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No.2002

車載HMIの開発動向と
自動運転、ADASへの応用


−ドライバ状態検出、覚醒維持、権限移譲、セキュリティ対策−

■ 執筆者(敬称略) 

筑波大学 伊藤 誠 神奈川工科大学 清原 良三
エスディーテック(株) 鈴木 啓高 東京大学 中野 公彦
岡山大学 村田 厚生 日本大学 綱島 均
エレクトロビット日本(株) 吉岡 真紀 日本大学 丸茂 喜高
(国研)産業技術総合研究所 中村 則雄 日本工業大学 鈴木 宏典
首都大学東京 長谷 和徳 名古屋大学 田中 貴紘
近畿大学 樹野 淳也 東京工芸大学 片上 大輔
大阪大学 和泉 慎太郎 岩手県立大学 鈴木 彰真
明星大学 中村 哲夫 京都工芸繊維大学 西崎 友規子
中央大学 水迫 幹 神奈川工科大学 高尾 秀伸
中央大学 安士 光男 名城大学 中野 倫明
中央大学 橋本 秀紀 関西福祉科学大学 木村 貴彦
大阪工業大学 大須賀 美恵子 東北大学 塩入 諭
オムロン(株) 木下 航一 大阪産業大学 栂井 一英
甲南大学 山中 仁寛 奈良先端科学技術大学院大学 池田 和司
豊橋技術科学大学 章 忠 (国研)産業技術総合研究所 山崎 啓介
芝浦工業大学 菅谷 みどり 名古屋大学 石黒 祥生
芝浦工業大学 伊東 敏夫 奈良先端科学技術大学院大学 神原 誠之
名城大学 山田 宗男 三菱電機(株) 嶋田 淳
名古屋産業科学研究所 毛利 佳年雄 中央大学 森田 和元
大阪電気通信大学 疋田 真一 名城大学 岡林 繁
(国研)産業技術総合研究所 伊藤 弘大 北里大学 川守田 拓志
芝浦工業大学 大倉 典子 名古屋工業大学 佐藤 淳
早稲田大学 河合 隆史 東海大学 前田 秀一
愛知工科大学 荒川 俊也 名古屋大学 倉地 亮
横浜国立大学 高田 一 ブラックベリージャパン(株) 中鉢 善樹
九州大学 志堂寺 和則    

■ 目  次


◇第1章 自動運転のヒューマンファクタとその課題◇

1.ヒューマンファクターとシステムデザイン
2.ヒューマンファクターにかかわるシステムの分類の視点
 2.1 自動運転のレベル
 2.2 運行設計領域と知性のレベル
 2.3 意思決定の権限のレベル
 2.4 その他の視点:自動操舵のカテゴリと意思決定のレイヤ
3.各LoDAにおける課題
 3.1 LoDA2
4.LoDA3の課題
5.LoDA4,5での課題

 

◇第2章 車載HMIの設計とその評価 ◇

第1節 自動運転時代の人間中心HMIのデザインと実装
1.人間中心設計と利用時品質
2.最近の動向
3.利用時品質の高いHMIのデザインおよび実装
 3.1 3つの課題
  3.1.1 コミュニケーションデザイン
  3.1.2 開発ワークフロー
  3.1.3 人を知る
 3.2 評価手法

第2節 カメラモニタによるサイドミラー代替表示系のHMI設計
1.背景
2.サイドミラー代替表示系の設計条件
 2.1 目的
 2.2 実験方法
 2.3 実験結果および考察
3.触覚警報によるバックミラー位置に設置するサイドミラー代替表示系の反応精度改善
 3.1 目的
 3.2 実験方法
 3.3 実験結果および考察
4.サイドミラー代替表示系が他の表示系と隣接した場合の触覚警報と音声入力によるパフォーマンス改善
 4.1 目的
 4.2 実験方法
 4.3 実験結果および考察

第3節 直観的なユーザーインターフェースの開発
1.直観的なユーザーインターフェースとは?
2.車載ユーザーインターフェースの将来の動向 〜複数のディスプレイ、ウィンドシールド、インテリジェントガラス〜
3.直感的なユーザーインターフェースに必要な機能
 3.1 AR HUD (拡張現実ヘッドアップディスプレイ)
  3.1.1 ドライバーの視野の情報
 3.2 Speech
  3.2.1 車で次世代の対話を可能にする
 3.3 IPA (Intelligent Personal Assistant)
  3.3.1 インテリジェントなパーソナルアシスタントの必要性
  3.3.2 今日のIPA
  3.3.3 将来のIPA
4.将来のソフトウェアアーキテクチャ
 4.1 サービス指向のアーキテクチャ
 4.2 マルチディスプレイサポートのハイレベルなハードウェアアーキテクチャ
 4.3 マルチディスプレイサポートのソフトウェアアーキテクチャ
5.直感的なユーザーインターフェイスの開発
 5.1 AR HUD (拡張現実ヘッドアップディスプレイ)
  5.1.1 AR HUD開発の課題
 5.2 Speech
  5.2.1 ハイブリッドスピーチの課題
  5.2.2 スピーチ対話システムの開発
 5.3 IPA (Intelligent Personal Assistant)
  5.3.1 IPAの課題
  5.3.2 IPA 開発
  5.3.3 IPA アーキテクチャ
6.将来のユーザーインターフェースとビジネスモデル
 6.1 自動運転とインテリア
 6.2 将来のビジネスモデル

第4節 EV時代のDigitalHapticsとモビリティ
1.市場・技術は様変わり
 1.1 オートモーティブとハプティクス
 1.2 ハプティクス業界におけるパラダイムシフト
 1.3 これからは日常生活におけるフルリアルなハプティクスへ
2.ハプティクスに関する基礎知識
 2.1 ハプティクスとは
 2.2 ハプティクスの感覚要素と三原触
 2.3 プレゼンスとモビリティにおけるハプティクスの重要性
 2.4 ハプティクスの本領であるアクティブタッチ
3.ハプティク・インターフェイスの分類
 3.1 ハプティク・インターフェイスの課題
 3.2 課題の解決手段
 3.3 商品性および製品化における実装性の課題
4.錯覚技術が世界を変える
 4.1 パラダイム・チェンジとフルリアルなハプティクス
 4.2 フルリアルなハプティクスに不可欠な三原触
 4.3 三原触を実現する 3DHaptics Technology
 4.4 振動一元理論にもとづく 3DHaptics Technology の実用性
 4.5 3DHaptics Technology のコア技術である錯覚誘起アルゴリズム
 4.6 感覚再現という実用的な新パラダイム
 4.7 ハプティクス・デザイン
5.バーチャルリアリティ市場を支えるDigitalHapticsTM
 5.2 DigitalHapticsTM の応用・拡張性
 5.3 製品化・市場力における拡張・多様の重要性
6.事業を成功に導くための知的財産ポートフォリオ
 6.1 特許訴訟にみる事業におけるハプティクス特許の重要性
 6.2 特許侵害の可視化・検出性と共創の場の創出
 6.3 事業を左右する特許・知的財産権の広さ
 6.4 事業を左右する特許・知的財産権の深さ
 6.5 事業を左右する製品実装性
 6.6 市場性・応用は無限大

第5節 眼球・筋骨格モデルを用いた自動車運転操作系の視認性評価
1.システムの構成
 1.1 概要
 1.2 眼球運動モデル
 1.3 筋骨格モデル(剛体リンクモデル)
 1.4 運動生成
 1.5 視野・幾何形状モデルによる幾何的視認度の算出
 1.6 運動の評価
 1.7 運動姿勢の探索的修正
 1.8 システム構成
2.システムの評価
 2.1 検証実験
 2.2 シミュレーション実験
 2.3 結果
 2.4 考察

第6節 エアコンスイッチ形式が操作性に与える影響とその評価
1.材料および方法
 1.1 供試するエアコンスイッチ
 1.2 実験環境
 1.3 タスク
2.結果および考察
 2.1 指令値と操作値の差の評価
 2.2 スイッチ形式の違いによる影響
 2.3 正確性の差の原因

 

◇第3章 ドライバ状態の検出、推定方法とモニタリング技術◇

第1節 マイクロ波ドップラーセンサを用いたドライバの非接触心拍計測技術
1.ウェアラブル生体センサの課題と心拍計測の低侵襲化
2.マイクロ波ドップラーセンサを用いた心拍の計測
3.ドップラーセンサのノイズと心拍抽出
4.ドライバモニタリングへの応用

第2節 圧力センサを用いた車載用生体情報計測システムの開発とノイズ対策
1.車載用生体計測技術が着目される背景
2.無拘束生体信号計測用センシング技術
3.車載環境とアーチファクトノイズ
 3.1 アーチファクトノイズと信号飽和
 3.2 走行環境特有のノイズと周波数特性
 3.3 日本と海外で異なる路面環境の差
4.車載用生体信号計測システムの開発
 4.1 エアマットの小型化
 4.2 エアチューブ・センサによる小型化
 4.3 生体信号抽出フィルタの最適制御
5.車載用生体信号検出システムの開発
6.車載用生体信号検出システムの評価結果
7.生体信号検出から居眠り防止へ

第3節 機械学習を用いたドライバのリアルタイム眠気推定と精度向上技術
1.眠気とは
2.心拍変動解析による眠気推定方法
 2.1 眠気推定の原理
 2.2 個人差についての検討
 2.3 眠気推定式の改良
3.車載用眠気予測システムの開発
4.機械学習を用いた個人パラメータ推定手法
 4.1 LF, HF
 4.2 機械学習とは
5.実験
 5.1 機械学習用データの作成
 5.2 リアルタイム眠気推定実験

第4節 ドライバ・乗員モニタリングのための低負担ヒューマンセンシング
1.低負担計測とは
2.道具・環境組み込みセンサによる低負担計測
 2.1 心拍(脈拍)・呼吸の道具・環境組み込み型低負担計測
 2.2 容量結合型電極を用いたドライバの心拍情報計測
3.非接触計測
 3.1 カメラを用いた非接触計測
 3.2 カメラ映像からの顔検出
 3.3 肌の色の変化を使った脈波(脈拍)の取得
 3.4 顔器官検出を使った瞬目波形の取得
 3.5 その他の指標の取得

第5節 自動運転へ向けたドライバ状態のセンシングとモニタリング技術
1.顔画像センシング
 1.1 顔検出技術
  1.1.1 局所濃淡特徴量
  1.1.2 学習
  1.1.3 カスケード構造検出器
  1.1.4 顔検出手法の改良
 1.2 顔器官検出技術
  1.2.1 形状モデル
  1.2.2 回帰によるモデルフィッティング
 1.3 顔向き・視線検出技術
2.ドライバ状態推定
 2.1 運転集中度センシングの指標
 2.2 運転集中度センシングの入力情報
 2.3 運転集中度センシングの構成
  2.3.1 CNN
  2.3.2 LSTM
 2.4 運転集中度センシングの学習と評価
  2.4.1 学習
  2.4.2 評価

第6節 眼球運動を指標にしたドライバモニタリング技術
1.眼球運動によるドライバ状態の検知可能性
2.有効視野評価値と眼球運動・瞬目パラメータの計測
 2.1 実験方法
 2.2 実験結果
3.機械学習手法を用いた視野推定手法
 3.1 眼球運動・瞬目パラメータの算出
 3.2 機械学習への適用
 3.3 適用結果

第7節 視線情報を用いたドライバの漫然運転の検出技術
1.ドライバの視線を用いた注視判定システムとその適用範囲
2.視線方向推定
 2.1 視線方向推定モデル
 2.2 視線方向算出
  2.2.1 haar-like 特徴による顔領域の探索
  2.2.2 Active Appearance Model(AAM)による顔特徴点の探索
  2.2.3 黒目領域抽出
  2.2.4 視線角度の推定
 2.3 視線方向推定精度の考察
 2.4 実車実験での視線方向推定と考察
3.前方画像から注視目標の抽出
 3.1 色空間での標識特性の検討
 3.2 注視対象の抽出
  3.2.1 標識の抽出
  3.2.2 白線の抽出
  3.2.3 車両の抽出
 3.3 注視対象の優先順位付け
4.ファジィ推論を用いた運転集中度の評価
5.注視判定システムを用いるドライブレコーダの実装例

第8節 生体計測を用いた感情推定による運転時の人の反応の評価
1.提案
 1.1 目的
 1.2 概要
 1.3 システム概要
 1.4 生体計測による感情推定
2.評価実験1
 2.1 概要
 2.2 実験環境
 2.3 実験手順
 2.4 実験結果および考察
4.評価実験2
 4.1 実験1からの改善点
 4.2 実験手順
5.分析
 5.1 分析手法の概要
 5.2 単回帰分析
 5.3 考察
 5.4 クラスタ分析
 5.5 主成分分析
 5.6 iiSAと生体感情の比較
 5.7 考察
6.課題
 6.1 計測方法についての課題
 6.2 シミュレータの課題
 6.3 実験協力者についての課題

 

◇第4章 ドライバの覚醒維持手法と覚醒度の推定、評価 ◇
第1節 自動運転中のドライバの覚醒維持とHMI
1.負荷タスク
 1.1 従来手法@:ステアリング把持
 1.2 従来手法A:ボタン操作タスク
 1.3 従来手法B:サッカード誘導視覚刺激
 1.4 提案手法@:周辺情報提供タスク
 1.5 提案手法A:単独光明滅タスク
2.実験方法
 2.1 実験概要
 2.2 対象者および実験条件
 2.3 実験装置
 2.4 評価手法
3.実験結果
 3.1 実験中に入眠した協力者数
 3.2 主観評価
 3.3 脳波解析
4.考察

第2節 超低周波微小交流磁界刺激によるドライバ覚醒および睡眠リバウンドの抑制
1.感覚刺激による睡眠リバウンド現象
 1.1 居眠運転の判定
 1.2 脳波に基づく覚醒度合の評価
 1.3 検証実験
 1.4 実験結果
2.磁気プロトニクス原理を応用した新たなドライバ覚醒手法
 2.1 磁気プロトニクス原理
 2.2 磁気刺激方法
 2.3 実験条件および実験手順
 2.4 実験結果
3.磁気刺激と感覚刺激の組み合わせによる覚醒手法
 3.1 実験条件および実験手順
 3.2 実験結果

第3節 視線フィードバック法を用いたドライバの覚醒維持法
1.関連研究
 1.1 眠気の検出
 1.2 感覚刺激を用いた覚醒維持
2.視線フィードバック法
 2.1 視線の移動履歴の呈示
 2.2 色の変化を利用した覚醒水準の呈示
3.追越車両を利用した空間的注意誘導法
 3.1 追越車両の出現を予示する注意誘導刺激の呈示
4.視線フィードバック法と空間的注意誘導法の覚醒維持効果
 4.1 実験環境
 4.2 実験条件
 4.3 実験結果
  4.3.1 PERCLOSを用いた覚醒度の評価
  4.3.2 追越車両に対する視線行動
  4.3.3 視覚刺激の受容性
 4.4 考察

第4節 「わくわく感」を利用したドライバの覚醒水準の低下防止
1.生体信号を用いた感性計測
 1.1 概要
 1.2 脳波
 1.3 心電
 1.4 眼球運動データ
2.実験
 2.1 実験方法
  2.1.1 コンテンツ
  2.1.2 評価方法
 2.2 実験結果と考察
  2.2.1 アンケート結果
  2.2.2 生体信号の解析結果

第5節 3D表現による覚醒度の増進と車載機器への応用
1.3D表現における視差量の操作と感情喚起への影響
 1.1 目的
 1.2 方法
 1.3 結果と考察
2.3D表現による覚醒度の増進と時間知覚への影響
 2.1 目的
 2.2 方法
 2.3 結果と考察
3.3D表現による覚醒度の増進と車載機器への応用
 3.1 目的
 3.2 実験1:シミュレータによる評価
 3.3 実験2:可動計器の試作と評価

 

◇第5章 自動運転レベル3以降へ向けた運転権限移譲とその課題◇

第1節 自動運転システムへの依存とシステム破綻後のドライバ状態
1.自動運転システムへの依存評価実験
 1.1 実験環境
 1.2 実験結果
  1.2.1 視線停留割合の時間変化
  1.2.2 ブレーキ行動の時間変化
  1.2.3 覚醒度の時間変化
 1.3 考察
  1.3.1 視線停留割合に関する考察
  1.3.3 覚醒度に関する考察
2.自動運転システムのシステム破綻時におけるドライバ状態の評価
 2.1 実験環境
 2.2 実験結果
  2.2.2 脳血流中のヘモグロビン濃度の変化について
 2.3 考察
  2.3.1 血圧の時間変化に関する考察
  2.3.2 脳血流中のヘモグロビン濃度の時間変化に関する考察

第2節 自動運転から手動運転への操作切り替え後のドライバ応答の評価
1.背景
2.手動運転切り替え後のドライバの評価
 2.1 実験
 2.2 計測結果
3.自動運転における緊急時対応に必要なドライバ意識の定量化
 3.1 実験
 3.2 実験結果

第3節 自動運転における運転操作権限委譲のためのHMI
1.HMI原則
2.権限委譲問題
 2.1 権限委譲に必要な時間
 2.2 権限委譲を通知するモダリティ
 2.3 権限委譲のために必要なHMIコンテンツ
3.実験
 3.1 方法
 3.2 結果
  3.2.1 衝突
  3.2.2 急停止により停止車両との衝突を回避した場合の停止車両と停止した自車との距離
 3.3 考察

第4節 自動運転における運転権限移譲のための情報提示方法
1.運転権限移譲
2.運転権限移譲の可否判断
3.状態判断の例
4.情報提示手段

第5節 自動運転用インターフェースの評価と権限移譲時の効果
1.権限移譲時のインターフェース要件
2.権限移譲のプロセス
3.力覚操舵インターフェース
4.権限移譲に向けた力覚インターフェース
5.2次タスク
6.運転の評価
7.実験
8.実験結果

第6節 自動・手動運転時におけるドライバの脳機能計測と評価
1.実車走行実験
2.ドライビングシミュレータを用いたドライバの脳機能計測と評価
 2.1 実験方法
 2.2 NIRSデータの取得
 2.3 顔表情評価による覚醒度の客観評価
 2.4 ハンドル操作と車両運動
 2.5 実験結果と評価
3.自動運転から手自動運転へ移行した場合の脳活動の計測と評価

 

◇第6章 ドライバの特性、意図を考えた運転支援システムの開発◇

第1節 ヘッドアップディスプレイによる信号交差点でのドライバ判断支援システム
1.通過・停止の判断に用いる評価指標
2.ヘッドアップディスプレイの構成
3.HUDを用いた運転支援システムの評価実験
 3.1 実験条件
 3.2 実験結果

第2節 先行車の減速意図を伝達する運転支援システムの開発
1.緒言
 1.1 先行研究
 1.2 研究目的
2.方法
 2.1 減速予見情報呈示システムの概要
 2.2 UKFによる車群状態の推定
  2.2.1 速度と車間距離の更新式
  2.2.2 UKFの適用
 2.3 GHRモデルによる減速意図の予測
3.減速意図予測の検証実験
 3.1 ドライビングシミュレータ実験(DS実験)
 3.2 数値計算の条件
 3.3 速度及び車間距離の推定結果
 3.4 加速度の予測結果
4.減速意図を後続車に伝達するインタフェースの設計
 4.1 インタフェース設計の考え方
 4.2 インタフェースの設計
5.減速予見情報呈示実験
 5.1 実験シナリオ
 5.2 実験条件
 5.3 実験結果
  5.3.1 最大減速度による評価
  5.3.2 衝突余裕時間による評価
  5.3.3 主観評価

第3節 運転支援エージェントがドライバの受容性、運転行動に与える影響
1.ドライバの生体機能と運転自己認識の影響
 1.1 一時停止交差点における衝突率と生体機能の関係分析
 1.2 運転指導員による高齢ドライバ指導記録の分析
2.運転行動変容を促す運転支援エージェント“ドライバエージェント”の提案
 2.1 車載HMIとして期待される効果と実現に向けた課題
 2.2 自己認識による運転行動の改善
 2.3 エージェントシステムの構成
3.実験1:運転支援エージェントの形態の違いが受容性・注視行動に与える影響
 3.1 実験方法
 3.2 実験結果
  3.2.1 走行後の主観評価結果
  3.2.2 運転中の注視行動分析結果
 3.3 まとめ
4.実験2:運転支援エージェントによる運転行動改善効果
 4.1 実験方法
 4.2 実験結果
  4.2.1 パフォーマンス指標定義
  4.2.2 運転行動改善効果と主観評価
 4.3 まとめ

第4節 ドライバの心的負担を軽減する同乗者エージェントの開発
1.ドライバの心的負担を軽減する同乗者エージェントとは
 1.1 リアルタイムに運転情報を取得する自己故障診断システムOBD
 1.2 同乗者効果について
 1.3 同乗者擬人化エージェント
2.ドライバと関係を構築する同乗者としての擬人化エージェント
 2.1 同乗者としての擬人化エージェントの実装
  2.1.1 自動車擬人化エージェントシステムHAL Talkの目的
  2.1.2 自動車擬人化エージェントのインタラクション設計
  2.1.3 自動車エージェントHAL TALKα
  2.1.4 実験用ドライビングシミュレータ(DS)の構築
 2.2 実験:同乗者エージェントの印象評価(本郷)
  2.2.1 実験目的と設定
  2.2.2 実験結果
  2.2.3 考察

第5節 シート振動を用いた直感的な自動車危険通知システムの開発
1.自動車の周辺通知に関する研究
2.振動方法
3.振動モータを用いた自動車周辺通知システムの構成
4.方角の直感性
 4.1 実験方法
 4.1 実験結果
5.路面状況に対する頑健性
 5.1 道路の違いによる差
  5.1.1 実験方法
  5.1.2 実験結果
 5.2 砂利道に対する検討
6.使用による学習効果
 6.1 実験方法
 6.2 実験結果
7.振動スピーカを用いた周辺種別検知
 7.1 振動スピーカを利用した種別通知方法
 7.2 実験結果
8.クッションに対する頑健性の基礎検討
 8.1 頑健性評価で使用するクッション材
 8.2 頑健性評価方法
 8.3 頑健性評価結果

 

◇第7章 ドライバ特性の評価とHMIへの応用◇

第1節 視覚認知特性の個人差と運転時の視認行動への影響
1.視覚認知情報処理と個人差
 1.1 低次視覚情報処理とその個人差
 1.2 高次視覚情報処理とその個人差
 1.3 認知スタイルと個人差
2.文化的背景による視覚認知特性の個人差
 2.1 自動車運転時の視覚認知の日米比較
  2.1.1 実験方法
  2.1.2 視線計測の結果
  2.1.3 状況認識質問課題の結果
  2.1.4 まとめ

第2節 ドライバディストラクションの発生要因とその低減策
1.ドライバディストラクション
 1.1 ドライバディストラクションの種類
 1.2 ドライバディストラクションの発生要因
  1.2.1 Visual distraction(視覚的ディストラクション)
  1.2.2 Manual distraction(手操作的ディストラクション)〜人間の上肢の知覚・運動特性との不整合〜
  1.2.3 Cognitive distraction(認知的ディストラクション)〜人間の注意資源利用特性との不整合〜
2.ドライバディストラクションの低減策
 2.1 フロントガラス表示型・拡張現実ヘッドアップディスプレイ
 2.2 ドライバの精神状態を検出する適応型インタフェース

第3節 高齢ドライバの認知・判断能力の測定、評価
1.高齢ドライバの認知・判断能力と運転意識
2.加齢による認知・判断能力の低下と事故との関係
3.認知・判断能力の測定と評価
4.高齢者の運転特性を考慮した認知・判断能力の測定と評価

第4節 認知心理学的手法による高齢ドライバ特性の評価
1.認知心理学に関連する検討課題
2.刺激と反応に関わる問題
3.注意に関わる問題

第5節 ヒトの視覚特性と認知、情報処理メカニズム
1.視覚の目的
2.視覚の基礎特性
 2.1 空間特性と生理的メカニズム
3.初期視覚特性
 3.1 運動視
 3.2 両眼立体視
4.視覚的注意
 4.1 注意とはなにか
 4.2 注意の空間特性
 4.3 時間特性

 

◇第8章 ドライバの運転行動、運転意図の評価とモデル構築◇

第1節 運転習熟過程のモデル構築とその自律運転への適用
1.運転における人間の能力と制約
 1.1 運転者モデルと運転操作の安定性
 1.2 運転操作におけるフィードバック安定性
 1.3 フィードフォワード:安定な運転操作
2.学習アルゴリズム
 2.1 操作量系列の発見
 2.2 技能につながる効率的な操作の学習
3.拡張された身体
 3.1 身体と意識の範囲
 3.2 身体の姿勢や操作方向の補正と限界
4.運転技術の難易度と運転支援
 4.1 周波数特性による技能水準の定義
 4.2 技能の要素
 4.3 同期と位相合わせ
 4.4 人間の内部状態と環境の変動(流れ)
  4.4.1 運転者の技能変化と内部状態の推定
  4.4.2 変動する環境

第2節 数理モデルを用いた運転行動モデルの解析
1.ブレーキタイミングの数理モデル
 1.1 はじめに
 1.2 衝突リスク指標
 1.3 ブレーキ警報装置の構築
 1.4 ブレーキ時系列の数理モデル
 1.5 まとめ
2.運転操作予測のための数理モデル
 2.1 はじめに
 2.2 シンボル化による運転行動予測モデル
 2.3 回帰モデルによる運転行動予測モデル
 2.4 まとめ
3.操舵予測のための数理モデル
 3.1 はじめに
 3.2 消失点と非線形制御による操舵モデル
 3.3 注視点を用いた操舵モデル
 3.4 まとめ

第3節 交通流映像の解析によるドライバモデルの構築手法
1.交通流モデル
 1.1 様々な交通流モデル
 1.2 運転行動を考慮したセルオートマトンモデル
 1.3 運転特性の多様性を表現するモデルへの拡張
2.交通流映像データとモデリング
 2.1 データ収集コストとモデリング精度
 2.2 モデリングにおける順問題と逆問題
 2.3 汎用化・個別化・グループ化
3.時空図からのモデリング方法
4.交通流のモデリング例
 4.1 高速道路映像データからのモデリング
 4.2 渋滞形成実験データからのモデリング
 4.3 車載センサーデータとの融合

 

◇第9章 自動運転車の快適性向上へ向けた研究開発動向◇

第1節 自動運転におけるHMI
1.自動運転技術にユーザが期待することとは?
2.自動運転車を人が使うためには?
 マルチモーダルインタフェース
3.自動運転サービスを使いやすくするには?
 3.1 情報技術(Bit)と乗り物(Atom)をつなぐには?
 3.2 “SecretSign”
4.自動運転車両内インフォテインメント
 4.1 VRと自動運転
 4.2 自動運転技術に人が乗るということ
 4.3 自動運転車両用インフォテインメント
  4.3.1 安全に寄与する情報提示
  4.3.2 エンタテインメントとしての情報提示

第2節 自動走行時に発生する快適性の低減要因:自動走行ストレスと自動走行酔い
1.快適な自動走行環境を実現する快適化知能(Comfort Intelligence)
2.自動走行ストレス
 2.1 自動走行ストレスとは
 2.2 自動走行ストレスの推定手法の例
  2.2.1 自動走行環境における搭乗者の快適性と走行環境情報の収集 
  2.2.2 動的物体を対象としたストレス要因推定
 2.3 自動走行ストレスの軽減手法の例
  2.3.1 挙動変更
  2.3.2 情報提示
3.自動走行酔い
 3.1 自動走行酔いとは
  3.1.1 車酔いのメカニズムと要因
 3.2 自動走行酔いの検証
  3.2.1 自動走行酔いの実験設備
  3.2.2 自動走行酔いの実験環境
  3.2.3 実験結果

第3節 自動運転車両における運転者の不安感評価
1.実験方法
 1.1 調査対象とする運転状況
 1.2 実験参加者
 1.3 実験環境
  1.3.1 コース
  1.3.2 実験で使用した車両
  1.3.3 実験ドライバー
  1.3.4 時間
 1.4 実験の流れ
 1.5 実験条件
  1.5.1 タスクA:合流
  1.5.2 タスクB:ブレーキ
  1.5.3 タスクC:カーブ
 1.6 質問項目
2.結果
 2.1 心理評価値と物理値(距離、速度)の関係
  2.1.1 タスクA:合流
  2.1.2 タスクB:ブレーキ
  2.1.3 タスクC:カーブ
 2.2 ドライバーの属性毎の分析
  2.2.1 タスクA:合流
  2.2.2 タスクB:ブレーキ
  2.2.3 タスクC:カーブ
 2.3 実験参加者の立ち位置による評価の差
 2.4 実験参加者コメント
  2.4.1 タスクA:合流
  2.4.2 タスクB:ブレーキ
  2.4.3 タスクC:カーブ
3.考察
 3.1 心理評価値と物理値(距離、速度)の関係
 3.2 合流タスクでの男女間の評価の違いについて
 3.3 実験参加者の立ち位置による評価の差
 3.4 車両の状態表示の重要性について
4.課題

 

◇第10章 ヘッドアップディスプレイの表示技術と視認性向上、安全性評価◇

第1節 ヘッドアップディスプレイの設計上のポイントと安全性評価
1.HUDの設計上のポイント
 1.1 全体構造
 1.2 表示器
 1.3 像の歪みと二重像
 1.4 HUD虚像までの距離
 1.5 HUD虚像の表示範囲
2.安全性評価
 2.1 表示色による視認性
  2.1.1 実験データ
  2.1.2 混色計算方法
  2.1.3 混色計算結果
  2.1.4 表示色に関するまとめ
 2.2 複数表示時の安全性
  2.2.1 実験内容
  2.2.2 実験結果

第2節 自動車用AR・ヘッドアップディスプレイの情報受容特性と実用化課題
1.自動車用表示装置のトレンドとHUD登場の背景
 1.1 自動車用表示装置のトレンド
 1.2 自動車用HUD登場の背景
2.航空機用HUDと自動車用とHUDの比較
3.自動車用HUDの視覚情報受容特性 
 3.1 実車走行におけるディジタル車速情報の受容
 3.2 HUDにおける表示情報受容特性
 3.3 表示像俯角の効果
4.AR(Augmented Reality)表示
 4.1 指示型表示における短時間認識
 4.2 表示像俯角と表示像距離の効果
 4.3 心的拡大縮小の効果の限界
5.自動車用AR表示装置の課題

第3節 生理光学の立場から見たヘッドアップディスプレイの安全性と視覚中心設計
1.ヘッドアップディスプレイと眼調節
2.ヘッドアップディスプレイと視線移動
3.ヘッドアップディスプレイの安全性と有効性
4.ヘッドアップディスプレイと視覚中心設計

第4節 ウィンドシールドの透過率制御による運転者視覚補助
1.人間の視覚における光順応特性
2.ウィンドシールドの透過率制御
3.カメラによる運転者視点の観測光の取得
4.観測画像に基づく透過率制御
 4.1 ルールに基づく透過率制御
 4.2 深層学習に基づく透過率制御

第5節 酸化亜鉛系ナノ粒子を用いた光散乱制御型ヘッドアップディスプレイの開発と特性評価
1.ナノ粒子の屈折率とシースルー、視認性との関係
 1.1 ナノ粒子の屈折率とシースルー、視認性との関係
 1.2 材料
 1.3 塗工溶液の調製
 1.4 塗工
 1.5 分光分布測定
 1.6 試験系1
 1.7 試験系2
 1.8 レーザーを用いた散乱形態の評価
2.結果および考察
 2.1 分光分布測定
 2.2 HUDの特性評価_試験系1
 2.3 HUDの特性評価_試験系2
 2.4 レーザーを用いた散乱形態の評価

 

◇第11章 自動運転、コネクテッドカーへ向けたサイバーセキュリティと対策◇

第1節 コネクテッドカーに向けたサイバーセキュリティーの現状と対策技術
1.自動車の情報セキュリティ
 1.1 電子制御システムとセキュリティ
 1.2 情報セキュリティとの違い
2.自動車への脅威事例
 2.1 セキュリティ脅威事例
 2.2 想定される脅威と被害
 2.3 セキュリティ強化の難しさ
3.セキュリティ強化
 3.1 車両のセキュリティ強化技術
 3.2 交通インフラ側のセキュリティ強化技術
 3.3 セキュリティエンジニアリングプロセス
 3.4 脆弱性情報の共有と組織的なインシデント対応
 3.5 タレント育成,人材育成

第2節 自動運転へ向けた統合コックピットのセキュリティ技術
1.ハイパーバイザー技術の基礎
2.OSのセキュリティ機能
 2.1 プロセスのアイソレーション
 2.2 時間的なアイソレーション
 2.3 プロセス保護
 2.4 セキュアブート
 2.5 強制アクセス制御 (Mandatory Access Control :MAC)
 2.6 アクセスコントロールリスト (Access Control List; ACL)
 2.7 サンドボックス
 2.8 通信系のセキュリティ
 2.9 自己検証ファイルシステム
 2.10 IMA (インテグリティーメジャメントアーキテクチャー)
 2.11 暗号化ファイルシステム
 2.12 異常検知
 2.13 ルートレス動作
3.通信系のセキュリティ
4.セキュアな開発システム
6.まとめ