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実務担当者のQ&Aをもとにした
分析法バリデーション
【試験別ノウハウと統計・各パラメータ実務対策】

Validation of analytical methods based on the questions and answers made by the personnel in practical service

■ 執筆者(敬称略)
田辺製薬(株)

(株)住化分析センター

日本シエーリング(株)

町田 佳男

畑田 幸栄

鈴木 博文

エーザイ(株) 

エーザイ(株)

(株)応用医学研究所
[元 アベンティスファーマ(株)]

三輪 敏紳

牟田 信

濱地 洋三

■ 目  次

<第 1 部 各試験法における具体的実施法>

第1章 確認試験における分析法バリデーション実施[原薬/製剤]

【趣旨】確認試験の設定目的及び通知されたガイドラインをもとに、自社で実施されている確認試験の分析法バリデーション(特異性)を具体例と共に詳述する。内容は下記の章立てに従う予定。

第1節 確認試験とは(目的とその手法)
第2節 確認試験に求められる分析能パラメータ  
 (1)新規医薬品の承認申請における確認試験
 (2)医薬品GMPにおける確認試験(購入原料及び合成中間体)
第3節 医薬品原薬の確認試験の分析法バリデーションの具体例
 (1) 医薬品原薬のスペクトル分析に基づく確認試験の事例:IR法及びUV法
 (2) 医薬品原薬のクロマトグラフ法に基づく確認試験の事例:HPLC法またはTLC法
 (3) 医薬品原薬の化学反応に基づく確認試験の事例:定性反応または炎色反応試験法
第4節 医薬品製剤の確認試験の分析法バリデーションの具体例
 (1) 医薬品製剤のスペクトル分析に基づく確認試験の事例:UV法
 (2) 医薬品製剤のクロマトグラフ法に基づく確認試験の事例:HPLC-UV法
第5節 試験方法の設定と分析法バリデーション

第2章 純度試験(限度試験)における分析法バリデーション実施
 
1.純度試験の定義  
2.純度試験の設定対象  
3.純度試験における限度試験と定量試験の違い  
4.純度試験の分析能パラメータ  
 4.1 要求される分析能パラメータ  
 4.2 分析能パラメータの求め方  
  4.2.1 特異性  
  4.2.2 検出限界  
  4.2.3 重金属試験及びヒ素試験の添加回収率

第3章 不純物の純度試験(定量試験)における分析法バリデーション実施(原薬/製剤)

【趣旨】 不純物の純度試験(定量試験)によく用いられるHPLC法に要求される分析法バリデーションについて述べた。分析法バリデーションを実施する流れにそって、ポイントとなる点をまとめるとともに、実施例及び解析例を示した。

はじめに
1.純度試験(定量試験)の定義について
2.分析法バリデーションの手順
 2.1 分析法の使用目的の明確化
 2.2 頑健性試験及びシステム適合性試験の設定
  2.2.1 安定性試験
  2.2.2 安定性試験の判定基準
  2.2.3  頑健性試験の変動要因
  2.2.4 システム適合性試験の設定
   (1)「検出の確認」について
   (2)「システムの性能」について
   (3)「システムの再現性」について
   (4)設定基準
 2.3 分析法の文書化
 2.4 分析能パラメータの選択
 2.5 分析能パラメータの許容値の設定
 2.6 分析法バリデーションの実験計画書の作成
 2.7  分析装置の適格性評価
 2.8  分析法バリデーションの実施
  2.8.1 分析法の範囲
  2.8.2 製剤の分析法バリデーションを実施する際の試料調製
  2.8.3 実験値の取り扱い
 2.9  結果の評価及び報告書作成
3.各分析能パラメータの実施例
 3.1 特異性
  3.1.1  測定溶液
  3.1.2 判定基準
  3.1.3 報告書に記載するデータ
 3.2 直線性
  3.2.1 測定溶液
  3.2.2 判定基準
  3.2.3 感度係数
  3.2.4 報告書に記載するデータ
  3.2.5  解析例(製剤)
 3.3 真度
  3.3.1  添加回収試験の測定溶液調製
  3.3.2  回収率の計算
  3.3.3 判定基準
  3.3.4 報告書の記載
  3.3.5 留意点
  3.3.6  解析例(添加回収試験)
 3.4 精度(併行精度・室内再現精度)
  3.4.1 室内再現精度の変動要因の割り付けの留意点
  3.4.2 実験計画
  3.4.3 判定基準
  3.4.4 報告書の記載
  3.4.5 解析例
 3.5 検出限界・定量限界
  3.5.1 S/N比から求める方法
  3.5.2  検量線から求める方法6)
  3.5.3  検出限界の確認
  3.5.4 判定基準
  3.5.5 報告書の記載
  3.5.6 留意点
  3.5.7 解析例 あとがき

第4章 製剤試験(含量均一性試験・溶出試験)における分析法バリデーション実施
1.試験法開発のポイントとバリデーションにおける留意事項
2. バリデーションの実施方法
 2.1. 実施要領
 2.2. 特異性
  2.2.1. 含量均一性試験法の場合
  2.2.2. 溶出試験法の場合
  2.2.3. 特異性の判定基準
 2.3. 直線性
  2.3.1. 含量均一性試験法
  2.3.2. 溶出試験法の場合
  2.3.3. 直線性の判定基準
 2.4. 真度
  2.4.1. 含量均一性試験法の場合
  2.4.2. 溶出試験法の場合
  2.4.3. 真度の判定基準
 2.5. 精度
  2.5.1. 精度の判定基準
 2.6. 溶液安定性
3. 最後に

第5章 システム適合性試験
1.システム適合性試験とは
2.システム適合性試験の適用範囲
 2.1 試験法と分析法の違い
 2.2 適用範囲
3.システム適合性試験の日米欧における規定
 3.1 クロマトグラフ法以外の規定
 3.2 クロマトグラフ法の規定(システムの性能)
  3.2.1 溶出順序
  3.2.2 理論段数
  3.2.3 シンメトリー係数
  3.2.4 分離度
 3.3 クロマトグラフ法の規定(システムの再現性)
  3.3.1 全ての標準溶液の繰り返し注入が、試料測定前に完了しているべきか。
  3.3.2 注入回数を減らすことはできるのか。
 3.4 クロマトグラフ法の規定(検出の確認)
  3.4.1 どのような場合に「検出の確認」を設定する必要があるのか。
  3.4.2 検出の確認における定量限界濃度の再現性の根拠は何か。
4.システム適合性試験の許容値の具体的な設定方法
 4.1 許容値の設定の根拠は何か。
 4.2 システムの性能の許容値の設定方法
  4.2.1 設定法1(情報が不十分な場合)
  4.2.2 設定法2(分析法バリデーションのデータを用いる)
  4.2.3 設定法3(頑健性のデータを用いる)
 4.3 システムの再現性の許容値の設定方法
  4.3.1 設定法1(情報が不十分な場合)
  4.3.2 設定法2(母標準偏差を算出する)
 4.4 検出の確認の許容値の設定方法
  4.4.1 設定法1(情報が不十分な場合)
5.その他考慮すべきポイント
 5.1 分析法バリデーションの際、システム適合性試験を行う必要があるか。
 5.2 システム適合性試験用溶液と標準溶液を兼ねられるか。
 5.3 キャリーオーバーはどのように規定すればよいか。

<第 2 部 統計・各パラメータに関する実務対策>

第1章 統計に関する事項

【講座趣旨】第1章では、分析法バリデーションに係わる基礎統計量を分析法バリデーションの内容に沿うように解説を試みた。

第1節 基礎統計量の種類と定義について
 1.測定値
 2.平均値
 3.メジアン
 4.偏差平方和(平方和)
 5.不偏分散
 6.不偏分散平方根
 7.標準誤差
 8.正規分布、t分布、χ2分布の値
  8.1.正規分布表
  8.2.t分布表
  8.3.χ2分布表
第2節 誤差への対応
第3節 真度の推定値の求め方する。
第4節 区間推定の定義の仕方
第5節 標準偏差の信頼区間の求め方
第6節 分散と標準偏差の計算の仕方

第2章 特異性に関する事項
【講座趣旨】第2章では、特異性に関する日常業務で起こる疑問について経験をもとに解説した。

第1節 特異性の実験の繰返し数
 (1) 確認試験(Identification)
 (2) 定量法と純度試験
第2節 不純物とプラセボの取り扱い
第3節 強制分解物の取り扱い
第4節 主薬と不純物の濃度比は
第5節 ピークの単一性保証の仕方
第6節 定量法での特異性は
第7節 滴定法での特異性は

第3章は著作権の都合上、掲載しておりません

第4章は著作権の都合上、掲載しておりません

第5章 精度に関する事項
第1節 精度を評価する場合の繰り返し回数
第2節 併行精度について3濃度3回繰り返しと1濃度6回繰り返しはいずれが良いか
第3節 精度の判定基準
 3.1 目標の室内再現精度を考える方法
  (1)消費者危険率から考える
  (2)生産者危険率から考える
 3.2 基準値を考える方法
  (1) 消費者危険が5%になるときのdL*を考える
  (2) 生産者危険率α*を考える
第4節 精度が良いために分散分析やt検定で有意差が生じた場合どうするか
第5節 精度の区間推定はなぜχ2に従うか

第6章 室内再現精度に関する事項
1.室内再現精度の定義
2.室内再現精度の評価手順
 2.1 手順1 実験を割り付ける(実験計画法)。
  2.1.1 変動要因の選定
  2.1.2 水準
  2.1.3 試験日
  2.1.4 繰り返し数
  2.1.5 実験の割り付け
 2.2 手順2 同一試料を用いて6試験日のデータを採取する。
 2.3 手順3 統計解析を行う(一元配置分散分析)。
 2.4 手順4 室内再現精度を評価する。
3.一元配置分散分析と三元配置分散分析の比較
 3.1 3要因の実験割り付けで得られるデータの構造式
 3.2 手順1 実験を割り付ける(実験計画法)
 3.3 手順2 同一試料を用いて8日間のデータを採取する。
 3.4 手順3 統計解析を行う(一元配置分散分析)。
 3.5 手順4 室内再現精度を評価する。
 3.6 手順5 統計解析を行う(三元配置分散分析)。
 3.7 手順6 統計解析を行う(三元配置分散分析:誤差項へのプーリング)
 3.8 手順7 要因毎の精度を評価する。
 3.9 一元配置分散分析と三元配置分散分析の比較
4.室内再現精度に必要なデータ及び判定基準

第7章 検出限界・定量限界に関する事項
1.検出限界・定量限界の定義
2.検出限界・定量限界の評価方法
 2.1 シグナル対ノイズに基づく方法
 2.2 レスポンスの標準偏差と検量線の傾きによる方法
  2.2.1 レスポンスの標準偏差と検量線の傾きに基づく検出限界の求め方の根拠
  2.2.2 検出限界の評価手順
  2.2.3 定量限界の評価手順
3.検出限界・定量限界に必要なデータ及び判定基準
4.「報告が必要とされる閾値」に基づく定量限界・検出限界の設定方法
 4.1 「報告が必要とされる閾値」とは
 4.2 「報告が必要とされる閾値」に基づく定量限界・検出限界の評価手順
  4.2.1 手順1 許容される検出限界濃度・定量限界濃度を設定する。
  4.2.2 手順2 設定した検出限界濃度及び定量限界濃度の標準溶液を測定し、上記「3」の判定基準を満たしていることを確認する。