電子図書館TOP
 
 
書籍一覧 | 化学・エレクトロニクス系書籍一覧 | 医薬品・医療機器・食品系書籍一覧 | 雑誌一覧

1565



ナノポリマーアロイの相溶化と混練条件の最適化

 
■執筆者(敬称略)
井上 隆   山形大学
扇澤 敏明 東京工業大学
竹下 宏樹 長岡技術科学大学
高橋 正人 信州大学
沖田 茂   東レ(株)
上田 明   (社)大阪工研協会
浦川 理   大阪大学
長岡 猛   神鋼テクノ(株)
辰己 昌典 (株)プラスチック工学研究所
酒井 忠基 (株)日本製鋼所
今井 昭夫 住友化学(株)
秋葉 勇   九州市立大学
青木 雄二 山形大学
弘中 克彦 帝人(株)
森冨 悟  住友化学(株)
斎藤 拓  東京農工大学
高谷 克彦 芝浦工業大学【元・旭化成(株)】

大石 浩   新日本製鐵(株)
東藤 貢   九州大学
福井 博之 バイエルマテリアルサイエンス(株)
桐原 修   バイエルマテリアルサイエンス(株)
加納 義久 古河電気工業(株)
山口 政之  北陸先端科学技術大学院大学
         【元・東ソー(株)】
塩見 友雄 長岡技術科学大学
矢崎 文彦 ハイテク振興センター(株)
清水 博  (独)産業技術総合研究所
五十野 善信 長岡技術科学大学
加藤 淳  (株)日産アーク
永田 員也 旭化成ケミカルズ(株)
竹中 幹人 京都大学
山本 勝宏 名古屋工業大学
■目次  

1章 ポリマーアロイの構造形成メカニズム
1節 ポリマーアロイにおける相分離構造の形成メカニズム

  1.リアクティブブレンド
    1-1 in situ-formed共重合体の界面活性
    1-2 引き抜き
    1-3 引き込み
  2.スピノーダル分解
    2-1 等温相分解
    2-2 流動誘起型相溶解・相分解
    2-3 反応誘起型スピノーダル分解
    2-4 溶媒成膜・凝固とスピノーダル分解
  3.動的架橋


2節 ポリマーアロイにおける異種高分子界面の形成過程とそのメカニズム

  1.異種高分子間の界面厚み
  2.界面層形成過程
  3.反応系の界面の形成過程


3節 多成分系高分子の結晶化・液晶化と高次構造形成

  1.結晶性成分を含む高分子ブレンド
  2.結晶性ブロック共重合体のミクロ相分離と結晶化
    2-1 結晶性-ガラス状非晶性ブロック共重合体
    2-2 結晶性-ゴム状非晶性ブロック共重合体
  3.液晶性ブロック共重合体
    3-1 ミクロ相分離構造下からの液晶化
    3-2 液晶相によるミクロ相分離構造の配向制御

2章 ポリマーアロイにおける相溶性のコントロール

1節 ポリマーアロイの相溶性と相分離

  1.混ざるとは
  2.相溶性と相分離の熱力学
  3.相分離の動力学
    3-1 相分離の初期過程における揺らぎの時間変化
    3-2 相分離の中期・後期過程における揺らぎの時間変化
  4.ブロック共重合体のミクロ相分離


2節 SP値による高分子材料の相溶性の計算テクニック

  1.溶解度パラメーターの定義
  2.溶解度パラメーターの求め方
    (A)実験による求め方
    (B)計算による求め方
  3.SP値の計算方法と計算例
  4.SP値を扱う上での注意点


3節 相溶化剤による高分子材料の相溶性のコントロール

  1.相溶化剤とは
  2.分子オーダで相溶するポリマーの組合せ
  3.相溶化剤の種類
  4.相溶化剤の効果、コントロール
  5.市販相溶化剤
  6.具体的な相溶化剤の使用例
  7.新しい相溶化剤の開発


4節 ポリマーアロイにおける相図の書き方と活かし方

  1.Flory-Huggins理論1-6)
    1-1 混合の自由エネルギー
    1-2 相の安定性と混合自由エネルギー
    1-3 自由エネルギー曲線と相図との関係
    1-4 Flory-Huggins理論の限界
    1-5 状態方程式理論
  2.相図の決定方法および特殊な状況下での相図
    2-1 相溶性の評価と相図の決定
    2-2 流動場下での相図
    2-3 重合反応による相図の変化


 

3章 ポリマーアロイにおける混練条件の最適化

1節 2軸押出機のスクリュ形状制御

  1.バッチ式混練機におけるポリマーの混練
  2.充填材、フィラーの分散
    2-1 充填材、フィラーの傾向
   2-2 無機充填材の分散混合
   2-3 フィラーの分散に及ぼす粒子径の影響
    2-4 粘度差のあるポリマーの混練
  3.ポリマーの混練装置
    3-1 連続式混練機
   3-2 ポリマーの混練メカニズム
    3-2-1 ローターによるせん断作用
    3-2-2 ポリマーの混練に及ぼすローターの形状、寸法の影響
  4.新しいポリマー混練技術
    4-1 VCMT(Various Clearance Mixing Technology)の概念
   4-2 フィラー充填コンパウンドでの応用
   4-3 ローターセグメントとニーデイングデスクの比較


2節 ポリマーアロイにおける加工条件の最適化

  1.押出機における混練技術の考え方
   1-1 1混練技術
   1-2 2分配と分散
  2.単軸押出機による流れの効果
   2-1 単軸押出機の基本的スクリューデザイン
   2-2 スクリュー構成と流れの理論
   2-3 二流体の混練に関する基本的な考え方
  3.2軸押出機の種類と応用
   3-1 同方向噛合波型二軸押出機の概要
  4.単軸・2軸押出機を利用した応用事例
    4-1 リアクティブプロセッシング
   4-2 重合後処理


3節 二軸スクリュ押出機によるポリマーアロイ/ブレンド技術

  1.スクリュ押出機を用いたポリマーブレンド技術
  2.ポリマーブレンドに用いられる二軸スクリュ押出機
  3.二軸スクリュ押出機におけるポリマーアロイの混練
  4.オンラインでの微細相構造形成過程の可視化
  5.超臨界流体を活用した新しいポリマーブレンド技術


4節 リアクティブプロセッシングによるポリマーアロイの設計

  1.第三世代ポリマーアロイとリアクティブプロセッシング
  2.リアクティブプロセッシングの特徴
  3.リアクティブプロセッシングのプロセス解析
  4.リアクティブプロセッシングによるポリマーアロイの設計

4章 ポリマーアロイの構造制御技術

1節 ポリマーアロイのモルフォロジー制御

  1.モルフォロジー制御と材料設計
  2.ポリマーアロイのモルフォロジー
  3.ポリマーの混合における溶解性(相溶性と混和性)
  4.非相溶性ポリマーアロイのモルフォロジー
  5.相容化剤とモルフォロジー 
  6.ポリマーアロイのモルフォロジーと物性


2節 分子設計に基づくポリマーブレンドの相構造制御

  1.分子間相互作用/分子間反応を利用した相溶性・相構造制御
  2.分子間相互作用の位置制御による相構造の制御
  3.分子間反応の位置制御による相構造の制御


3節 ポリマーブレンド/アロイのレオロジー挙動と材料設計

  1.相溶系・非相溶系ポリマーブレンド
    1-1 相溶系ポリマーブレンド
   1-2 非相溶系ポリマーブレンド
  2.粒子分散系ポリマー
   2-1 粒子の分散状態とレオロジー挙動
   2-2 グラフト分子鎖の分子設計
  3.熱可逆性ゲル(物理ゲル)系ポリマー
   3-1 PVC/可塑剤系のレオロジー挙動
   3-2 熱可逆性ゲルの構造形成の時間発展
   3-3 熱可逆性ゲルの伸長粘度挙動


5章 ポリマーアロイの高機能化
   〜どの組み合わせでどんな条件で混ぜたのか〜

1節 耐熱性を上げるには?

  1.ポリマーアロイの耐熱性
  2.高耐熱化のためのポリマーアロイ設計
   2-1 使用環境に対する高耐熱化
   2-1-1 非晶性ポリマーのポリマーアロイによる高耐熱化
   (1) 完全相溶系非晶性ポリマーアロイ
   (2) 相分離系非晶性ポリマーアロイ
   2-1-2 結晶性ポリマーのポリマーアロイによる高耐熱化
   2-2 成形加工条件に対する高耐熱化


2節 難燃性を上げるには?

  1.相溶系アロイの難燃性
  2.難燃性に対するモルフォロジーの影響
  3.リアクティブプロセッシングによる難燃性制御
  4.燃焼場におけるモルフォロジーの変化
  5.燃焼過程のモルフォロジー変化
  6.フィラー添加による難燃性の向上


3節 光学特性をコントロールするには?

  1.透明性
  2.屈折率
  3.複屈折
    3-1 複屈折の発現要因
    3-2 非複屈折性ポリマーアロイ
   3-3 配向制御と複屈折
   3-4 ブロック共重合体の複屈折挙動
   3-5 ポリマーナノアロイの複屈折挙動
  4.光反射性
  5.光沢
  6.偏光特性


4節 耐衝撃性を上げるには?

  1.ポリオレフィン系のブレンド/アロイ
  2.海島構造の形成と耐衝撃性の発現メカニズム
  3.多層構造共重合体の破壊機構
  4.耐衝撃性を活かした製品事例と各種要求特性


5節 耐衝撃性、金属との密着性を改善するには?

  1.ラミネート鋼板とフィルムへの要求特性
  2.ポリエステル系アロイの設計と相溶化メカニズムの検証
   2-1 機能設計
   2-2 相溶化コンセプト
   2-3 高次構造解析および設計原理検証結果
   2-4 中和金属イオン種のOE分散への影響
  3.ポリエステル系アロイのフィルム加工・応用商品例
  4.提案相溶化コンセプトの普遍性を活用した他の応用例
   4-1 PET/OE/アイオノマーアロイの組成変更
   4-2 相溶化剤の化学構造アナロジーの応用例
   4-3 ポリアミド/OE/アイオノマーアロイ


6節 破壊に強くするには?

  1.アロイ化による破壊特性向上のメカニズム
  2.ゴム変性PMMAの破壊特性と破壊メカニズム
  3.MBSの破壊特性と破壊メカニズム
  4.PLA/PCLの破壊特性と破壊メカニズム


7節 耐候性を上げるには?

  1.PC樹脂の耐候性向上
  2.PC系ポリマーアロイの耐候性向上
  3.塗装による耐候性向上


8節 溶融粘弾性を制御するには?

  1.臨界点近傍ゲル混合法
  2.ナノファイバー混合法
  3.ポリエチレンブレンドが示す特異的なレオロジー特性


9節 粘着物性を制御するには?

  1.PBDを用いたゴム系粘着剤
    1-1 PBD/テルペン樹脂完全相容系粘着剤
    1-2 UCST型相図を示すPBD/水添テルペン系粘着剤
    1-3 LCST型相図を示すPBD/ロジン系粘着剤
    1-4 PBD/ピネン樹脂系粘着剤
  2.アクリル系ブレンド粘着剤における粘着物性と相容性
  3.SIS系粘着剤の相挙動と粘着物性
  4.ポリマーブレンドによるアクリル系粘着剤の耐熱性の向上


6章 ナノポリマーアロイの技術動向

1節 ナノ分散構造形成のメカニズム

  1.ブロック共重合体やグラフト共重合体のミクロ相分離1)
  2.ポリマーブレンドのスピノーダル分解
  3.相容化剤・リアクティブプロセッシング
  4.網目構造
  5.結晶性成分を含むアロイ


2節 ポリマーアロイ界面のナノ構造解析と材料物性

  1.異種高分子間の界面厚み
  2.分光学的手法
    2.1 中性子反射率法
    2.2 エリプソメトリー
  3.形態学的手法
    3.1 透過型電子顕微鏡(TEM)
    3.2 エネルギーフィルター搭載TEM(EF-TEM)と界面の濃度プロフィール
    3.3 3D TEM (TEMトモグラフィー)
    3.4 原子間力顕微鏡(AFM)
  4.界面の構造と接着性


3節 ナノ分散構造制御の技術動向

  1.ミクロ/ナノ分散構造制御とトップダウン/ボトムアップ戦略
  2.トップダウン戦略によるナノ分散構造制御
  3.ボトムアップ戦略によるナノ分散構造制御
  4.今後のナノ分散構造制御と「第四世代ポリマーアロイ」


7章 ナノポリマーアロイにおける構造制御技術と物性の向上

1節は著作権の都合上、掲載しておりません


2節 高せん断成形加工法によるナノレベルの混練・分散技術と構造制御

  1.高せん断成形加工法の開発とそれを用いた
        非相溶性ポリマーブレンドのナノ混合化ならびにフィラーの樹脂へのナノ分散化
    1-1 高せん断成形加工法の概要
    1-2 高せん断成形加工法による非相溶性ポリマーブレンドのナノ混合化・相溶化
    1-3 透明ブレンド(PC/PMMA)の創製
    1-4 高せん断成形加工法による各種フィラーの樹脂へのナノ分散化
  2.フィラーをナノ分散化した二元系(ポリマー/フィラー)ナノコンポジットの創製
    2-1 熱可塑性エラストマー/CNT系ナノコンポジット
    2-2 熱可塑性樹脂/CNT系ナノコンポジット
    2-3 生分解性樹脂/TiO2系ナノコンポジット


3節 ナノポリマーアロイにおける
         相容化(Compatabilization)のメカニズムと相容化剤の選定

  1.ポリマーブレンドの相容化(compatibilization)について
    1-1 相溶(miscible)と非相溶(immiscible)ブレンドについて
    1-2 相互作用パラメータχABの大小による相容性1).
    1-3 Taylorの式及びWuの実験式
    1-4 相容化剤による界面張力の制御
  2.相溶化及び相容化剤
    2-1 相容化剤のタイプ
    2-2 相容化剤の非反応型及び反応型による分類
    2-3 市販相容剤


4節 三元系(高分子ブレンド/フィラー)ナノコンポジットにおける階層構造制御

  1.三元系ナノコンポジットにおける共連続構造制御の意義
  2.生分解性ポリマーブレンド/クレイ系ナノコンポジットにおける共連続構造制御
  3.ダブルパーコレーション構造の構築
  4.その他の三元系ナノコンポジット


8章 ポリマーアロイにおける評価・解析技術


1節 ポリマーアロイのレオロジー評価

  1.動的粘弾性
  2.動的粘弾性のどこがポイント
  3.ポリマーアロイの貯蔵弾性率の温度依存性


2節 ポリマーブレンドの分散状態が及ぼす力学特性への影響

  1.PK/PAポリマーアロイ試料および試験片
  2.PK/PAポリマーアロイの構造と機械特性
   2-1 PK/PAポリマーアロイのモルフォロジー
   2-2 PK/PAアロイ中のPKとPAとの相互作用
   2-3 乾燥?吸湿PK/PAポリマーアロイの高次構造とダイナミックス
   2-4 乾燥,吸湿PK/PAポリマーアロイの衝撃特性と引張特性


3節 ポリマーアロイの相転移ダイナミックス

  1.二成分ホモポリマーブレンドの相図
  2.スピノーダル分解の相分離機構
    (1)スピノーダル分解初期過程
    (2)スピノーダル分解中期・後期過程
  3.ポリマーアロイの相転移のダイナミックスにおける粘弾性効果
  4.粘弾性相分離
    (1)スピノーダル分解初期過程
    (2)スピノーダル分解中期・後期過程における粘弾性効果
  5.剪断流動下における流動誘起相分離


4節 3ポリマーアロイ界面の構造解析

  1.界面の厚み測定
  2.プローブ法による界面の動的挙動