電子図書館TOP
 
 
書籍一覧 | 化学・エレクトロニクス系書籍一覧 | 医薬品・医療機器・食品系書籍一覧 | 雑誌一覧

 
No.1959

がん治療で起こる

副作用合併症治療法と薬剤開発


■ 執筆者(敬称略)

千葉西総合病院 岡元るみ子 国立国際医療センター病院 中山秀次
新潟大学 内山美枝子 愛知県がんセンター中央病院 古平毅
JCHO京都鞍馬口医療センター 竹村佳純 東北医科薬科大学病院 小山周樹
京都立医科大学附属病院 仲和子 東北大学 松下晴雄
京都立医科大学附属病院 岡垣雅美 佐々木研究所 杏雲堂病院 土器屋卓志
久留米大学病院 下津浦康隆 昭和大学病院 樋口比登実
久留米大学病院 深堀理 静岡県立静岡がんセンター 佐藤哲観
リハビリ推進センター(株) 小暮英輔 獨協医科大学 濱口眞輔
福岡大学医学部 田中俊裕 淀川キリストト教病院 池永昌之
新潟大学医歯学総合病院 勝良剛詞 京都府立医科大学 黒星晴夫
白河厚生総合病院 東光久 京都府立医科大学 波多野貴彦
神奈川歯科大学附属病院 岩渕博史 京都府立医科大学 細川豊史
新戸塚病院 中尾健太郎 岐阜市民病院 大澤友裕
富山大学附属病院 竹本朋代 岐阜市民病院 高橋健
群馬大学 神田清子 草加市立病院 吉永敦史
群馬大学 京田亜由美 草加市立病院 鎌田成芳
高崎健康福祉大学 藤本桂子 岡崎市民病院 鈴木大介
東京慈恵会医科大学 望月留加 西尾市民病院 宮本拓人
新潟県立看護大学 石田和子 国立がん研究センター東病院 岡野晋
東京慈恵科大学 延山嘉眞 国立がん研究センター東病院 藤澤孝夫
東京都立多摩総合医療センター 西口旬子 愛知医科大学病院 安藤孝人
神戸市立医療センター中央市民病院 佐竹悠良 国立病院機構名古屋医療センター 宮田泰彦
東邦大学 中村陽一 社会医療法人石川記念会HITO病院 小坂泰二郎
信州大学 道面尚久 国家公務員共済組合連合会斗南病院 長谷山美仁
札幌医科大学 小林皇 大阪市立大学大学院 金田裕靖
聖マリアンナ医科大学 高江正道 がん・感染症センター都立駒込病院 永井幸司郎
聖マリアンナ医科大学 中村健太郎 がん・感染症センター都立駒込病院 吉野公二
聖マリアンナ医科大学 遠藤拓 神奈川県立がんセンター 笹田哲朗
聖マリアンナ医科大学 鈴木直 神奈川県立がんセンター 和田聡
静岡県立がんセンター 濱内諭 岡山大学 二宮崇
千葉県がんセンター 長谷川祐三 京都府立医科大学 太田庸介
千葉県がんセンター 井内俊彦 京都府立医科大学 鈴木孝禎
千葉県がんセンター 瀬戸口大毅 国立病院機構名古屋医療センター 小暮啓人
千葉県がんセンター 堺田司 山口大学 安達圭志
東京医療保健大学 小野孝二 立命館大学 下妻晃二郎
有明がんセンター 角美奈子 ラクオリア創薬(株) 嶋田薫
名古屋市立大学病院 永井愛子 田無病院 丸山道生
名古屋市立大学病院 芝本雄太 大妻女子大学 川口美喜子
佐賀大学 島津倫太郎 県立広島病院 小原弘之
佐賀大学 倉富勇一郎 静岡県立静岡がんセンター 稲野利美
(公財)がん研究会有明病院 利安隆史 南大阪病院 瀧井麻美子
川崎医科大学総合医療センター 宇野雅子 南大阪病院 竹村雅至
昭和大学病院 加賀美芳和 三重大学病院 三澤雅子

■ 目  次


◇第1章 がん化学療法で起こる合併症・副作用の病態と実臨床での具体的対処法  ◇
1節 悪心・嘔吐
1.がん薬物療法の現状
1.1 がんの診断から薬物療法開始まで
1.2 化学療法レジメンの決定からオーダーまで
2.がん薬物療法による悪心・嘔吐対策
2.1 がん薬物療法による悪心・嘔吐ガイドラン
2.2 制吐薬の問題点
3.がん治療における制吐薬の課題

2節 脱毛
1.脱毛の発生機序
1.1 毛器官の構造と機能
1.2 毛周期 
1.2.1成長期 anagen
1.2.2退行期 catagen
1.2.3休止期 telogen
2.がん治療で起こる脱毛
2.1抗がん剤による脱毛とその機序
2.2放射線治療による脱毛とその機序
3.実臨床における対処法
3.1脱毛の評価
3.2 脱毛時のケア
3.2.1 頭髪のケア
3.2.2 頭皮のケア
3.2.3 眉毛・睫毛等の脱毛とケア
3.3 脱毛の予防について

3節 食欲不振
1.がんによる食思不振と体重減少
1.1 がん関連体重減少(cancer-associated bodyweight loss: CAWL)
1.2 がん誘発性体重減少(cancer-induced bodyweight loss: CIWL)
2.食思不振への対策

4節 便秘
1.便秘症とは
2.便秘の種類
2-1 機能性便秘
2-2 器質性便秘
3.便秘症の診断
3-1 機能性便秘の診断基準
3-2 器質性便秘の画像所見
4.便秘症の治療
4-1 下剤による便秘対策
4-2 悪性狭窄に対する対応

5節 倦怠感
1.病態
1.1 一次的倦怠感
1.1.1 セロトニンの調節異常説 
1.1.2 HPA axis調節異常説
1.1.3 サーカディアンリズム異常説
1.1.4 筋代謝/ATP調整不全説
1.1.5 迷路神経求心性線維の活動異常説
1.1.6 サイトカイン調整不全説
1.2 二次的倦怠感
1.2.1 貧血 
1.2.2 悪液質
1.2.3 抑うつ
1.2.4 睡眠障害
2.評価法
2.1 NRS
2.2 BFI
2.3 CFS 
2.4 PFS
3.病期ごとの倦怠感
3.1 周術期での倦怠感
3.2 化学療法・放射線療法での治療期における倦怠感
3.3 終末期での倦怠感
4.倦怠感に効果のある治療
4.1 薬物療法
4.2 非薬物療法
4.2.1 運動療法
4.2.2 教育・カウンセリング

6節 骨髄抑制・貧血
1.発熱性好中球減少症(FN)とは
1.1 FNの定義
1.2 FNの初期評価
1.3 FNの起炎菌
1.4 FNに対する初期治療
1.5 初期治療に反応しない場合の対応
1.6 FN患者の外来治療
1.7 G-CSF製剤の適正使用
2.貧血
2.1 貧血の鑑別
2.1.1 小球性貧血
2.1.2 正球性貧血
2.1.3 大球性貧血
2.2 化学療法実施症例中患者への輸血
2.3 赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agents:ESA)の適応
3. 血小板減少
3.1 がん化学療法に伴う骨髄抑制が原因の血小板減少
3.2 骨髄抑制以外で起こりうる血小板減少

7節 口腔粘膜炎・口内炎
1.がん口腔支持療法とは
2.がん治療における口腔の特徴
3.口腔粘膜障害の基礎
3.1 口腔粘膜障害の評価
3.2 口腔粘膜障害の発生率
3.3 口腔粘膜障害のリスク因子
3.3.1 治療因子
3.3.2 患者因子
3.4 口腔粘膜障害の発生機序
3.4.1 抗がん剤・放射線治療
3.4.2 分子標的薬
3.4.3 免疫チェックポイント阻害薬
4.口腔粘膜障害の具体的対処法
4.1 治療前の口腔支持療法
4.1.1 患者教育
4.1.2 口腔コンディショニング
4.2 治療中の口腔支持療法
4.2.1 口腔の評価
4.2.2 口腔のケア
4.2.3 口腔粘膜障害の管理30-32)(図6)
5.口腔支持療法の効果

8節 口腔内の併発症(口腔乾燥症、感染症、口臭、出血、疼痛、顎骨壊死)
1.がん治療中患者にみられる口腔内併発症
1.1口腔乾燥症
1.1.1口腔乾燥症の概念と原因
1.1.2診断
1.1.3治療
1.1.4各種物品の使用
1.2がん治療中における感染症対策の目的
1.3がん治療中患者における日和見感染症
1.3.1がん治療中患者にみられる口腔カンジダ症
1.3.2がん治療中患者における感染症対策治療上の問題点・注意点
1.4口臭
1.4.1口臭の原因
1.4.2口臭への対応
1.5出血
1.5.1出血の原因
1.5.2出血への対応
1.6疼痛
1.6.1口腔カンジダ症
1.6.2粘膜炎
1.6.3口腔乾燥症
1.6.4炎症に伴う疼痛
1.6.5全身状態の悪化に伴う疼痛
1.6.6骨転移による疼痛
1.6.7神経障害性疼痛
1.6.8心因性疼痛
1.7骨吸抑制薬関連顎骨壊死
1.7.1骨吸抑制薬関連顎骨壊死とは
1.7.2骨吸抑制薬関連顎骨壊死への対応
1.8舌苔

9節 味覚障害(taste disturbance)味覚異常(taste disorder)
1.味覚
1.1 味覚の発生機序
1.2 味覚異常(taste disorder)の症状
1.3 味覚異常の機序
2.味覚異常をきたす抗がん剤
3.抗がん剤による味覚障害の発現時期と特徴
3.1 発現時期
3.2 症状
3.3 周辺症状
4.治療
4.1 原因の除去
4.2 食事療法
4.3 亜鉛含有剤
4.4 漢方治療

10節 抗がん剤の血管外漏出と静脈炎
1.血管外漏出と静脈炎の定義と徴候
1.1 定義
1.1.1 血管外漏出(extravasation :EV)
1.1.2 静脈炎(phlebitis)
1.1.3 フレア反応
1.2 血管外漏出、静脈炎の徴候
2.血管外漏出と静脈炎発生のリスク因子と予防
2.1 血管外漏出のリスク因子/静脈炎のリスク因子
2.1.1 抗がん剤の特性
2.1.2 血管の選択と穿刺技術
2.1.3カテーテルの留置期間
2.1.4 中心静脈ルート(中心静脈カテーテル/埋込型中心静脈ポートなど)の不具合
2.1.5 輸液ポンプの使用
2.2 静脈炎・血管痛の予防
2.2.1 ゲムシタビン
2.2.2 ビノレルビン
2.2.3 エピルビシン
2.2.4 オキサリプラチン
2.2.5 ダカルバジン
2.3 患者教育
3.血管外漏出・静脈炎発症時の対応とフォローアップ 
3.1 血管トラブルの鑑別
3.2 静脈炎への対処方法
3.3 血管外漏出時の対処方法

11節 末梢神経障害(しびれ)
1.抗がん薬に伴う末梢神経障害の病態
1.1 末梢神経障害が発生しやすい抗がん薬
1.2 末梢神経障害の発生時期による分類
2.末梢神経障害の情報収集とアセスメント
2.1 情報把握
2.2 末梢神経障害の程度の評価
2.3 末梢神経障害を抱えるがんサバイバーの体験 当事者の語りからの理解
2.4 末梢神経障害の主観的評価尺度
3.末梢神経障害の支持療法・セルフケア教育
3.1 末梢神経障害の支持療法
3.2 セルフケア教育

12節 皮膚障害
1.殺細胞性抗がん薬
1.1 アルキル化薬
1.1.1 シクロフォスファミド,イフォスファミド,チオテパ
1.1.2 シスプラチン,カルボプラチン,オキサリプラチン
1.2 代謝拮抗薬
1.2.1 フルダラビン,クラドリビン,ゲムシタビン,ペメトレキセド
1.2.2 5-FU,カペシタビン,テガフール
1.3 抗腫瘍性抗生物質
1.3.1 ドキソルビシン,ダウノルビシン
1.3.2 ブレオマイシン
1.4 有糸分裂紡錘体阻害薬
1.4.1 パクリタキセル,ドセタキセル
1.4.2 ビンクリスチン,ビンブラスチン,ビノレルビン
1.5 トポイソメラーゼ阻害薬
1.5.1 トポテカン,イリノテカン
1.5.2 エトポシド
2.抗腫瘍性分子標的薬
2.1 シグナル伝達経路阻害薬
2.1.1 イマチニブ,ダサチニブ,ニロチニブ
2.1.2 ゲフィチニブ,エルロチニブ,セツキシバブ,パニツムマブ
2.1.3 ビスモデジブ
2.2 アポトーシス促進因子分解阻止薬
2.2.1 ボルテゾミブ
2.3 血管新生抑制薬
2.3.1 ソラフェニブ,スニチニブ
2.4 免疫修飾剤
2.4. 1 イピリムマブ
2.4. 2 ニボルマブ,ペンブロリズマブ
2.5 遺伝子治療
2.5.1 ベムラフェニブ,ダブラフェニブ
2.5.2 トラメチニブ

13節 間質性肺炎
1.薬剤性肺障害
1.1 薬剤性肺障害とは
1.1.1 発生機序
1.1.2 薬剤性肺障害の病変部位
1.2 間質性肺炎
1.2.1 びまん性肺疾患とは
1.2.2 肺胞性肺炎と間質性肺炎
1.2.3 間質性肺炎の病態
1.3 薬剤性間質性肺炎
1.3.1 薬剤性間質性肺炎のパターン
2.がん治療と間質性肺炎
2.1 他の治療との併用による間質性肺炎の発現
2.2 投与量に依存した副作用の発現
2.3 抗悪性腫瘍薬の治療歴に関連した副作用の発現
2.4 支持療法による間質性肺炎の発現
2.5 既往歴により、禁忌の薬剤
2.6 併用療法による間質性肺炎発現率の増加
3.抗悪性腫瘍薬治療をするにあたって
3.1 抗悪性腫瘍薬治療前
3.1.1 患者の肺の状態捉える
3.1.2 患者の肺障害のリスク因子を捉える
3.1.3 現在使用している薬剤を把握する
3.1.4 患者指導
4. 抗悪性腫瘍薬治療中
4.1.1 観察
5.間質性肺炎が発症した場合
5.1 診断基準
5.2 診断
5.3 検査
5.4 治療
5.4.1 薬剤による治療法
5.4.2 薬剤による発現率、重症化のちがい

14節 減量
1.肝障害時の薬物調整
1.1 アルキル化薬
1.2 葉酸代謝拮抗薬
1.3 ピリミジン代謝拮抗薬
1.4 アンスラサイクリン系
1.5 DNAトポイソメラーゼ阻害薬
1.6 微小管阻害薬
1.7 白金製剤
1.8 タキサン
1.9 ビンカアルカロイド
1.10 分子標的薬
2. 腎障害時の薬物調整
2.1 アルキル化薬
2.2 葉酸代謝拮抗薬
2.3 ピリミジン代謝拮抗薬
2.4 アンスラサイクリン系
2.5 DNAトポイソメラーゼ阻害薬
2.6 微小管阻害薬
2.7 白金製剤
2.8 タキサン
2.9 ビンカアルカロイド
2.10 分子標的薬
3. 透析時の薬物調整
3.1 アルキル化薬
3.2 葉酸代謝拮抗薬
3.3 ピリミジン代謝拮抗薬
3.4 アンスラサイクリン系
3.5 DNAトポイソメラーゼ阻害薬
3.6 白金製剤
3.7 タキサン
3.8 ビンカアルカロイド
3.9 分子標的薬

15節 胸水
1.症候
2.胸水の存在診断
2.1 胸部単純X線
2.2 CT検査
2.3 超音波検査
3.胸水の質的診断
3.1 滲出性胸水と漏出性胸水
3.2 病理学的検査
3.3 細菌学的検査
4.がん治療の経過に伴って出現する胸水
4.1 膿胸
4.2 乳び胸
4.3 血胸
4.4 びまん性悪性胸膜中皮腫
4.5 抗悪性腫瘍薬による胸水
4.6 放射線治療に伴う胸水
4.7 併存する心、肝、腎疾患による胸水
4.8 Meigs症候群
4.9 膿胸関連リンパ腫
4.10 がん性胸膜炎 悪性胸水
5.胸水に対する治療
5.1 利尿剤、輸液量
5.2 原因に対する治療・悪性胸水に対する積極的抗がん治療
5.3 苦痛症状に対する治療と経過観察
5.4 悪性胸水に対する侵襲的処置
5.4.1 胸腔穿刺
5.4.2 留置カテーテルによる持続排液
5.4.3 植込み型胸腔ポートによる持続排液
5.4.4 胸水濾過濃縮再静注法
5.4.5 胸膜癒着術

16節 癌治療に伴う排尿障害
1.排尿機能障害
2.子宮頸癌術後
3.直腸癌手術後
4.排尿障害の評価方法
5.排尿障害に対する治療
5.1 間欠(自己)導尿[clean intermittent (self) catheterization: CIC,CI(S)C]
5.2 薬物療法

17節 前立腺がん患者における性機能障害
1.手術療法と性機能障害
1.1 手術療法後の勃起障害
1.2 手術療法後の射精障害
2.放射線療法と性機能障害
2.1 外照射と勃起障害
2.2 組織内照射と勃起障害
3.内分泌治療と性機能障害
3.1 間欠的内分泌治療
4.監視療法と性機能障害

18節 不妊
1.妊孕性とは何か
2.卵巣予備能とその評価方法について
3.抗がん剤による妊孕性の低下について
3.1 アルキル化剤
3.2 抗がん性抗生物質
3.3 白金製剤
3.4 抗腫瘍性植物成分製剤
3.5 代謝拮抗剤
3.6 ホルモン剤
3.7 分子標的治療薬
4.妊孕性温存治療
5.男性患者の妊孕能温存治療

19節 がん悪液質
1.がん悪液質の診断基準及び病期分類
2.がん悪液質における病態生理
2.1 食欲不振 
2.2 エネルギー消費量の増加
2.3 脂質代謝
2.4 蛋白質代謝
3.がん悪液質の臨床的特徴
3.1 生存期間への影響
3.2 PS、QOLへの影響
3.3化学療法に及ぼす影響
4. がん悪液質の臨床評価
4.1 食欲不振・食事摂取量減少 (Anorexia or reduced food intake)
4.2 Catabolic drivers
4.3 筋肉量及び筋力 (Muscle mass and strength)
4.4 機能的および心理社会的効果 ( Functional and psychosocial effects)
5.がん悪液質に対する治療介入
5.1 栄養療法
5.2 運動療法
5.3 薬物療法

20節 トルソー症候群
1.トルソー症候群の病態
1.1 凝固能亢進のメカニズム
1.2 凝固能亢進をきたすがん種と臨床症候
2.トルソー症候群の治療
2.1 がん関連静脈血栓塞栓症(VTE)の治療
2.2 がん関連動脈血栓塞栓症(ATE)の治療
2.3 がん関連播種性血管内凝固(DIC)の治療
3.トルソー症候群の予防


◇第2章 放射線治療で起こる副作用の病態と実臨床での具体的対処法 ◇
1節 皮膚炎
1.放射線による生物学的影響の性質(作用機序)
1.1 組織反応関係
1.2 放射線照射後の皮膚反応
1.3 放射線による皮膚炎の評価
1.4 放射線による皮膚炎のリスク因子
2.放射線治療による皮膚炎の症例
3.放射線治療による皮膚炎の薬品の有効性について

2節 放射線口内炎
1.口内炎の経過と発生機序
2.病態生理
3.リスク因子
4.治療法
4.1 放射線治療前
4.2 放射線治療中
4.2.1 非薬物療法
4.2.2 薬物療法

3節 味覚障害
1.放射線性味覚障害の発症機序
2.放射線性味覚障害の経過
3.基本味質別味覚障害程度の検討
4.放射線性味覚障害への対策
5.まとめ

4節 放射線治療後に起こる咽頭炎
1.急性期粘膜炎
1.1 粘膜炎グレード
1.2 粘膜炎リスク因子
2.咽頭腔の晩期有害事象
2.1 粘膜潰瘍のリスク因子
3.粘膜炎の病態生理学的メカニズム
3.1 4つの発症機序
3.2 Sonisの口腔粘膜炎病態生理学的分類
4.咽頭粘膜炎に対する対処法
4.1 鎮痛薬
4.2 乾燥対策
4.3 口腔内ケア
4.4 粘膜潰瘍や壊死への対応
4.5 Palifarmin(パリフェルミン)

5節 臨床医からみた咽頭炎(粘膜炎)
1.咽頭炎(粘膜炎)の発症機序
1.1 放射線咽頭炎(粘膜炎)発症時期
1.2 咽頭炎・粘膜炎の重症度評価
2.咽頭炎・粘膜炎の対応

6節 食道炎
1.食道について
1.1 解剖
1.2 組織学
2.放射線照射による病理学的変化
2.1 急性期
2.1 晩期
3.臨床所見
3.1 食道炎
3.2 晩期障害
3.3 診断
4.鑑別診断
5.食道炎に影響する因子
5.1 放射線線量・容積
5.2 化学療法の併用
6.処置
6.1 食道炎の治療
6.2 晩期障害

7節 放射線宿酔
1.放射線宿酔
2.照射に伴う悪心、嘔吐
2.1 全身照射
2.2 上腹部照射
2.3 中枢神経照射
3.放射線に伴う制吐剤
3.1 抗セロトニン阻害薬

8節 唾液腺障害
1.進行頭頸部癌の標準治療
1.1 同時併用の化学療法
1.2 導入化学療法
2.放射線治療技術の進歩
2.1 IMRT
2.2 粒子線治療
3.唾液腺障害の臨床的対応
3.1 晩期唾液腺障害の実際と対処法
3.2 急性期唾液腺障害の実際と対応

9節 放射線治療で起こる肺線維症
1.臨床像
2.診断
3.放射線障害の程度と線量および放射線肺臓炎のリスク
3.1 放射線障害と発症予測パラメータ
3.2 放射線障害発症頻度
3.3 併用薬物療法
3.4 既存肺病変
4.照射野外への伸展
5.治療

10節 放射線性直腸炎
1.放射線直腸炎における有害事象評価ツール
1.1 急性期有害事象としての放射線直腸炎
1.2 急性放射線直腸炎の自然経過
1.3 急性期有害事象としての直腸炎に対する治療
1.4 今後の展望
2.晩期有害事象としての放射線直腸炎
2.1 放射線治療後の直腸晩期有害事象の発生頻度
2.2 放射線治療後直腸粘膜毛細血管拡張症
3 放射線治療後直腸潰瘍
4.今後の展望

11節 放射線性膀胱炎
1.膀胱炎の症状
2.膀胱がん(全膀胱照射)
3.前立腺がん(部分的膀胱照射)
4.子宮頸がん(部分的膀胱照射)
5.放射線性膀胱炎に係わるその他の因子
6.放射線性膀胱炎の治療

12節 不妊
1.放射線治療後の妊孕性温存の必要性
2.放射線治療による生殖機能への影響と対策
3.女性における放射線の影響
3.1 対策
4.男性における放射線治療の影響
4.1 対策


◇第3章 がん疼痛のメカニズムと実臨床での対処◇

1節 体性痛に対する実臨床での対処
1.痛みの概念
1.1 痛みとは
1.2 痛みの役割
1.3 痛みの伝達
1.4 痛みの分類
1.4.1 急性痛と慢性痛
1.4.2 原因による分類
1.4.3 痛みの神経学的分類
1.4.4 痛みのパターンによる分類
2.WHO方式がん疼痛治療法
2.1 がん疼痛治療の目標
2.2 WHO方式三段階除痛ラダー
2.3 鎮痛薬使用法の基本五原則
3.体性痛
3.1 体性痛の定義
3.2 痛みの特徴
4.骨転移痛(体性痛の代表的疾患)
4.1 診断
4.2 治療目標
4.3 各症状への対応
4.3.1 痛み
4.3.2 病的骨折
4.3.3 支持性の障害
4.3.4 脊髄圧迫症状
4.3.5 高カルシウム血症
4.3.6 PSの低下

2節 内臓痛に対する実臨床での対処
1.内臓痛のメカニズム
1.1 内臓痛の機序
1.2 内臓痛にかかわる神経系
1.3 体性痛と比較した際の内臓痛の特徴
1.4 関連痛(referred pain)
1.5 内臓痛覚神経系の過敏症と感作(hypersensitivity and sensitization)
2.内臓痛に対する薬物療法
2.1 WHO方式薬物療法
2.2 鎮痛薬使用上の原則
2.4 オピオイド鎮痛薬
2.5 オピオイドの副作用対策
2.6 レスキュー・ドース
2.7 オピオイド・スイッチング(オピオイド・ローテーション)
2.8 神経ブロック療法

3節 がんによる神経障害性疼痛に対する実臨床での対処(薬物療法を中心に)
1.痛みの分類と神経障害性疼痛
2.がん患者にみられる神経障害性疼痛
2.1 がんによる神経障害性疼痛
2.2 がん治療による神経障害性疼痛
2.3 がん・がん治療と直接関連のない痛み
3.神経障害性疼痛の薬物療法
3.1 「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改定第2版」に則った薬物の選択
4.抗うつ薬
4.1 作用機序
4.2 種類
4.神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改定第2版」での位置づけ
4.4 各薬物の特徴14,15)
4.5 抗うつ薬の副作用
5.オピオイド鎮痛薬
5.1 作用機序
5.2 種類
5.3 「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改定第2版」での位置づけ
5.4 各オピオイド鎮痛薬の特徴
6.ガバペンチノイドとその他の抗てんかん薬
6.1 作用機序
6.2 「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン改定第2版」での位置づけ
6.3 各薬物の特徴

4節 実臨床におけるがん疼痛の評価
1.痛む場所を聴く
2.痛みの表現形式を聴く
3.痛みの強さを評価する
4.突出痛を評価する
5.日常生活への影響を聴く
6.医療者による客観的評価について
7.認知障害などにより痛みの強さを訴えられない患者の痛みの評価について
8.痛みの増悪因子、改善因子を聴く
9.合併症状の有無を評価する
10.腎機能障害やオピオイド使用歴を確認する
11.痛みの治療のゴールを患者と共に設定する

5節 神経ブロックによるがん疼痛治療
1.がん疼痛とは
2.神経ブロック
3.神経ブロックの適応と禁忌
4.神経ブロックに使用する薬剤
5.神経ブロックの合併症
6.がん性疼痛に対する神経ブロック
6.1 三叉神経ブロック
6.2 腹腔神経叢ブロック(内臓神経ブロック)
6.3 下腸間膜動脈神経叢ブロック
6.4 上下腹神経叢ブロック
6.5 くも膜下フェノールブロック
6.6 神経根ブロック
6.7 脊髄鎮痛法(硬膜外・くも膜下ブロック)
6.8 トリガーポイントブロック


◇第4章 抗がん剤毎にみた副作用の事例と、そのがん治療に及ぼす影響◇

1節 イマチニブ
1.イマチニブ治療の特徴
1.1 適応
1.2 作用機序
1.3 相互作用
1.4 薬物動態
1.5 イマチニブの個別化治療
2.イマチニブの副作用とその対策
2.1 血液毒性
2.1.1 貧血
2.1.2 好中球減少症
2.1.3 血小板減少症
2.2 肝障害
2.3 皮膚障害
2.4 消化器障害(悪心/嘔吐、下痢)
2.5 体液貯留
2.6 筋痙攣・筋肉痛・骨痛・関節痛
2.7 間質性肺炎
3.イマチニブの副作用事例
3.1 イマチニブにより著明な体液貯留を発現した症例
3.1.1 症例
3.1.2 経過
3.2 イマチニブにより間質性肺炎を発現した症例14)
3.2.1 症例
3.2.2 経過

2節 スニチニブ
1.副作用
1.1 血液毒性
1.2 疲労感・倦怠感
1.3 口内炎
1.4 皮膚障害
1.5 甲状腺機能障害
1.6 肺障害
1.7 心血管系障害
1.8 高血圧
1.9 消化器系障害
1.10 腎機能障害
1.11 神経系障害
1.12 創傷治癒遅延
2.症例提示

3節 セツキシマブ・パニツムマブ
1.セツキシマブ・パニツムマブの作用機序
1.1 セツキシマブ・パニツムマブの違い
2.セツキシマブ・パニツムマブの副作用
2.1 Infusion reaction
2.2 皮膚障害
2.3 低マグネシウム血症
2.4 肺障害
3.岡崎市民病院でのセツキシマブ・パニツムマブの副作用対策
3.1 皮膚障害に対する取り組み
3.1.1 皮膚ケア
3.1.2 皮膚障害予防治療
3.1.3 皮膚障害治療
3.2 低マグネシウム血症に対する取り組み
3.2.1 低マグネシウム血症に対する予防
3.2.2 低マグネシウム血症に対する治療

4節 セツキシマブ(頭頸部癌)
1.頭頸部がんにおけるセツキシマブの役割
1.1 再発転移頭頸部扁平上皮癌に対する役割
1.2 局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する役割
2.セツキシマブの副作用:総論
3.皮膚障害
3.1 病態生理
3.2 皮膚障害の様式と発現時期
3.3 ざ瘡様皮疹
3.4 脂漏性皮膚炎様皮疹
3.5 乾皮症・皮膚亀裂
3.6 爪囲炎
3.7 症例提示:セツキシマブ長期投与による皮膚障害に伴い感染を併発した一例
4.低マグネシウム血症
4.1 病態生理・頻度
4.2 症状 
4.3 治療 
4.4 症例提示:低Mg血症に対して内服および点滴によりMg補充を要した一例
5.Infusion Reaction
5.1 病態生理
5.2 症状 
5.3 予防 
5.4 治療 
5.5 症例提示(1):中等症Infusion Reactionを生じたが適切な対処により投与継続が可能であった一例
5.6 症例提示(2)重症IRにより重篤となったが救命しえた一例
6.薬剤性間質性肺炎
6.1 病態
6.2 症状 
6.3 検査
6.4 治療 
6.5 症例提示:薬剤性間質性肺炎に対しステロイド治療を施行した一例

5節 ソラフェニブ
1.ソラフェニブの副作用
2.当科でのソラフェニブ導入時における副作用対策
3.ソラフェニブ導入後経過
4.ソラフェニブの臨床的最大効果判定
4.1 ソラフェニブの副作用が本症例の治療に与えたと思われる影響・考察
4.2 ソラフェニブ導入後経過
5.ソラフェニブの臨床的最大効果

6節 ダサチニブ
1.慢性骨髄性白血病
2.ダサチニブについて
2.1 ダサチニブの開発
2.2 ダサチニブの作用機序
2.3 off-target効果
3.ダサチニブの投与について
3.1 用法及び用量
3.1.1 慢性骨髄性白血病(CML)
3.1.2 再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)
3.2 注意事項
3.2.1 65歳以上の患者
3.2.2 妊娠中の患者
3.2.3 小児の患者
3.3 相互作用
4.ダサチニブのおもな副作用
4.1 骨髄抑制
4.2 体液貯留留(胸水、肺水腫、心嚢液貯留、腹水、浮腫等)
4.3 消化器症状
4.4 出血(脳出血・硬膜下出血、消化管出血)
4.5 肝胆道系障害
4.6 肺動脈性高血圧
4.7 QT間隔延長
4.8 間質性肺疾患
4.9 皮膚障害
4.10 発熱
4.11 その他

7節 Lapatinib(ラパチニブ)の有害事象対策
1.ラパチニブの保険適応となったPivotal Studyについて
1.1 Pivotal Studyのデザインと結果について3つ
1.2 有害事象発現について

8節 リツキシマブ
1.Infusion reaction (注入反応)
1.1 総論
1.2 症例提示
2.腫瘍崩壊症候群
2.1 総論
2.2 症例提示
3.B型肝炎ウイルス(HBV)による劇症肝炎、肝炎の増悪
3.1 総論
3.2 症例提示

9節 プラチナ製剤
1.プラチナ製剤の開発
2.構造・作用機序
2.1 構造-活性相関
2.2 標的分子と作用機序
3.各薬剤の特徴
3.1 シスプラチン (CDDP)
3.1.1 臨床効果
3.1.2 投与方法
3.1.3 副作用
3.2 カルボプラチン (CBDCA)
3.2.1 薬物動態
3.2.2 投与方法
3.2.3 副作用
3.3 オキザリプラチン (L-OHP)
3.3.1 薬理
3.3.2 有効性
3.3.3 副作用
3.3.4 投与方法
3.4 ネダプラチン (254-S)
3.4.1 薬理
3.4.2 有効性
3.4.3 副作用

10節 免疫チェックポイント阻害薬における様々な免疫関連有害事象(irAE)
    〜その対応とチーム医療の重要性について〜
1.薬剤性肺障害
2.腸炎
3.肝機能障害
4.内分泌障害
4.1 甲状腺機能障害
4.2 下垂体機能低下症
4.3 劇症1型糖尿病
5.腎機能障害
6.皮膚障害
7.重症筋無力症

11節 がんワクチン
1.非特異的がんワクチン療法
2.腫瘍関連抗原を用いたがんワクチン療法(腫瘍特異的がんワクチン療法)
2.1 ペプチドワクチン
2.2 腫瘍細胞ワクチン
2.3 樹状細胞ワクチン
2.4 核酸(DNA/RNA)ワクチン
2.5 タンパク質ワクチン
3.変異抗原を用いたがんワクチン療法
3.1 Driver mutationを標的としたがんワクチン療法
3.2 個々の遺伝子変異を標的とした個別化がんワクチン療法


◇第5章抗がん剤の副作用に対する軽減/治療効果のある製剤研究 ◇

1節 分子標的薬によって発生する新たな副作用とその特徴
1.肺障害
1.1 急性肺障害・間質性肺炎
2.消化器毒性
2.1 悪心・嘔吐
2.2 下痢
2.3 口内炎
2.4 消化管穿孔
2.5 GAVE
3.肝障害
3.1 B型肝炎ウイルス再活性化
3.2 薬剤性肝障害
4.心毒性、高血圧
4.1 QT延長症候群
4.2 心筋障害
4.3 高血圧
5.蛋白尿
6.皮膚障害
6.1 ざ瘡様皮疹など
6.2 手足症候群
7.出血・血栓塞栓症
7.1 出血
7.2 血栓塞栓症
8.Infusion reaction(急性輸液反応)

2節 がん細胞選択的な薬物放出の分子技術と抗がん剤開発
1.がん治療と抗がん剤
2.ドラッグデリバリー分子
2.1 ドラッグデリバリー高分子
2.2 ドラッグデリバリー中分子
2.3 ドラッグデリバリー小分子
2.3.1 標的指向型プロドラッグ
2.3.2 新規標的指向型プロドラッグの開発:LSD1阻害を引き金とした薬物放出の分子技術
3.おわりに

3節 コンパニオン診断薬の活用による抗がん剤の患者選定と副作用軽減
1.効果予測因子としてのコンパニオン診断薬
1.1 乳癌に対するコンパニオン診断薬
1.1.1 抗HER2薬使用による効果
1.2 胃癌に対するコンパニオン診断薬
1.3 非小細胞肺癌に対するコンパニオン診断薬
1.3.1 上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor, EGFR)
1.3.2 ALK
1.3.3 ROS-1
1.3.4 PD-L1
1.4 皮膚悪性黒色腫に対するコンパニオン診断薬
1.5 頭頸部癌に対するコンパニオン診断薬
2.効果無効予測因子としてのコンパニオン診断薬
3.副作用予測因子としてのコンパニオン診断薬

4節 免疫チェックポイント阻害療法の効果と相関しうる遺伝子バイオマーカー解析の進捗状況について
1.免疫チェックポイント阻害療法のバイオマーカーに関する背景と問題点
2.バイオマーカーとしてのβカテニンシグナル経路
2.1 βカテニンとは
2.2 がんとβカテニン
2.3 メラノーマに対する免疫チェックポイント阻害療法におけるバイオマーカーの背景
2.4 メラノーマに対する免疫チェックポイント阻害療法とβカテニンシグナル経路の活性化

5節 癌臨床試験におけるQOL/PRO評価のポイント
1.QOL/PRO評価の意義と概念
1.1 QOL/PROは定量的評価が可能か
1.2 医療におけるQOL/PRO評価の意義
1.3 主観的な健康アウトカム評価の必要性
1.4 QOL/PROの概念構造
2.QOL/PRO測定尺度の種類
2.1 プロファイル型尺度
2.2 選好に基づく尺度
2.3 2つの尺度の使い分け
3.測定と解析・解釈の課題
3.1 測定におけるバイアス排除
3.2 解析における注意点
3.3 結果の解釈方法についての新たな提案
4.臨床試験におけるQOL/PRO評価の残された課題
4.1 レスポンスシフト
4.2 情報通信技術(Information and Communication Technology: ICT) の応用

6節 抗がん剤由来悪心・嘔吐のメカニズムと制吐剤の開発
1.抗がん剤由来の悪心・嘔吐の原因とメカニズム
1.1 抗がん剤による悪心・嘔吐の分類
1.1.1 悪心・嘔吐の発生時期および発現の状態による分類
1.1.2 悪心・嘔吐の強度による分類
1.1.3 悪心・嘔吐の起こしやすさの分類
1.2 悪心・嘔吐の発生機序と制吐剤の作用機序
2.悪心・嘔吐の疾患モデル
2.1 悪心・嘔吐の動物モデルの特殊性と薬理モデル
2.2 フェレットを用いた悪心・嘔吐モデル
2.2.1 薬剤(シスプラチンなど)誘発の悪心・嘔吐
2.2.2 放射線照射誘発の悪心・嘔吐
2.3 トガリネズミ科(スンクス,オオアシトガリネズミなど)を用いた悪心・嘔吐モデル
2.3.1 スンクスを用いた薬剤(シスプラチンなど)誘発の悪心・嘔吐
2.3.2 オオアシトガリネズミを用いた薬剤(シスプラチンなど)誘発の悪心・嘔吐
2.3.3 音声シグナルの検出法
2.3.4 胃の収縮運動のトランスデューサーによる検出
2.4 イヌを用いた悪心・嘔吐モデル
2.5 ラットを用いた悪心・嘔吐モデル
2.5.1 ラット異食モデル
2.5.2 放射線照射誘発の悪心・嘔吐
2.6 マウスを用いた悪心・嘔吐モデル
2.6.1 マウスの異食モデル
2.6.2 ラット・マウスのその他の評価指標
2.7 その他の動物を用いた悪心・嘔吐モデル
3.悪心・嘔吐の簡便な評価指標とバイオマーカー


◇第6章 がん治療における栄養療法の実際と求められる栄養補助食品◇

1節 癌患者の栄養障害と栄養管理の実際
1.癌患者の栄養障害
1.1 癌関連体重減少と癌誘発性体重減少
1.2 癌悪液質の病態と成因
1.3 癌患者の栄養アセスメントと癌悪液質
2.癌患者の栄養管理
2.1 癌の代謝栄養治療
2.1.1 アミノ酸インバランス療法
2.1.2 癌患者へのケトン食
2.2 癌患者への栄養療法
2.2.1 癌治療(化学療法)時の栄養管理の重要性
2.2.2 癌患者に対する栄養介入の手段
2.2.3 癌化学療法時の食欲低下と食事の工夫
2.2.4 癌患者へのoral nutritional supplements(ONS)の活用
2.2.5 癌悪液質に対する薬物や栄養素
2.2.6 在宅経腸栄養法を併用した化学療法
2.2.7 癌患者への栄養指導

2節 在宅高齢者に求められる栄養補助食品の要件
1.がん患者のための栄養補助食品
1.1 がん治療時の栄養障害と求められる栄養補助食品の要件
1.2 がん治療経過中に患者が期待し求める栄養補助食品
2.在宅がん患者のための栄養補助食品
2.1 高齢在宅がん患者の食事支援に求められる栄養補助食品

3節 入院患者に求められる栄養補助食品
1.栄養補助食品とは
2.がん治療期における健康食品
3.がん終末期における栄養療法
4.がん患者に望まれる栄養療法とは

4節 臨床現場における、がん患者が食べやすい食事の工夫の実際
1.がん患者への食事・栄養の考え方
1.1 栄養補給・改善の視点からの対応
1.2 “食”に対する思いへの配慮
1.3 症状への対処・工夫 〜 臨床現場での対応の実際 〜
1.3.1 嘔気・嘔吐
1.3.2 食欲不振
1.3.3 下痢
1.3.4 便秘 
1.3.5 倦怠感
1.3.6 骨髄抑制
1.3.7 口内炎・口腔内乾燥
1.3.8 味覚変化・嗅覚変化
1.3.9 末梢神経障害(しびれ)
1.3.10 咽頭炎・食道炎
1.3.11 摂食・嚥下障害

5節 胃癌患者の食事に関するトラブル
1.胃癌治療がもたらす食事への影響
2.胃術後障害の種類
2.1 早期障害
2.2 晩期障害
3.再建方法による影響
4.避けた方がよい摂取食品
5.胃切除後の食事摂取方法の工夫
6.グレリンについて
7.術後の共通したQOL評価について
8.化学療法患者の食事障害

6節 大腸癌患者の食事に関するトラブル
1.大腸の通過障害(狭窄・腸閉塞)
2.繰り返す下痢や便秘
3.腹部膨満感
4.吐き気や嘔吐による食思不振
5.口内炎、味覚異常
6.白血球や血小板減少
7.人工肛門(ストーマ)造設の際の食事
8.心理的要因による食思不振