1節 自己免疫疾患の発症/制御に関わる重要な鍵分子を求めて―内因性炎症を担う鍵分子の探索戦略と最新の知見―
1.自己免疫疾患に共通する炎症論ー内因性炎症
2.優れた創薬標的としてのエンドリソソームシステム
2.1 炎症シグナル伝達のハブとしてのエンドリソソームシステム
2.2 創薬の安全域からみたエンドリソソームの優位性
3.内因性炎症を制御する鍵分子としてのアミノ酸トランスポーター
3.1 アミノ酸トランスポーターSLC15A4に依存する炎症シグナル
3.2 全身性エリテマトーデスの治療標的としてのSLC15A4
3.3 腸炎の治療標的としてのSLC15A4
3.4 SLC15A4による栄養・代謝制御と炎症制御
3.5 SLC15A3による炎症制御
4.再び、なぜエンドリソソームは内因性炎症の制御において優れた標的となるのか?
2節 自己免疫疾患に関わるT細胞の制御因子
1.Th17細胞の制御因子
1.1 Th17初期分化を誘導するサイトカイン(IL-6, TGF-β1)
1.2 Th17細胞による自己免疫疾患惹起に重要な因子
2.Th17細胞の可塑性とその制御因子
3.Th17細胞のエフェクターサイトカイン
3.1 IL-17A/F
3.2 GM-CSF
3節 シングルセルオミックス解析による免疫疾患の解明と標的分子研究
1.シングルセル解析の研究動向
2.各免疫疾患における1細胞解析のデータベース
3.各免疫疾患におけるシングルセル解析研究
3.1 関節リウマチ(Rheumatoid arthritis; RA)
3.2 シェーグレン症候群(Sjogren’s syndrome)
3.3 バセドウ病(Graves’ Disease)
3.4 潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis)
3.5 クローン病(Crohn’s Disease)
4節 人工知能を用いた自己免疫疾患の標的探索
1.創薬標的探索とAI
1.1 AIをどのように使うのか
2.創薬標的探索におけるAI活用のために必要な要素
2.1 データ収集
2.2 データの構造化
2.3 知識統合
3.AI創薬:オールジャパンの取り組み
3.1 LINC(Life Intelligence Consortium)
3.2 LINCにおける創薬標的探索ストラテジーの開発
5節 二次進行型多発性硬化症の予防、診断、治療に向けた研究の取り組み
1.MSとその分類
1.1 MSとはどの様な疾患か(1)
1.2 RRMSの病態機序と治療法の進歩
1.3 EAE;MSの動物モデル
1.4 RRMSの病態機序解明と未知病態の発見
2.SPMSと獲得免疫系の関連
2.1 SPMSとは(6)
2.2 新規SPMS動物モデルの解析
2.3 SPMSとEomes陽性Th細胞の関連
2.4 Eomes陽性Th細胞の性状解析
3.なぜSPMSに移行するのか
3.1 CNS浸潤Th細胞と抗原提示細胞の相互作用
3.2 慢性炎症に伴う抗原提示細胞の異所性プロラクチン産生
4.SPMSの精密診断をいかに実現するか
4.1 Eomes陽性Th細胞はSPMSのバイオマーカーとなりうるか?
4.2 Eomes頻度は何を反映するのか?
4.3 SPMS患者におけるEomes頻度亢進の意義
5.SPMSの予防、診断、治療に向けた今後の展望
6節 重要な鍵分子の研究動向〜関節リウマチ
1.関節リウマチの病態
2.関節リウマチの原因
3.関節リウマチの薬物治療
4.関節リウマチのアンメットニーズ
4.1 RAの病態解明
4.2 治療抵抗性RAの存在
4.3 RA治療へのアクセス
5.関節リウマチの分子病態パスウェイ
6.新薬開発の動向23)
6.1 開発中のbDMARDs
6.2 開発中のtsDMARDs
6.3 開発中止されたDMARDs
7節 重要な鍵分子の研究動向〜全身性エリテマトーデス
1.細胞表面抗原分子
1.1 共刺激分子
1.2 共抑制分子
2.細胞内シグナル伝達分子
3.サイトカイン
8節 潰瘍性大腸炎に対する新たな治療開発に向けた研究動向
1.腸管上皮細胞による粘膜バリアによる腸管恒常性維持機構
1.1 腸管上皮バリアによる腸内細菌制御
1.1.1 化学的バリア
1.1.2 物理的バリア
1.2 腸管上皮バリア破綻による腸管炎症
2.腸管免疫細胞による腸管恒常性維持機構
2.1 骨髄系細胞による炎症制御機構
2.1.1 抗炎症性マクロファージとIL-10
2.1.2 CD103発現樹状細胞
2.2 自然リンパ球による腸管上皮バリア機能調節機構
2.2.1 グループ2自然リンパ球(ILC2)
2.2.2 グループ3自然リンパ球(ILC3)
2.3 UC患者の腸管で認められる免疫動態変化
3.腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)と腸管炎症
3.1 ヒトIBDと腸内フローラ
3.2 マウス腸炎モデルと腸内フローラ
3.3 dysbiosisによる腸管炎症誘導
9節 重要な鍵分子の研究動向〜炎症性腸疾患(クローン病)
1.クローン病とは
1.1 クローン病の臨床像
1.2 環境因子
1.3 遺伝因子
2.病態生理学
2.1 腸管防御機構
2.2 免疫機構
2.3 dysbiosis
3.最近のトピックス
3.1 クローン病とオートファジー
3.2 Monogenic IBD
3.3 TNFAIP3/A20
10節 重要な鍵分子の研究動向〜シェーグレン症候群:自然免疫応答を中心に
1.シェーグレン症候群について
1.1 疫学
1.2 臨床所見
1.3 考えられている発症機序、組織障害
2.シェーグレン症候群と自然免疫応答
2.1 自然免疫応答について
2.2 核酸認識センサーとtype I IFNシグネチャー
2.2.1 TLR3、7?9シグナル活性
2.2.2 TLR7、9と性差
2.2.3 細胞質内RNAセンサーとDNAセンサー
2.2.4 核酸認識センサーにおけるtype I IFNシグナル活性
2.2.5 核酸認識センサーとB細胞活性
2.3 細胞表面TLR
2.4 インフラマソーム
11節 重要な鍵分子の研究動向〜ループス腎炎
1.LNの病態発症
2.LNにおける遺伝子異常
3.B細胞を標的とした治療
4.Type I IFNを標的とした治療
5.IL-12とIL-23/IL-17 axisを標的とした治療
6.補体系を標的とした治療
12節 重要な鍵分子の研究動向〜バセドウ病
1.自己免疫性甲状腺疾患で検出される自己抗体
1.1 TSH受容体(TSHR)
(1)TBII
(2)TSAb(刺激型TRAb)
(3)TBAb(阻害型TRAb)
(4)低分子TSHRアンタゴニスト
(5)ニュートラル型TRAb
(6)バセドウ病患者に検出されるTRAb
(7)TSHRペプチド
1.2 サイログロブリン(Tg)と甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)
1.3 ナトリウムヨードシンポーター(NIS)とペンドリン
2.自己免疫性眼疾患で検出される自己抗体
2.1 外眼筋
2.2 TSH受容体(TSHR)
2.3 サイログロブリン(Tg)
2.4 インスリン様成長因子1(IGF1)受容体(IGF1R)
3.B細胞の膜表面分子
3.1 CD20
3.2 CD40
3.3 胎児性Fc受容体(FcRn)
3.4 B-cell activating factor(BAFF)
13節 重要な鍵分子の研究動向〜1型糖尿病
1.ヒトにおける1型糖尿病と腸内細菌
2.マウスにおける1型糖尿病と腸内細菌
3.寄生虫と1型糖尿病
3.1 腸管寄生蠕虫による自己免疫疾患の抑制メカニズム
3.2 H. polygyrusは1型糖尿病の発症を抑制する
3.3 CD8Tregの誘導には腸内細菌が関与している
3.4 H. polygyrusはトレハロースを産生して腸内細菌叢を変える
3.5 トレハロースによって増殖したR. gnavusはCD8陽性制御性T細胞を増加させる
14節 重要な鍵分子の研究動向〜血管炎
1.ANCA関連血管炎の病態
1.1 発症機序
1.2 血管炎の病態進展機序
2.Effector細胞としての好中球
2.1 Suicidal NETsを制御する分子と関連疾患
2.2. Vital NETs
2.3 好中球の分類
2.4 ANCAによるNETs誘導
3.AAVにおける好中球と周辺細胞との関連
3.1 血管内皮細胞との関連
3.2 血小板との関連
3.3 マクロファージとの関連
3.4 リンパ球との関連(T細胞)
3.5 リンパ球との関連(B細胞)
15節 重要な鍵分子の研究動向〜全身性強皮症
1.全身性強皮症(SSc)について
2.SScで認められる線維化について
(1)IL-6
(2)TGF-β
(3)CTGF
(4)IL-1ファミリー
(5)ET-1
(6)チロシンキナーゼファミリー
(7)カンナビノイド受容体
(8)リゾホスファチジン酸
(9)WNTシグナル
|