・【演習5】混合槽型晶析装置の容量設計の考え方

5.熱収支計算による冷却挙動の予測
 ・回分晶析槽の熱収支モデル
 ・冷却速度、総括伝熱係数、伝熱面積が温度履歴に及ぼす影響
 ・結晶析出に伴う発熱、過冷却限界、結晶化速度定数の影響
 ・攪拌操作が槽内温度に及ぼす影響
 ・【演習6】混合槽の冷却挙動
 ・【演習7】結晶析出を伴う冷却挙動
 ・【演習8】攪拌と結晶析出を考慮した冷却挙動

6.研究事例:二重円管型晶析装置を用いた融液晶析プロセスのモデル化
 ・融液晶析と発汗操作の概要
 ・二重円管型晶析装置の構造と操作条件
 ・操作条件が層状結晶の成長速度および純度に及ぼす影響
 ・溶質分配理論に基づく有効分配因子の考え方
 ・実験データとモデル計算の比較
 ・異なる操作条件における結晶成長速度・有効分配因子の予測

7.講座全体のまとめ:晶析プロセスの予測に向けて
 ・平衡論、速度論、粒径分布、熱収支をデータ設計に活かす考え方
 ・測定データ、操作条件、物性値、装置条件を整理する際の注意点
 ・モデル予測と実験結果を比較し、次の条件検討につなげる考え方

 ※講演内容および演習・事例は、準備の過程で、より適切な題材に調整させていただく可能性がございます。

【質疑応答】

◆◆講師プロフィール◆◆◆

専門分野:晶析・吸着

略歴・活動・著書など:
 2002年3月  京都大学大学院工学研究科化学工学専攻博士後期課程修了 博士(工学)
 2002年4月  産業技術総合研究所環境調和技術研究部門 研究員
 2009年10月 産業技術総合研究所環境化学技術研究部門 主任研究員
 2013年10月 兵庫県立大学大学院工学研究科 准教授
 2015年4月より現職

所属学会: 化学工学会(材料・界面部会 晶析技術分科会(今年度より代表))、日本吸着学会など

著書:「晶析プロセスの設計・制御と結晶解析手法(共著・技術情報協会)」ほか