序論 熱電変換の原理と開発指針
1.熱電変換の原理と高性能化
2.熱電変換システムと高性能化
3.むすび
第1章 熱電材料の開発と高効率化
第1節 熱電変換と熱電変換材料
1.熱電パラメタ
2.性能指数
3.熱電変換材料の設計指針
3.1 大きな熱起電力を得るには
3.2 低い抵抗率を得るには
3.3 低い熱伝導率を得るには
4.材料開発の現状
第2節 酸化物系熱電変換材料の研究開発状況
1.酸化物熱電変換材料の特徴
2.層状コバルト酸化物
2.1 NaCo2O4 (NaxCoO2)
2.2 ミスフィット構造層状コバルト酸化物
3.SrTiO3系ペロブスカイト
4.ZnO系酸化物
第3節 ビスマステルル
1.Bi2Te3系化合物の基礎
2.高効率化へのアプローチ
3.今後の展望
第4節 充填スクッテルダイト
1.スクッテルダイトから充填スクッテルダイトへ
2.希土類充填スクッテルダイトを用いた発電モジュール
3.アルカリ土類金属を充填したスクッテルダイトの熱電物性
第5節 ホウ素,ホウ素化合物の熱電特性
1.ホウ素,ホウ素化合物の特徴
2.正20面体クラスターを構成要素に持つホウ素化合物
2.1 β菱面体晶ホウ素
2.2 炭化ホウ素
3.正8面体クラスターを構成要素に持つホウ素化合物
3.1 金属六ホウ化物の構造
3.2 二価の金属六ホウ化物の熱電特性
3.3 熱伝導率と特性向上の可能性
第6節 亜鉛アンチモン
1.亜鉛アンチモン化合物の概要
2.Zn4Sb3の結晶構造と特徴
3.Zn4Sb3の製造技術と熱電物性
4.素子化技術
第7節 クラスレート
1.初めに
2.構造と電子状態
3.熱電特性の向上に向けて
4.作成法
5.熱電特性の現状
6.第一原理計算による材料設計と熱電物性評価
7.終わりに
第8節 擬ギャップ系ホイスラー化合物
1.ホイスラー化合物の相安定性と電子構造
1.1.置換原子のサイト選択性と相安定性
1.2.擬ギャップの形成
1.3.擬ギャップ内のフェルミ準位の制御
2.ホイスラー化合物の熱電特性
2.1.非化学量論組成の効果
2.2.第四元素置換の効果
3.擬ギャップ系熱電材料の設計
3.1.ゼーベック係数の価電子濃度依存性
3.2.Fe2VAl基熱電材料の性能
第9節 超低熱伝導率物質
1.なぜ、タリウム化合物に注目しているのか?
2.Ag9TlTe5: ZT>1を示す高性能熱電新材料
3.極端に低い熱伝導率の発現機構の解明を目指して
4.タリウムの資源量と毒性について
第2章 熱電変換材料の解析・評価技術
1.材料の性能評価
1.1.ゼーベック係数
a) 絶対法
b) 微分法
1.2.比抵抗
a) 2端子法
b) 4端子法
c) 1探針法
d) 4探針法
e) Van der Pauw法
1.3.熱伝導率
a) 絶対法
b) 比較法
c) ハーマン法
1.4.性能指数
1.5.有効最大出力
1.6.最大変換効率
2.素子の性能評価
2.1.最大温度差
2.2.最大出力
第3章 熱電変換のモジュール設計・製作とそのポイント
第1節 熱電発電
1.独自の大型熱電変換モジュール開発の経緯
2.材料からシステムまでの一貫開発の必要性
3.熱電変換モジュールの開発
(1)熱源の仕様に対する熱電材料の選択と製法
(2)独自の大型熱電変換モジュールの概要
(3)大口径化の技術課題と解決策 − 独自の応力緩和構造の開発 −
(4)熱電変換モジュールの設計 − システムへの最適化の必要性 −
4.異種材料からなるモジュールの設計事例
第2節 薄膜熱電モジュールの開発と技術動向
1.はじめに
2.薄膜熱電モジュールにおける基板の考え方
3.薄膜熱電モジュールの開発状況
4.スパッタリング法によるBi-Te薄膜熱電モジュールの開発
4.1.熱電材料の選定とターゲットの作製
4.2.スパッタリングによるBi-Te薄膜熱電素子の作製
5.Fe2VAl薄膜熱電モジュールへの展開
6.おわりに
第3節 高温域Co-Sb系、低温域Bi-Te系材料モジュールの開発
1.モジュールの概要
2.半導体材料の製作
2.1.低温度領域用熱電変換材料の製作
2.2.高温度領域用熱電変換材料の製作
2.3.熱電変換材料の性能
3.モジュールの製作
3.1.モジュール構造
3.2.素子構造
4.性能評価
第4節 スケルトンタイプの熱電モジュール
1.特徴
1.1.熱ひずみに強い
1.2.機械的強度と中間保持型
2.その他のモジュール構造
3.産業用としてのスケルトンペルチェモジュールの活用
第4章 熱電変換システム設計の解析
1.熱電方程式の解析手法
1.1. 熱電方程式
1.2.熱電変換システムの構造
1.3.ペルチェ冷却システムの統一方程式
1.4.ゼーベック発電システムの統一方程式
1.5.熱流連続の条件とパラメータの温度特性
2.ペルチェ冷却微分方程式の解法
2.1.平均温度近似による線形解析
2.2.高精度線形近似解析
2.3.数値解析法
3.ペルチェ冷却システムの特性解析
3.1.定電流駆動と定電圧駆動
3.2.チップ長の影響
3.3.電流の影響
3.4.吸熱流とCOPの電流に対する極大値の温度特性
3.5.温度差の影響
3.6.冷却容器の冷却
3.7.カスケード・ペルチェ冷却システム
4.ゼーベック発電微分方程式の解法
4.1.平均温度近似による線形解析
4.2.高精度線形近似解析
4.3.数値解析法
5.ゼーベック発電システムの特性解析
5.1.性能指数 ZとZT
5.2.温度差の影響
5.3.チップ長の影響
5.4.カスケード・ゼーベック発電システム
第5章 熱電発電モジュールの性能評価技術
1. 熱電発電モジュールの性能
1.1. 性能評価の指標
1.2. 変換効率の定義
1.2.1.熱量の定義
1.2.2.温度差(ΔT)の定義
2.評価装置の構成ユニット
2.1.電子負荷装置
2.1.1. 4端子による計測
2.1.2. 電圧印加
2.2.熱量計
2.2.1.熱量計の計測位置
2.2.2.材質
2.3.熱源
2.3.1.高温熱源
2.3.2.低温熱源
2.4.熱伝導の促進
2.5.押付け機構
2.5.1.押付け圧力
2.5.2.片押し
2.6.真空断熱
3.計測の実施
3.1.温度計の校正
3.2.温度制御
3.3.系が安定したかの判定
4.カスケード型熱電発電モジュール
4.1.カスケード方式
4.2.性能計測
4.3.輻射熱の遮断 5.終わりに
第6章 熱電変換システムの応用
第1節 光通信用途、LD冷却用途冷蔵庫
1.ペルチェモジュールと光通信システム
2.LDパッケージ形態とペルチェモジュール
3.要求される仕様
4.設計の考え方
5.通信用ペルチェの性能とその特性向上
6.モジュールとしての課題
6.1.素子と電極との接合
6.2.高性能、小型化
7.ペルチェモジュール性能の評価方法
7.1.電気的・熱的特性
7.2.機械的特性実験装置
第2節 冷蔵庫
1. 冷蔵庫に対するニーズの変遷
2. ペルチェ素子の特徴と冷蔵庫への適用
2.1.ペルチェ素子、ペルチェ冷却の特徴
2.2.ペルチェ素子の歴史と問題点
(1)性能面の問題
(2)耐久性の問題
2.3.問題点の解決と冷蔵庫への適用
(1)熱応力による破壊の問題
(2)高湿度による破壊の問題
(3)取り付けの破壊の問題
3. 冷蔵庫への適用
3.1.ペルチェ冷却方式
(1)静音性・低振動
(2)軽量・コンパクト
(3)望みの庫内温度
(4)保湿性
(5)信頼性・経済性
3.2.用途例
(1)冷蔵庫
(2)ワインセラー
(3)適温庫
第3節 自動車用エアコン
1.開発の背景
2.構成と概要
3.車両への取付事例
4.今後の課題
第4節 熱発電システムの応用動向
1.熱電変換システムの量産化
2.熱エネルギから電気エネルギへの変換効率
3.熱電気変換システムの応用動向
第5節は著作権の都合上、掲載しておりません
第6節 焼却炉排ガス熱利用熱電発電
1.エネルギー資源としての廃棄物
2.焼却炉排出熱利用熱電発電システム
3.システム実験の事例
(1)炉壁組込型
(2)内部設置型
(3)熱媒体利用による外部設置型
(4)ヒートパイプ利用による外部設置型
第7節 分散電源用発電システム
1.リチウム冷却の月面用高速炉RAPID-L
2. ナトリウム冷却の地上用高速炉RAPID
3.コンプライアント・パッド付き高性能熱電発電システム
3.1.月面用原子炉RAPID-Lの熱電変換システム
3.2.地上用原子炉RAPIDの熱電変換システム
第8節 工業炉への熱電変換システムの応用
1.産業部門の廃熱の現状
2.熱電発電の適用性と課題
3.熱電変換モジュールの適用性
4.熱電変換システム
5.工業炉ふく射廃熱からの電力回収
6.ニ段カスケードモジュールの設置場所
7.ニ段カスケードユニットと評価試験方法
8.ニ段カスケードモジュール試験結果
9.まとめ
第9節 体温を利用した発電とその応用
1.微小温度差による発電
2.体温による発電
3.熱電素子の設計
4.熱電素子の小型化
5.熱発電腕時計
(1)熱発電腕時計のシステム
(2)発電モジュールと時計構造
(3)発電
6.近距離無線システムへの応用
第10節は著作権の都合上、掲載しておりません
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