第1節 頭痛
[1]緊張型頭痛
1.緊張型頭痛の疼痛発生機序
1.1 末梢性疼痛機序
1.2 中枢性疼痛機序
1.2.1 中枢性過敏
1.2.2 中枢性筋収縮抑制機構の欠如
1.2.3 画像的変化
2. 緊張型頭痛の病態
[2]群発頭痛
1.群発頭痛の症状
2.群発頭痛の原因
3.群発頭痛の治療の実際
3.1予防的加療
3.2発作時急性期治療
第2節 口腔顔面痛
[1]歯痛
1.歯痛の意義
2.歯痛の疫学研究
3. 歯痛のメカニズム
3.1 象牙質の痛みと象牙質知覚過敏症
3.1.1象牙質の痛み
3.1.2象牙質知覚過敏症
3.2歯髄の痛み
3.3歯痛錯誤
3.4関連痛
3.5非歯原性歯痛
[2]舌痛症
1.舌痛症とは
2.病態
3.診断
4.発症メカニズム
4.1 味覚異常と舌痛が関連している
4.2 三叉神経小径繊維のニューロパチー
4.3 脳機能画像研究から
4.4 抗うつ薬への反応
4.5 心因の関与
5.治療薬開発の展望
[3]三叉神経痛
1. 薬物治療
2. 抗けいれん薬による三叉神経痛の治療
第3節 頸肩腕痛
[1]頸部椎間板ヘルニア
1.病態と症状
2.頻度
3.検査法
・MRI
4.治療方針
5.頸椎椎間板ヘルニアにおける疼痛の由来と薬物療法
6.手術療法 ・前方法 ・後方法 ・手術の合併症と予後
[2]頸椎症
1.解剖
2.病態
3.疫学
4.臨床所見並びに検査所見
5.痛みの原因とメカニズム
6.痛み治療薬開発の展望
[3]頸椎症性脊髄症(頸部脊柱管狭窄症)
1. 症状
2.検査所見:他覚所見
1) 知覚障害
2) 筋力低下、筋萎縮
3) 上肢腱反射の異常
4) 下肢腱反射の亢進
5) 病的反射の出現
3、検査法 :画像診断
1)頚椎単純X線写真(頚椎の形態学的特徴を知るための必須な検査):
2)MRI(頚髄の状態を知るための必須の検査):
3)単純CT(後縦靭帯骨化症が疑われる場合は必要な検査):
4)ミエログラフィー、CTミエログラフィー(頚髄形状を知るためには必要な検査):
[4]胸郭出口症候群
1、痛みの原因とそのメカニズム
2、疼痛治療薬開発の展望
第4節 胸痛
[1]虚血性心疾患;虚血性疼痛の発生機序
1. 狭心症発作時の痛み発生の機序;従来の仮説と新しい仮説
2. 酸感受性イオンチャネル(ASIC)の分類と性質
3. 虚血による組織酸性化を感知し、侵害受容性感覚神経を興奮させるASIC電流
4. ASIC活性化の修飾物質
[2]食道・胃逆流症
1.GERDとは、
1.1. 下部食道括約筋
1.2. 食道クリアランス機構
1.3. 食道知覚
2.GERDの治療
2.1. 生活習慣改善
2.2. 薬物治療
2.3. 外科的治療
第5節 腹痛
[1]急性膵炎
[2]尿路結石症
1.尿路結石症の痛みの原因とメカニズム
2.疼痛治療薬の展望
[3]機能性ディスペプシア
1.概念
2.疫学
3.病態
4.診断
5.まとめ
第6節 腰背部痛
[1]腰部椎間板ヘルニア
1.椎間板ヘルニア(髄核脱出)の原因
2.椎間板ヘルニアの神経根に対する機械的作用
1)神経根自体の脆弱性と痛みを惹起しやすい構造
2)神経根の圧迫
3.ヘルニア(髄核)組織の神経根に対する生物的・化学的作用
1)髄核組織の神経根に対する生物的影響
2)髄核組織と神経痛の関係
3)髄核の化学的組成
4.神経障害と疼痛に関与するサイトカイン
[2]変形性腰椎症
1.変形性腰椎症の有病率
2.腰痛の有症率
3.変形性腰椎症の発生率
4.腰痛の発生率
5.変形性腰椎症と腰痛との関連
6.変形性腰椎症のQOLへの影響
7.MRIによる変形性腰椎症の研究
[3]腰椎分離症
1.初期・進行期の痛みのメカニズムと治療薬の展望
2.終末期の痛みのメカニズムと治療薬の展望
[4]椎間関節症
1. 解剖
2. 腰椎椎間関節性腰痛の病態
[5]腰椎変性側弯症
1.疫 学
2.症状と病態生理
2.1下肢症状:
2.2 腰背部痛
1)椎間関節・椎間板
2)腰椎側弯と傍脊柱筋の関与
3)神経根・馬尾由来の腰痛
4)椎間不安定性による腰痛
5)Cobb角と腰痛、activity of daily living(ADL)障害
6)体幹バランス不良(off balance)
3.疼痛治療薬の開発の展望
3.1.侵害受容性疼痛の関与
3.2.神経障害性疼痛
第7節 膝の痛み/下肢の痛み
[1]変形性膝関節症
1. 膝の疼痛の局在
2. 軟骨の役割
3. 疼痛の種類
3.1始動動作時の疼痛
3.2 急性の疼痛
4.関節水症
5.神経運動器協調能
6.関節モーメント
7.過度の荷重負荷
7.1 神経運動器協調能が巧く働かず、筋が多大な負荷を吸収できない場合。
7.2膝内反または外反変形により、大きな関節モーメントが膝に作用する場合。
7.3肥満により荷重量が増大する場合。
7.4ジョギングやスポーツ活動で多大な衝撃力が作用する場合。
7.5日常生活において、階段昇降、坂道歩行、重量物運搬を頻回に行う場合。
第8節 骨の痛み
[1]骨転移
1. 疼痛の分類
1.1 発生原因による分類
1.2 発生パターンによる分類
2. 骨組織における神経分布
3. がんによる疼痛発症のメカニズム
3.1 がん組織が産生する発痛物質による刺激
3.2 局所のpH低下に伴う酸による刺激
3.3 腫瘍の増大・浸潤に伴う感覚神経の損傷
4. 骨転移疼痛の治療
4.1 WHO方式がん疼痛治療法
4.2 放射線治療
4.3 ビスフォスフォネート、抗RANKL抗体
4.4 分子標的治療薬
4.4.1 TRPV1アンタゴニスト
4.4.2 抗NGF抗体
4.4.3 エンドセリン受容体アンタゴニスト
[2]骨粗鬆症
1. 骨粗鬆症の痛みと脆弱性骨折
2.脊椎骨折と大腿骨頚部骨折
3.痛みと骨粗鬆症の脆弱性椎体骨折の診断
4.骨粗鬆症の脆弱性椎体骨折の治療
第9節 関節痛
[1]変形性股関節症
1.変形性股関節症の分類
2.変形性股関節症の治療
3.痛みの原因とメカニズム〜関節局所
4.痛みのメカニズム〜中枢へ
5.変形性股関節症の治療ターゲット:これからの展望
5.1軟骨細胞
5.2 滑膜炎
5.3 骨髄病変
5.4 神経系
[2]痛風
1.1 MSU結晶が反応をおこしやすいのはなぜか
1.2 痛風はなぜ痛いか
1.3 痛風の痛みのメカニズム
・痛風の疼痛治療薬開発の展望
2.1 尿酸降下作用のある薬の開発
2.1.1 高尿酸血症治療薬の開発
2.1.2 合剤、尿酸降下作用のある薬
2.1.3 高尿酸血症治療薬のpleiotropic effect
2.2 痛風発作に対する治療薬の開発
2.3 痛風の疼痛治療に求められる薬剤、狙うべきターゲット
2.3.1 自己炎症性疾患、遺伝子解析との関連
2.3.2 変形性関節症治療薬の開発
2.3.3 パラダイムシフトの可能性
第10節 筋痛
[1]遅発性筋痛の神経・分子機構
1. DOMSの特徴
2. DOMSの動物モデル
3. DOMSのメカニズム
3.1 末梢神経機構
3.1.1 筋C線維の関与
3.1.2 イオンチャネルの関与
3.1.3 神経栄養因子の役割
3.2 中枢神経機構
3.3 乳酸説
3.4 筋膜の関与
4. DOMS研究の今後と創薬の課題
[2]筋筋膜痛症候群: MPS
1.疾患の概念
2.臨床症状
3.診断
3.1 問診
3.2 理学的検査
3.3 診断基準
4.発生メカニズム
[3]線維筋痛症 : FMS
1.痛みの分類
2.医学的に説明のできない痛み(Medically unexplained pain)
3.中枢性過敏(central sensitization)
4.中枢性過敏症候群(central sensitivity syndrome)
5.線維筋痛症の症状
6.線維筋痛症の診断基準
7.線維筋痛症の疫学、検査
8.線維筋痛症の治療総論
9.線維筋痛症の非薬物治療
10.線維筋痛症の薬物治療総論
11.線維筋痛症の薬物治療各論
12.線維筋痛症の治療成績
13.線維筋痛症の薬物治療は他の疾患へ適用可能
[4]ミオパチー
1.基礎的事項
2.筋痛の主な原因 (表1を参照)
2.1.筋線維に起因する痛み
2.1.1. 筋線維の変性に起因する痛み
2.2.筋膜に起因する痛み
2.2.1. 好酸球性筋膜炎
2.2.2. 中毒性筋膜炎、そのほかの筋膜炎
2.3.筋の支配神経の機能異常に起因する筋痛
2.3.1. 有痛性筋攣縮 (muscle cramp)
2.3.2. スティフ・パーソン症候群 (stiff-person syndrome)
2.3.3. 神経性筋緊張症 (neuromyotonia)
2.3.4. レストレス・レッグ症候群 ( restless leg syndrome)
2.3.5. 下肢痛・足指不随意運動 ( painful legs moving toes
)
3.全身痛の中の筋痛
3.1.線維性筋痛症
第11節 がん関連 〜がん治療時における、しびれ〜
1.がん治療時におけるしびれの基礎
1.1末梢神経の構造
1.2しびれの発症機序
1.3しびれの原因となるがん薬物療法とその症状
1.4抗がん剤による末梢神経障害に有効な対策。
第12節 神経障害性疼痛(末梢神経障害/神経痛)
[1]手根管症候群
1.手根管症候群の疫学
2.手根管
3.正中神経(手根管よりも中枢側)
4.正中神経(手根管以遠)
5.手根管症候群の病態生理
6.症状
[2]有痛性糖尿病性神経障害
はじめに: 有痛性糖尿病性神経障害とは
1.糖尿病性神経障害における疼痛の頻度
2.有痛性糖尿病神経障害の種類
3.糖尿病神経障害における疼痛の発生機序
4.糖尿病性神経障害の薬物治療の現状と今後の可能性
まとめ
[3]幻肢痛
1 発症のメカニズム
2 治療法
2,1 薬物療法
2,1,1 抗うつ薬(ノルトリプチリン,アミノトリプチン,イミプラミン)
2,1,2 カルシウムチャンネルα2δリガンド(プレガバリン,ガバペンチン)
2,1,3 抗けいれん薬(塩酸リドカイン,カルママゼピン,バルプロ酸ナトリウム)
2,1,4 非ステロイド性消炎鎮痛剤
2,1,5 オピオイド(モルヒネ,トラマドール,フェンタニル貼付剤)
2,1,5 NMDA受容体拮抗薬(ケタミン)
2,1,6 α2受容体作動薬(クロニジン)
2,1,7 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(デュロキセチン,ミルナシプラン塩酸塩)
2,1,8 その他
2,2 神経ブロック療法
2,3 理学療法(ミラー・セラピー)
2,4 心理療法
2,5 脊髄および末梢刺激療法
3, 新規薬剤と展望
[4]脊髄損傷後痛
1. 正常な疼痛伝達経路:脊髄視床路の理解
2. 脊髄損傷後痛発生のメカニズム
2.1 脊髄後角ニューロンの興奮性上昇
2.2 内因性制御システム(GABA)の機能不全
2.3 ニューロンのsproutingによるシナプス回路再構成
2.4 マイクログリア、アストロサイトの活性化
2.5 生体内オピオイドの発現誘導
2.6 下行性抑制系の機能異常
3. 疼痛発現メカニズムから考えた治療薬開発
[5]脊髄空洞症
1.脊髄空洞症における痛みの特徴
1.1 痛み、感覚障害についての患者アンケート調査1)
1.2 MRI所見
1.3 電気生理学的検討
2.脊髄空洞症における痛みのメカニズム
3.脊髄空洞症の痛みに対する治療
3.1 外科的治療の効果
3.2 薬物療法の効果
[6]脊髄癆
1.脊髄癆の症状と診断
2.痛みの原因
3.治療薬の展望
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